検査調書の省略と記載例、支払に必要な検査と調書の違い

イギリスのロンドン 会計法令の解説
イギリスのロンドン

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

 

検査調書の作成と省略

 

予算決算及び会計令

第百一条の九  契約担当官等、契約担当官等から検査を命ぜられた補助者は、検査を完了した場合においては、財務大臣の定める場合を除くほか、検査調書を作成しなければならない。

2  前項の規定により検査調書を作成すべき場合においては、当該検査調書に基づかなければ、支払をすることができない。

 

契約実務では、この検査調書作成の規定は重要です。

 

「財務大臣の定める場合を除くほか、検査調書を作成しなければならない」と義務付けられています。さらに第2項で、「検査調書に基づかなければ、支払をすることができない」と定められています。

 

検査調書を作成しなければ支払できません。

 

例外として、検査調書の作成を省略できる場合は、「財務大臣の定める」契約事務取扱規則(昭和三十七年八月二十日大蔵省令第五十二号)第二十四条で次のように定めています。

 

契約事務取扱規則

第二十四条  令第百一条の九第一項 に規定する財務大臣の定める場合は、請負契約又は物件の買入れその他の契約に係る給付の完了の確認のための検査であつて、当該契約金額が二百万円を超えない契約に係るものである場合とする。

 

検査調書は省略できるが検査は必要

 

契約金額が200万円以下(消費税を含む)であれば、検査調書の作成を省略できます。

 

ここで注意が必要なのは、「検査調書」は省略できますが、検査は省略できないということです。

 

わかりにくいと思いますので詳しく解説します。

「検査調書」とは、検査を行った結果を「調書」として正式な書面として作成することです。

 

検査調書の例です。(A4で作成します。)

検査調書

 

契約件名  ○○○○ 一式
(内訳は契約書記載のとおり)

契約金額  金○,○○○,○○○円也
(うち消費税及び地方消費税相当額 金○○○,○○○円也)

契約の相手方 ○○○株式会社
代表取締役社長 ○○○○

契約日   平成○○年○○月○○日

納入期限  平成○○年○○月○○日

納入日   平成○○年○○月○○日

 

上記の物品は、検査の結果、契約書に相違なく納品されたことを確認する。
平成○○年○○月○○日

 

検査職員
○○省○○課 ○○課長 印

 

検査自体は、契約内容を確認することですので、通常、メーカー名、型式、数量等が検査項目になります。契約書と仕様書の写しを持参して、一品一品、現物と書類を照合しながら確認します。契約内容に性能が記載してあれば、その性能についても動作確認します。

 

検査調書に内訳を全て記載することもありますが、内訳は契約書記載のとおりと表示する方が効率的です。

 

この調書、つまり「検査調書」という書面を作成するのは、契約金額が200万円を超える契約です。

 

検査調書を省略したとき

 

200万円以下のときは、調書の作成は省略し、納品書(完了通知書)などに、納品確認の検査を行った日付、氏名を手書きし、検査完了とします。

 

納品書への記載例 書類を綴じても見える余白に記載します。

 

○年○月○日 検査完了 役職名 氏名 サイン(又は押印)

 

昭和55年に大蔵大臣から各省庁あてに通達された、「会計事務簡素化のための法令の実施について」においても、検査調書を省略したときは、給付の完了の確認を証する適宜の書面を作成するか、請求書等の余白に検査年月日を記入し押印するよう求めています。

コメント