検収の具体的な実施方法、検査調書を省略できる場合でも検収は必要

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会計法令の解説
イギリス ロンドン

契約手続きに必要な検査調書と検収の解説です。一定金額以下の契約であれば検査調書を省略できます。しかし検査(検収)そのものは省略できません。また検査調書を省略した場合でも、納品書へ検収サインが必要です。検収の具体的な実施方法です。

 

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検査調書を省略できる場合

 

検査調書は、契約が約束どおりに履行されたことを確認し、その結果を書面にするものです。契約代金を支払う前には、検収を行うことが義務付けられています。給付の完了を確認するための検査は、通称、検収といいます。検収は、検査収納のことです。検収は、納品検査や完了検査ともいいます。

 

会計法
第二十九条の十一
○2 契約担当官等は、(略)請負契約又は物件の買入れその他の契約については、政令の定めるところにより、自ら又は補助者に命じて、その受ける給付の完了の確認(略)をするため必要な検査をしなければならない。

 

例えば物品の購入契約であれば、納品されたときに、品名、型式、数量、性能などを検査します。役務契約であれば業務が完了したことを検査します。検収はすべての契約で行わなければなりません。検収を終えた後に、検査した結果を検査調書として作成する場合と、省略する場合があります。

 

契約事務取扱規則

第二十四条  令第百一条の九第一項 に規定する財務大臣の定める場合は、請負契約又は物件の買入れその他の契約に係る給付の完了の確認のための検査であつて、当該契約金額が二百万円を超えない契約に係るものである場合とする。

 

 

予算決算及び会計令

第百一条の九  契約担当官等、契約担当官等から検査を命ぜられた補助者(略)は、検査を完了した場合においては、財務大臣の定める場合を除くほか、検査調書を作成しなければならない。

 

検収を終えた後は、原則として検査調書を作成します。例外として契約金額が小さい場合に検査調書を省略できます。上記の契約事務取扱規則は、国の取り扱いですが、契約金額が200万円以下であれば検査調書を省略できると定めています。

 

また地方自治体では、検査調書の作成を省略できる金額は、それぞれの自治体で定めています。

 

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検査調書は省略できるが、検査(検収)は省略できない

 

間違えやすい点は、検査調書を省略する場合でも、検査(検収)は省略できないところです。検収を完了しなければ、契約代金を支払うことはできません。

 

政府契約の支払遅延防止等に関する法律
(支払の時期)
第六条  (代金支払いの時期は)国が給付の完了の確認又は検査を終了した後相手方から適法な支払請求を受けた日から三十日以内の日としなければならない。

 

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検査調書を省略するメリット

 

検査調書は、検収した内容を記載して、検査職員が記名押印します。A4の用紙で検査調書を作成します。一方、検査調書の作成を省略した場合の検収は、次に解説するように、納品書などの余白に、実際に内容を確認した者が署名します。係長や担当係員が検収することが多いです。

 

実際の検収は、契約書や請書などの関係書類と現物を照合し確認します。事前に検査職員の日程調整を行い、契約の相手方である営業担当者と、官公庁側の契約担当者が一緒に検収します。

 

検査職員に指定されている課長補佐などは会議出席で多忙なときもあり、関係者の日程調整だけでも時間がかかります。しかし検査調書を省略する検収だけであれば、契約を担当した係内のみで簡単にできます。検査調書を省略できるメリットは、意外に大きいです。特に大きな組織では、頻繁に会議や打合せに出席する検査職員の日程調整はむずかしいです。

 

検査調書自体の様式は、それほど複雑な内容ではありませんが、検査調書を作成することのできる検査職員(課長補佐などが多い)が多忙で、なかなか検収できないのです。そのため契約金額が大きい場合だけ検査調書を作成することになっています。

 

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具体的な検収方法

 

検査調書の作成を省略するときの検収方法について解説します。物品購入契約の検収例です。

 

検収は、契約書(請書)と納品書、現物の3つを照合して確認します。

 

メーカー名、型式、数量などが間違いないか、書類と現物を確認します。事前に契約書などの関係書類を人数分コピーしておき、そのコピーに赤ボールペンでチェックします。関係書類は、検収に立ち会う人数分用意し、複数の目でチェックするようにします。

 

検収の進め方は、関係者が全員揃ったことを確認し、最初に官公庁側の契約担当者が次のように挨拶します。参加者が少ない場合は、挨拶を省略します。

 

「それでは関係者が揃いましたので、これより検収を始めたいと思います。最初に簡単に参加者の確認をお願いしたいので、自己紹介をお願いします。」

 

参加者の氏名をメモしておきます。そして次のようにアナウンスして検収を始めます。

 

「それでは、契約書の内訳(〇〇書類など)に基づいて検収を行います。書類に記載してある順番に現物の確認をしたいので、営業担当の〇〇様、ご説明をお願いします。なお、不明な点などは、その都度確認したいと思います。質疑応答は、その場で現物を確認しながら行います。」

 

検収は、契約書や仕様書、請書などの書類に基づいて、契約の相手方である営業担当者の方に説明してもらいます。官公庁側は、説明を聞きながら不明な点などを質問します。質疑応答は随時、現物を見ながら行います。数量の多い複雑な契約になると、検収だけで1日かかることもあります。

 

検収を終えたら、納品書の余白に次のようにサインします。検収者本人が、手書きで署名する必要があります。

 

納品書の余白へのサイン例

 

2017年4月12日 検査完了 田中太郎 印

 

注意したいのは、氏名は必ず手書きにすることです。ゴム印は使用しません。検収サインは、他の人が代筆してはいけません。形式上だけのサインは避けるべきです。後日、債務不履行などのトラブルが生じたときに問題になります。必ず、検収者本人がサインします。また消費税の税務調査のときにも受取りサインが重要です。

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