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会計法令の解説

単価契約や交換契約、検査調書を省略した場合の運用通知

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会計法令の解説
2007年 シンガポール
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日常の会計実務の中で、意外にも役立つ古い運用通知です。請求書へ発注書を添付させる単価契約の取り扱い、交換契約における同種の自動車等の判断、検査調書を省略した場合の検収年月日の記入方法などです。

 

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会計事務簡素化の通知

 

過去に大蔵省から各省庁あてに「会計事務簡素化のための法令の実施について」が通知されています。同じタイトルで何回か通知されているのですが、その中に現在でも実務に役立つ内容があるので参考に紹介します。

 

以下の内容は、わかりやすく表現するために原文を少し変えています。

 

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単価契約の発注方法、予算を超えないように

 

「会計事務簡素化のための法令の実施について」
(昭四四・一二・一七蔵計四三九〇)

 

〇単価契約の適正化について

 

単価契約は、予算の範囲を超えてしまうなどのリスクがあります。注文するときは、発注書を契約の相手方へ交付し、請求書を提出してもらうときに、交付した発注書を添付するようにします。発注時の内容と、請求書の内容を照合して確認できるので効率的になります。

 

単価契約は、数量が未定のときに締結する年間契約です。単価のみを契約し、実際に発注した数量で支払います。発注数を管理するのは煩雑になるので、発注書を請求書に添付して提出してもらう方法を推奨しています。この取り扱いは事務負担の軽減になり事務の簡素化に役立ちます。

 

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交換契約における「同種の自動車等」

 

「会計事務簡素化のための法令の実施について」
(昭四六・一一・二六蔵計三五六八)

 

〇国の所有に属する自動車等の交換に関する法律施行令について

「・・同種の自動車等・・」とは、乗用自動車、バス、貨物自動車等の別に同種の自動車とする。

 

自動車を買い替えるときは、商慣習として古い自動車を下取りに出すのが一般的です。しかし会計法令により、国の財産は原則として交換できないことになっています。

 

財政法

第九条 国の財産は、法律に基く場合を除く外、これを交換しその他支払手段として使用し、又は適正な対価なくしてこれを譲渡し若しくは貸し付けてはならない。

 

そのため原則に対する例外として、「国の所有に属する自動車等の交換に関する法律」が定められています。この法律を受けて施行令が定められているのですが、そのうち「・・同種の自動車等・・」の定義があいまいなため通知されたものです。

 

国の所有に属する自動車等の交換に関する法律施行令

2 (略)交換をすることができる場合は、次に掲げる場合とし、当該交換により取得することができる物品は、当該交換のため引き渡す自動車等と同種の自動車等とする。(略)

 

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検査調書を省略した場合の検査年月日

 

「会計事務簡素化のための法令の実施について」
昭五五・八・三〇蔵計二二五二

 

検査調書を省略できる場合においても、検査を実施したことを証明する書類を作成するか、請求書などに検査年月日を記入して押印するなど、検査の完了の事実を明らかにしておくこと。(2022年現在は、押印ではなく署名が求められています。

 

契約事務取扱規則
(検査調書の作成を省略することができる場合)
第二十四条
(略)請負契約又は物件の買入れその他の契約に係る給付の完了の確認(略)のための検査であつて、当該契約金額が二百万円を超えない契約に係るものである場合とする。

 

検査年月日は、支払手続きに直接影響します。代金の支払期限が法律で決まっているので、検査が遅延すると、その分支払時期が早くなります。

 

政府契約の支払遅延防止等に関する法律

第五条 (検査の時期)は、国が相手方から給付を終了した旨の通知を受けた日から工事については十四日、その他の給付については十日以内の日としなければならない。

第六条 (対価の支払の時期)は、国が給付の完了の確認又は検査を終了した後相手方から適法な支払請求を受けた日から工事代金については四十日、その他の給付に対する対価については三十日(以下この規定又は第七条の規定により約定した期間を「約定期間」という。)以内の日としなければならない。

第九条 国が約定の時期までに給付の完了の確認又は検査をしないときは、その時期を経過した日から完了の確認又は検査をした日までの期間の日数は、約定期間の日数から差し引くものとし、又当該遅延期間が約定期間の日数を越える場合には、約定期間は満了したものとみなし、国は、その越える日数に応じ前条の計算の例に準じ支払遅延に関し約定した利率をもつて計算した金額を相手方に対し支払わなければならない。

 

検査(検収)は、契約担当者が日常的に実施しています。特に注意したい内容です。

 

現在は、消費税の税務調査なども実施されるため、納品書へ検収年月日と検収者のサインを記載するようになっています。消費税の調査では、だれが、いつ受け取ったかが重要になります。

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