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会計法令の解説

支出負担行為担当官と契約担当官の違いをわかりやすく解説

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会計法令の解説
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支出負担行為担当官と契約担当官の解説です。契約書類を作成するときに、書類の宛名や契約名義人などで、支出負担行為担当官と契約担当官を区別して記載します。支出負担行為担当官と契約担当官の違いについては、契約の事務所掌を理解することが大切です。

 

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支出負担行為担当官と契約担当官の根拠法令

 

国家公務員になり、初めて契約実務を担当すると、聞きなれない官庁用語が多くて悩みます。先輩たちは丁寧に教えてくれるのですが、そもそも単語が理解できないのです。その中でも支出負担行為担当官と契約担当官は、かなりむずかしいです。

 

支出負担行為担当官と契約担当官をわかりやすく解説します。日常の契約実務に直接関係する難解な条文を最初に確認しましょう。

 

会計法

第十条  各省各庁の長は、その所掌に係る支出負担行為(略)(財政法第三十四条の二第一項 に規定する支出負担行為をいう。以下同じ。)及び支出に関する事務を管理する。

 

第二十九条  各省各庁の長は、第十条の規定によるほか、その所掌に係る売買、貸借、請負その他の契約に関する事務を管理する。

 

財政法第三十四条の二第一項は、支出負担行為の定義です。

 

財政法

第三十四条の二  各省各庁の長は、配賦された歳出予算、継続費又は国庫債務負担行為に基いてなす支出負担行為国の支出の原因となる契約その他の行為をいう。以下同じ。)の実施計画に関する書類を作製して、これを財務大臣に送付し、その承認を経なければならない。

 

条文を整理すると次のようになります。

 

まず会計法第十条は、支出負担行為担当官の所掌する事務を定めています。そして会計法第二十九条で契約担当官の所掌する事務は、支出負担行為担当官の所掌でないものとしています。第二十九条の「第十条の規定によるほか」が理解する上で重要なポイントです。支出負担行為担当官の契約を除くものが、契約担当官の所掌です。

 

支出負担行為とは、歳出予算、継続費又は国庫債務負担行為に基づく、国の支出の原因となる契約その他の行為です。多くの職場では、継続費や国庫債務負担行為は措置されてません。歳出予算のみの職場が多いです。継続費と国庫債務負担行為は、単年度では実施できない、完成までに 5 年くらいかかる大規模な工事やシステム開発などです。

 

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支出負担行為担当官と契約担当官の違い

 

会計法の第十条は支出負担行為担当官を指し、第二十九条は契約担当官を指しています。では、支出負担行為担当官と契約担当官の違いをくわしく解説します。

 

支出負担行為担当官とは、債務を負担する行為、つまり代金の支払義務を負うことです。財政法第三十四条の二で、国の支出の原因となる契約と定義しています。

 

例えば、歳出予算でパソコンを購入して代金を支払う契約が、支出負担行為担当官の所掌です。民間企業へ工事を発注したり、役務契約を発注して、歳出予算から代金を支払うような契約を支出負担行為担当官が行います。

 

一方、契約担当官は、支出負担行為担当官の所掌に含まれない契約事務を担当します。例えば売払い契約や財産の貸付契約などです。これらは代金を支払うのではなくて収入になる契約です。支出ではなく収入になるので、契約担当官の所掌になります。この他にも、すでに支出された前渡資金による契約、寄附金などの歳入歳出外現金による契約などが契約担当官の所掌です。前渡資金を使う契約は、すでに支出官から資金前渡官吏へ支出されているので、支出負担行為担当官の対象外になります。

 

覚え方は次のとおりです。

 

〇支出負担行為担当官は、歳出予算を使って代金を支払う契約を所掌する。(物品購入契約や工事契約など)

 

〇契約担当官は、売払い契約や支出負担行為担当官が担当しないものを所掌する。(物品売払契約、前渡資金を使う契約など)

 

支出負担行為担当官と契約担当官は、相当ややこしいです。慣れないと判別がつきません。実務上は、見積書などの書類の宛名や契約の名義人を記載するときに必要な知識です。

 

なお、地方自治体にも支出負担行為制度がありますが、国のように会計機関(支出負担行為担当官、契約担当官)の区別がありません。予算を統制するという意味では同じですが、国と地方自治体の支出負担行為は微妙に異なります。

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