指名競争入札のメリットを正しく知る、実務上は一般競争入札すべき

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指名競争入札についての解説です。官公庁の契約方式は、一般競争入札が原則です。例外として指名競争入札と随意契約があります。会計法令(予決令)では、契約金額に応じて、それぞれの契約方式が可能な範囲を定めています。しかし実務上は、指名競争入札のメリットはありません。

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社会の目が厳しい指名競争入札

 

官公庁が民間会社等と契約を締結するとき、契約の相手方は公平・公正に選定しなければなりません。会社を選定するための「契約方式」は一般競争入札(一般競争契約)が原則です。例外として指名競争入札と随意契約が認められています。

 

予決令(予算決算及び会計令)第九十四条は、例外としての指名競争入札を実施できる範囲を定めています。契約の種別に応じて、一定金額以下のものを可能としています。事務簡素化の観点から定められた規定です。しかし実務上は、それほど事務負担は軽減されない手続きです。

 

予算決算及び会計令

第九十四条  会計法第二十九条の三第五項 の規定により指名競争に付することができる場合は、次に掲げる場合とする。
一  予定価格が五百万円を超えない工事又は製造をさせるとき。
二  予定価格が三百万円を超えない財産を買い入れるとき。

・・・
(略)

 

現在(2019年)は、インターネットが発達し、情報公開も進んでいます。公務員や公的組織に対して、昔より国民の目が厳しいです。癒着を疑われるような、特定の会社との恣意的な契約は避けるべきです。

 

指名競争入札は、発注者側の官公庁契約実務担当者が、あらかじめ特定の会社を10社ほど選び、指名通知によって入札を実施します。一般競争入札との違いは、「入札公告」を公開しない部分です。指名通知が「入札公告」に代わる手続きです。指名通知を受け取った「指名業者」以外は入札自体を知ることができません。(2002年くらいから「公募型指名競争入札」も始まりましたが、手続きを複雑にしただけで、メリットが良くわかりません。)

 

契約実務担当者が行う会社の選定は、どうしても恣意的にならざるを得ません。「多数ある会社の中から、なぜ、その会社を選んだのか」という指名理由(基準)について、対外的説明が苦しいのです。

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指名競争入札よりも一般競争入札へ

 

上述の予決令第九十四条は、事務簡素化の観点から、指名競争入札を認める規定です。しかし、実務的には、指名競争入札も一般競争入札も、さほど労力に違いはありません。事務簡素化の利点は少ないです。

 

契約手続きの中で、一番労力のかかる部分は、仕様書の作成と予定価格の作成です。随意契約では省略可能ですが、入札手続きでは省略できない部分です。一般競争も指名競争も、手続き的な事務負担は同じなのです。

 

事務簡素化のメリットがないなら、癒着リスクのある指名競争入札よりも、一般競争入札として広く公開し、誰もが参加できる機会を確保した一般競争入札を実施すべきです。技術力や資力・信頼度を条件にすれば問題ありません。例えば、過去に類似の契約実績を有することを入札条件とすれば良いのです。

 

下記については、一応解説しますが、一般競争入札をおすすめします。

 

第九十四条の読み方

一  予定価格が五百万円を超えない工事又は製造をさせるとき。

 

予定価格が500万円ちょうどの契約なら、指名競争が可能です。5,000,001円では不可能です。「超えない」という意味は、「以下」と同じです。「踏み越えない」とイメージすると覚えやすいです。

 

二  予定価格が三百万円を超えない財産を買い入れるとき。

 

既製品やカタログ製品などの売買契約で、予定価格が300万円以下なら指名競争入札が可能です。

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金額に応じた契約方式

 

参考として、物品購入契約を例に、契約方式を確認します。

 

随意契約が可能な範囲 160万円以下 予決令99-2

指名競争入札が可能な範囲 300万円以下 予決令94-2

 

実務上は、160万円を超えれば、一般競争入札です。

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