再度入札の回数に制限があるか、再度公告入札との違いに注意

イギリスのロンドン 会計法令の解説
イギリスのロンドン

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再度入札とは

予算決算及び会計令

第八十二条  契約担当官等は、開札をした場合において、各人の入札のうち予定価格の制限に達した価格の入札がないときは、直ちに、再度の入札をすることができる。

 

開札したところ、全ての入札書が、予定価格の範囲を超えていて、落札者がないときに、すぐに続けて、2回目、3回目と、予定価格の範囲内になるまで入札を繰り返し行うことができる規定です。

 

1回目の開札を行なった後に、2回目の入札で、全員が辞退札を提出したときは、入札不調(取りやめ)となります。

 

上記条文の「予定価格の制限に達した価格」とは、購入契約であれば、予定価格の金額以下(同額も落札になります。)の入札価格を意味し、落札決定となります。

 

売払い契約であれば、逆に予定価格以上の場合となります。

 

通常の入札は、官公庁側がお金を払う契約なので、当然、予定価格の金額以下で落札決定となります。

 

予定価格に達せず、2回目の入札を行う場合に、入札参加者によっては、これ以上の安い金額で入札するのは無理という判断を行うケースがあります。そのときは、辞退札(入札金額を記載する部分に「辞退」と記載した入札書)を提出してもらい、開札後に入札開場から退席してもらうこととなります。

 

再度入札の例

 

実際の再度入札の例です。

予定価格が1000万円の売買契約を例にします。国の入札では、予定価格は公開しないので、入札参加者は予定価格を知りません。

 

入札開始時刻になったら、挨拶を行い、入札を始めることを宣言します。

 

「本日は、お忙しい中、参加頂きましてありがとうございます。ただ今から、入札件名○○○の入札を実施します。本日入札を執り行うのは、○○省○○課の○○、担当係長の○○、立会者の○○です、よろしくお願いします。」

 

「最初に、名刺と、代理人の方は委任状、参加資格の写しを提出ください。」

 

入札参加者が少なければ、契約担当者が取りに行っても良いですし、参加者が多ければ、箱などを用意して「こちらに提出をお願いします」とアナウンスして、入れてもらいます。

 

名刺と委任条、参加資格を複数の者で確認します。入札の条件に合致しているかの確認を終えたら、入札を開始します。

 

入札書の様式は、事前に、入札説明書と仕様書と一緒に配布しておくケースが多いですが、当日配布する場合には、この段階で入札書の様式を各参加者へ配布します。

 

1回目の入札

「それでは、1回目の入札を行います。(この入札箱へ)提出をお願いします。」

 

全員の入札書が提出されたことを確認します。(各社1名のみ出席なので、人数と入札書の数が一致すればOKです。)

 

「それでは、開封させて頂きます」

 

入札書の封をはさみでジョキジョキと開封します。

刃先は入札者側へ向けないよう横向きに置きます。

 

(予定価格が1000万円、予定価格は非公開)

1回目の入札
A社 1,150万円
B社 1,190万円
C社 1,140万円

 

入札金額、入札日付、入札者氏名(代理人氏名)、押印(委任状の受任者印と照合)を確認し、一覧表など見やすいリストに記録します。

 

「それでは、1回目の入札金額を発表します。株式会社 A社様、1,150万円、1,150万円、株式会社 B社様、1,190万円、1,190万円、株式会社 C社様、1,140万円、1,140万円」(金額は2回読みます。)

 

 

「当方で作成しました予定価格を開封します。」

 

封に入った予定価格調書を入札者に見えるよう、高く掲げてから、はさみで開封します。

 

各社の入札のうち、一番安い入札書を基に、予定価格と比較します。

まだ予定価格に達していません。

2回目の入札、辞退札の取扱い

「1回目の最も安い入札金額は、株式会社C社様の1,140万円ですが、当方で作成した予定価格の制限に達しておりませんので、2回目の入札をお願いしたいと思います。入札書様式をお持ちでない方はいますか?」

 

入札書の様式を持っていない人には配布します。

 

「2回目の入札は、1回目の1,140万円未満の金額で入札をお願いします。もし、この金額での入札が無理の場合には、入札金額の欄に辞退と記入して提出をお願いします。」

 

各社が入札書を作成するまで待ちます。

3社くらいなら5分程度待ち、書き終えた頃に、再度、確認します。

 

「入札金額、日付、氏名、押印を確認して頂き、入札書の提出をお願いします。」

 

1回目の入札封筒を返して入れてもらうこともありますが、箱に入札書を折って入れてもらうのが一般的です。

 

2回目(予定価格は1000万円)
A社 1,110万円
B社 1,090万円
C社 辞退

 

2回目の入札金額を発表します。

金額は2回読みます。

 

「それでは、2回目の入札金額を発表します。」

 

入札金額を読み終えた後、入札結果を発表します。

 

「2回目の結果、最も安い入札金額は、B社の1,090万円ですが、まだ予定価格の制限に達しておりませんので、3回目の入札を行います。辞退札を提出したC社様は、ここで退室をお願いします。」

 

辞退札のC社が退室するのを待ち、3回目の入札に入ります。

3回目の入札

再度入札の際に注意しなければならないのは、2回目以降は、最低金額より低い金額での入札を行うことと、これ以上の値引は無理という場合には辞退札を提出してもらうことです。

 

同じように、3回目以後も、繰り返します。

通常、3回目の入札結果を見て、入札者が1人だけになったときや、予定価格との金額の開きが大きいようであれば、入札を打ち切り(入札不調)、随意契約に移行することが多いです。

 

再度入札の回数制限

 

再度入札の回数については、運用通知として回数制限を行なっている地方自治体が多いようです。

 

特に制限がないときは3回目で打ち切りとするのが良いです。

 

ただし、国際入札、政府調達(特例政令が適用される高額な契約)では、入札不調を適用できず、落札するまで再度入札を繰り返します。

再度入札を20回以上も繰り返した例もあるようです。

 

また、建設工事などの入札では、予定価格を類推されることを防ぐため、入札回数を3回までとする例もあります。各省庁の運用通知にも注意が必要です。

 

再度入札と再度公告入札の違い

再度入札は、予定価格に達しないときに繰り返し行なう入札です。(予決令 第八十二条)

 

再度公告入札は、入札を最初からやり直す入札です。仕様書や予定価格の見直しも可能です。(予決令 第九十二条)

 

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