契約の締結権限を有している会計機関、係員や係長は補助者として命令

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公務員の主な仕事は事務手続きです。会計実務の中で、契約締結事務を担当する職員は、契約の権限について理解しておくことが重要です。各省庁の大臣から契約締結権限を委任されている支出負担行為担当官や契約担当官、そして補助者に関するくわしい解説です。

支出負担行為担当官は契約権限を委任

「支出負担行為」とは、官公庁の会計(業界)用語です。国会で議決された歳出予算の範囲内で、契約を締結するときに必要な手続きです。法令上の予算執行権限は、各省各庁の長にあります。しかし、実際に各省庁の大臣が、全てを直接執行することは物理的に不可能なので、部下の職員へ委任することができる規定が設けられています。

会計法

第十三条  各省各庁の長は、当該各省各庁所属の職員に、その所掌に係る支出負担行為に関する事務を委任することができる。

各省各庁の長とは大臣のことです。財務大臣とか文部科学大臣などです。各省庁の内部規則で、「支出負担行為担当官」として委任(官職指定)されています。



各省庁の大臣から契約権限を委任

委任によって、大臣から委任された会計課長などに決裁権限が任されます。例えば、財務省は、「財務省大臣官房会計課長」が支出負担行為担当官です。支出負担行為担当官として委任された者のみが、売買契約などの契約締結権限を持ちます。契約書の名義も、「支出負担行為担当官 財務省大臣官房会計課長○○」です。

ここで、疑問に思う契約実務担当者は、かなりの専門家です。実際の契約実務担当者は、係長あるいは係員です。規模の大きな組織であれば「支出負担行為担当官」として指定されている官職名は、かなり上位の人です。支出負担行為担当官が自ら事務手続きを実施することは稀です。

では、「支出負担行為担当官」と契約実務担当者の間は、どのような関係になるのでしょうか。



会計機関と補助者

官公庁の会計実務では、関係法令で定められた「会計機関」として、支出負担行為担当官、契約担当官、支出官ながあります。そして、これらの会計機関は、決められた業務の範囲について権限と責任を持っています。実務を担当する係長や係員は、会計機関の「補助者」として位置づけられます。

補助者について明確に定めた会計法令は次のとおりです。

予算執行職員等の責任に関する法律

第二条 この法律において「予算執行職員」とは、次に掲げる職員をいう。

一 会計法(昭和二十二年法律第三十五号)第十三条第三項に規定する支出負担行為担当官
(略)

十二 前各号に掲げる者から、政令で定めるところにより、補助者としてその事務の一部を処理することを命ぜられた職員

予算執行職員等の責任に関する法律施行令

予算執行職員等の責任に関する法律第二条第一項第十二号に掲げる職員は、同項第一号から第十一号までに掲げる者(以下「予算執行機関」という。)からその処理すべき事務の範囲を明らかにした書面によりその補助者として当該事務を処理することを命ぜられた職員(略)とする。

つまり、課長補佐や係長や係員などは、通常、補助者として事務の一部を処理することになります。自分の係の所掌事務などは内部規則で定められています。