もう、疑われる「指名入札」はやめましょう!一般入札が絶対に安全

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会計法令の解説
イギリス ロンドン
会計法令の解説

指名競争入札を実施するときに注意したい点です。一般競争入札とは異なり、あらかじめ数社を選定し指名通知を送付します。会社を選んだ理由は、明確にしておく必要があります。もし選ぶ理由がないなら、一般競争入札の方が安全です。後日、指名基準が問題になることがあります。

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指名競争契約とは

 

指名競争契約(指名入札)と一般競争契約(公開入札)の違いは、発注情報(調達情報)を公開するかどうかです。入札公告として広く公開し、不特定多数の参加者で競争するのが一般競争契約(公開入札)です。指名競争契約(指名入札)は、あらかじめ発注者(官公庁)側が選んだ会社のみで入札します。指名通知を受け取った会社のみが、発注情報(調達情報)を知ることができます。

 

例外的な手続きのため、指名入札を実施するときは、参加会社を選ぶ方法が、法令で定められています。予算決算及び会計令(予決令)第九十七条は、指名人数を10人以上とすること、予決令第九十六条は、指名基準を定めることになっています。

予算決算及び会計令

第九十七条  契約担当官等は、指名競争に付するときは、第九十五条の資格を有する者のうちから、前条第一項の基準により、競争に参加する者をなるべく十人以上指名しなければならない。

 

第九十六条  各省各庁の長又はその委任を受けた職員は、契約担当官等が前条の資格を有する者のうちから競争に参加する者を指名する場合の基準を定めなければならない。

 

上記第九十六条の指名基準の例として、厚生労働省と環境省を参考に記載します。いずれも、契約の相手方として「問題がないか」という視点です。過去に不祥事を起こした会社(不正事件や取引停止事例)を排除するものです。危ない会社でなければ指名の対象になります。

厚生労働省の指名基準(抜粋)

3 物品製造等

(1)当該物品の製造等に関して相当な経験を有し、かつ、納入成績(納入期限、検収結果等)が良好であること。
(2)当該物件の納入、保守又は部品等の補給を迅速、適切に行うことのできること。
(3)経営規模、取引先その他の状況より、当該契約の履行が確実であること。
(4)財務諸表類その他により、経営が信頼できること。
(5)特殊技術者及び特殊設備等を必要とする場合にそれらを保有する業者であること。
(6)地理的条件に恵まれている業者であること。

この他に、建設工事では、契約内容に応じて、等級の上位や下位を含める基準です。

 

環境省では次のようになっています。ほぼ同じです。

環境省所管契約事務取扱要領(抜粋)
(指名基準)
3.令第96条第1項に規定する競争に参加する者を指名する場合の基準は、指名競争に参加する資格を有する者のうちから、次の各号に掲げる契約の種類ごとに当該各号に規定する事項を総合勘案して指名するものとする。

イ 不誠実な行為の有無
ロ 経営状況
ハ 契約履行能力及び技術的適性
ニ 受注意欲
ホ 地域性及び地元業者への配慮
へ 指名及び受注の状況

 

指名競争契約(指名入札)は、官公庁側の契約実務担当者が、入札参加資格(全省庁統一資格)を有する会社の中から、任意に選んだ会社のみによって入札を行います。選ぶ基準は、過去の契約実績や契約金額の予定額を考慮します。問題のある会社を除いて、指名通知を送る会社を決定します。

 

当然のことながら、多数ある会社の中から指名するわけですから、契約実務担当者(官公庁側)の恣意的な判断が介在します。信頼のおける会社、過去の契約実績から安心できる会社を選びます。

 

契約実務担当者としては、入札などの契約手続きによるトラブルは極力避けたいものです。発注者側(官公庁)の要望に対して、丁寧に応えてくれる会社を選びます。しかし、ここは癒着が生じやすい部分です。また、指名競争の場合には談合も生じやすいというリスクがあります。

 

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指名競争入札よりも一般競争入札が安全

 

インターネットや電子メールのなかった時代は、競争入札の有資格者名簿も、限られた人しか見ることができませんでした。現在(2019年)とは比較にならないほど少ない情報の中で、契約事務をこなしていたわけです。現在はインターネットも普及し、情報公開も進んでいます。競争入札の参加資格についても、インターネット上で全省庁統一資格のサイトが構築されており、インターネットによる申請も可能です。競争参加資格のある会社の所在地や電話番号が一般公開されています。

 

現在は、指名競争を行うよりも、一般競争(一般入札)で広く競争参加者を集め、競争性を最大限確保する方が安全です。指名競争契約も一般競争契約も、事務手続きの労力は、さほど差がありません。

 

どうしても、指名競争契約を行わざるを得ない特別な理由がある場合は、上記の予決令第九十七条に基づき、10社以上へ指名通知を送るべきです。

 

多数の会社の中から10社のみを選んだ理由は、書類として保存すべきです。対外的に説明できる客観的な資料を「指名理由書(指名説明書)」として保存します。逆に、明確で合理的な理由がないなら一般入札とすべきです。

 

「合理的な理由」とは、誰が考えても同じ判断(結果)になる理由です。誰かが疑義を持つような理由であれば、合理的ではありません。

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地方公共団体の指名基準

 

上記の予決令は、国のルールです。地方自治体のルールを参考に抜粋します。国のルールより地方公共団体の方が少ない指名人数でした。

東京都は5人以上

東京都契約事務規則

第二十九条 契約担当者等は、指名競争入札により契約を締結しようとするときは、当該入札に参加することができる資格を有する者のうちから、当該入札に参加させようとする者をなるべく五人以上指名しなければならない。

東京都の指名通知は5人以上です。

大阪府は5人以上

大阪府財務規則

第五十九条 契約担当者は、令第百六十七条の十二第一項の規定により入札に参加させようとする者を指名するときは、やむを得ない理由があるときを除き、五人以上を指名しなければならない。

 

令(地方自治法施行令)百六十七条の十二第一項
第百六十七条の十二 普通地方公共団体の長は、指名競争入札により契約を締結しようとするときは、当該入札に参加することができる資格を有する者のうちから、当該入札に参加させようとする者を指名しなければならない。


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