前金払の理由として認められる支払は予決令第五十七条に限定列挙

竜王マウンテンパーク SORA terrace 会計法令の解説
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前金払いは、限定列挙

 

予算決算及び会計令

第五十七条  会計法第二十二条 の規定により前金払をすることができるのは、次に掲げる経費に限る。
ただし、第八号から第十五号までに掲げる経費について前金払をする場合においては、各省各庁の長は、財務大臣に協議することを要する。

一  外国から購入する機械、機械部品、航空機、航空機部品、航空機専用工具、図書、標本又は実験用材料の代価(購入契約に係る機械、機械部品、航空機、航空機部品、航空機専用工具、図書、標本又は実験用材料を当該契約の相手方が外国から直接購入しなければならない場合におけるこれらの物の代価を含む。)

二  定期刊行物の代価、定額制供給に係る電灯電力料及び日本放送協会に対し支払う受信料
三  土地又は家屋の借料
四  運賃
五  国の買収又は収用に係る土地の上に存する物件の移転料
六  官公署に対し支払う経費(第七号の二、第八号又は第十号に掲げる経費に該当するものを除く。)
七  外国で研究又は調査に従事する者に支給する学資金その他の給与
七の二  職員のために研修又は講習を実施する者に対し支払う経費(次号に掲げる経費に該当するものを除く。)
八  委託費
十一  諸謝金
十四  外国において調度品の製造又は修理をさせる場合で納入までに長期間を要するときにおけるその代価
十五  外国で支払う経費のうち次に掲げるもの(前各号に掲げる経費に該当するものを除く。)
イ 物品の購入代価
ロ 機械又は器具の借料又は修理費
ハ 建物(附帯設備を含む。)の維持修繕費
ニ 放送の受信、廃棄物の収集その他の役務の提供に対する代価
ホ 国際会議等のために借り受ける施設又は航空機の借料

 

この前金払の条文は、支出の特例として、限定列挙されています。

 

第五十七条の本文を読むと、「次に掲げる経費に限る。」と記載されていて、拡大解釈や類推解釈が不可能な規定になっています。

 

つまり、この第五十七条に明確に記載されているものしか前金払いが認められないということになります。

 

財務大臣協議が必要なもの

そして、もうひとつ重要な点が、「第八号から第十五号までに掲げる経費について前金払をする場合においては、各省各庁の長は、財務大臣に協議することを要する。」という部分です。

財務大臣協議ですので、事前に協議を終えないと前金払いできません。

 

実務的には、第一号から第七号のみ前金払い可能と考えます。

 

前金払いの多い例としては、輸入品の売買契約です。

 

外国では、商慣習として、前金払いが一般的です。実際の契約手続きでは、日本国内の代理店と契約することになると思いますが、輸入品の契約では、最初に代金の支払条件、支払の時期(後払いが可能か)について交渉し、後払いが可能であれば、この前金払いの条文は適用しない方が望ましいです。

 

前金払いは、支出の特例ですから、契約実務としては、最初に後金払い(納品完了後に代金支払)が可能かどうか交渉し、どうしても無理であるなら、その理由もメモとして残してから、前金払いを行なうことになります。

 

なお、輸入品でも、日本国内の代理店が、定期的に輸入し在庫を多数有していて、在庫品を購入する場合は、この条文は適用されません。

 

契約によって、発注してから輸入する場合のみ、この条文が適用されることに注意が必要です。

 

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