検収の具体的な方法、給付の完了の確認検査とは、検収の根拠法令

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会計法令の解説
2002年 ハワイ

官公庁の契約手続きに必要な検収の解説です。契約代金を支払う前には検収が必要です。検収を義務付けている理由、根拠法令の解説、実際に検収を行うための具体的な方法です。官公庁の契約担当者、営業担当者に必須の知識です。

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検収(完了検査)に関する根拠法令

 

官公庁の契約手続きでは、納品時や作業完了時に検収が必要です。契約内容どおりに履行されたか確認してから代金を支払います。

 

最初に検収についての根拠法令を確認します。財政法では検収の条文は存在しません。会計法の中で初めて検収が記載されています。検収は、検査して収納することです。検収の他に、検査、納品検査、完了検査、竣工検査などとも呼ばれています。むずかしい表現を使うと、検収は、給付の完了の確認検査です。物品の売買契約であれば検収が完了した時点で所有権が官公庁側へ移転します。

 

会計法
第二十九条の十一第二項

2 契約担当官等は、(工事又は製造その他についての)請負契約又は物件の買入れその他の契約については、政令の定めるところにより、自ら又は補助者に命じて、その受ける給付の完了の確認(略)をするため必要な検査をしなければならない。

 

会計法を受けて予算決算及び会計令(予決令)で規定しています。ほぼ同じ内容です。

予算決算及び会計令
第百一条の四

会計法第二十九条の十一第二項 に規定する工事若しくは製造その他についての請負契約又は物件の買入れその他の契約についての給付の完了の確認をするため必要な検査は、契約担当官等が、自ら又は補助者に命じて、契約書、仕様書及び設計書その他の関係書類に基づいて行なうものとする。

 

会計法と予決令を受けて、契約事務取扱規則(大蔵省令)でさらに定めています。

契約事務取扱規則

(検査職員の一般的職務)

第二十条 契約担当官等(略)から検査を命ぜられた職員(以下「検査職員」という。)は、請負契約についての給付の完了の確認につき、契約書、仕様書及び設計書その他の関係書類に基づき、かつ、必要に応じ当該契約に係る監督職員の立会いを求め、当該給付の内容について検査を行なわなければならない。

2 検査職員は、請負契約以外の契約についての給付の完了の確認につき、契約書その他の関係書類に基づき、当該給付の内容及び数量について検査を行なわなければならない。

3 前二項の場合において必要があるときは、破壊若しくは分解又は試験して検査を行なうものとする。

4 検査職員は、前三項の検査を行なつた結果、その給付が当該契約の内容に適合しないものであるときは、その旨及びその措置についての意見を検査調書に記載して関係の契約担当官等に提出するものとする。

 

官公庁の会計手続きは、契約代金の支払いは後払い(あとばらい)が原則です。納品や作業が完了した段階で検収が完了した後に、問題がなければ代金を支払います。検収は代金を支払うための確認行為ですから、契約実務の中では極めて重要です。もし検収せずに代金を支払った場合、その後になって数量が違っていたり、性能が不十分であったり、あるいは不具合などが発見され不良品であれば損害を被ってしまいます。そのため契約代金については、検収完了後に支払うことを条件にしています。また契約の相手方と一緒に検収を実施することを義務付けています。検収によって確実な契約の履行が確保されるのです。

 

代金を支払う前に検収が必要なことは、政府契約の支払遅延防止等に関する法律で明記しています。

政府契約の支払遅延防止等に関する法律

第六条 (対価の支払の時期)は、国が給付の完了の確認又は検査を終了した後相手方から適法な支払請求を受けた日から工事代金については四十日、その他の給付に対する対価については三十日(略)以内の日としなければならない。

 

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検収の方法、具体的な検収の手順

 

会計法令では、具体的な検収の方法は定められていません。唯一、例示している部分は、契約書、仕様書及び設計書その他の関係書類に基づいて行なう程度です。そこで実際の検収方法を解説します。

 

検収の方法は、契約書、仕様書、図面などの契約関係書類と現物の両方を見ながら確認します。最初に、契約の相手方である営業担当者から、契約書と仕様書に基づいて説明してもらいます。営業担当者へ検収日時を伝えるときに、契約関係書類のコピーを関係職員の人数分用意してもらうと効率的です。そして検収当日は、書類に基づいて説明するよう依頼しておきます。

 

営業担当者の説明を聞きながら、現物を見て確認し、問題なければ関係書類の該当部分に赤ペンでチェックします。検収をすべて完了した段階で、受領書に日付とサインを書き、検収を無事に終えたことを伝えながら相手方へ渡します。そして後日、官公庁側の内部書類として検査調書を作成します。

 

検収を実施する前に、営業担当者に対して実施日時(通常は納品日や竣工日)について電話かメールで日程調整します。そして当日の検収は、契約書、仕様書(図面)に基づいて実施するので、現場で説明できる担当者の出席をお願いします、と依頼しておきます。ときどき営業担当者ではわからないことがあります。動作確認の性能検査では技術スタッフが説明することが多いです。

 

検収当日は、官公庁側の担当者と営業担当者が揃ったところで、名刺交換と挨拶を行い、「それでは、検査を始めますので、書類に基づき説明をお願いします。」と宣言し開始します。営業担当者の説明を聞きながら、不明な点などの質問を随時行い、書類の内容と現物を照合して確認します。特に型式と数量のチェックが重要です。数量は必ず目で見ながら数えます。仕様書などで性能を求めているときは、その性能を実際に目視で確認します。機器を動かして性能を実際に見ます。高額な契約ならデジカメで検査中の写真も撮影します。パソコンのプログラムが含まれていれば、ソースコードや著作権表示まで確認します。

 

最初の名刺交換も重要です。後日、契約内容についてトラブルになったときに、誰が検査に立ち会ったかなどの証拠になります。検収作業に出席した人の名刺は必ず保存しておきます。名刺はA4の紙に貼り、契約書類と一緒に保存します。後日、名刺の端などに◯月◯日検収立会などとメモしておきます。

 

検収手法として、破壊検査もあります。よほど契約内容に疑義がある(明らかに手抜きが疑われる製造物など)とき以外は実施しません。疑義もないのに壊したら訴えられます。

 

契約は、お互いに相手を信頼して締結するのが原則です。最初から相手方を疑うような検査手法は極力避けるべきです。昔は、会計検査院の実地検査のときに、平然と破壊検査を行う調査官が存在しましたが、今は理由もなく破壊検査を行えば、社会的に批判されるでしょう。

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給付の完了の確認とは

 

契約事務取扱規則第二十条の中に、給付の完了の確認という、ややこしい言葉があります。

 

給付とは、債務者が行うべき行為です。何かをしなければならない義務、売買契約であれば物品を納品しなければならないという義務です。簡単にいうと、給付とは契約内容のことです。給付の完了の確認は、契約内容が完了したことの確認、と読み替えると理解しやすいです。

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