「契約書」を必要とする根拠法令、150万円以下なら省略可能

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会計法令の解説

「契約書」の作成要否や、記載事項についての解説です。国が契約を締結するときは、契約の相手方へ「契約書の要否」について、事前に明示しなければなりません。契約書の省略は150万円以下なら可能ですが義務ではありません。根拠法令の説明です。

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民法と会計法で異なる「契約の成立」

 

日本の民法では、「当事者の合意のみ」で契約が成立します。購入契約であれば、口頭で「これをください。」と販売店へ伝えれば、契約が成立します。契約の成立に「書面を必要としない」のが日本の民法です。しかし、国を当事者とする契約では、会計法により「契約書の取り交わし」が義務付けられています。

 

会計法

第二十九条の八  契約担当官等は、競争により落札者を決定したとき、又は随意契約の相手方を決定したときは、政令の定めるところにより、契約の目的、契約金額、履行期限、契約保証金に関する事項その他必要な事項を記載した契約書を作成しなければならない。ただし、政令で定める場合においては、これを省略することができる。

 

そして、契約書を作成し取り交わすときは、事前に相手方へ周知しなければなりません。

 

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「契約書の作成要否」についての明示義務

 

国が契約を締結するときは、「契約書の取り交わし」を必要とするかどうか、あらかじめ明示することを義務付けています。

契約事務取扱規則

第十一条  契約担当官等は、一般競争若しくは指名競争に付そうとする場合における公告若しくは通知又は随意契約の相手方の決定に当たつては、当該契約の締結につき、契約書の作成を要するものであるかどうかを明らかにしなければならない。

 

国の運営財源は、国民の税金です。国が損害を被ることがないように「契約書の取り交わし」を原則としています。例外として「契約書を省略」できます。

 

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契約書の省略は「150万円以下」

 

契約書の作成を省略できるケースは、予決令第百条の二により契約金額が150万円以下と定められています。

 

予算決算及び会計令

第百条の二  会計法第二十九条の八第一項 ただし書の規定により契約書の作成を省略することができる場合は、次に掲げる場合とする。

一 (略)一般競争契約又は指名競争契約若しくは随意契約で、契約金額が百五十万円(外国で契約するときは、二百万円)を超えないものをするとき。

 

150万円以下なら契約書の作成が省略可能です。150万円を超えれば契約書の取り交わしが必要です。

 

契約書の作成が必要なのか、必要でないのか、を明確にするため、上記の契約事務取扱規則第十一条で、事前に契約の相手方へ知らせることにしています。入札公告や指名通知、随意契約の場合には仕様書などで明記します。

 

なお、150万円以下の契約でも、内容が複雑なものや、代金の支払条件が複雑なものは、契約書を作成する方が安全です。例えば、製造請負契約や役務契約などは、後日トラブルにならないように、契約金額が少額でも、契約書を取り交わすケースが多いです。「契約書を省略できる」という予決令第百条の二の条文は、義務ではありません。「心配であれば契約書を取り交わす」のが適正な契約手続きです。

 

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契約書の記載事項

 

契約書の記載内容は、予決令第百条により次のように定められています。

 

予算決算及び会計令

第百条  会計法第二十九条の八第一項 本文の規定により契約担当官等が作成すべき契約書には、契約の目的、契約金額、履行期限及び契約保証金に関する事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。ただし、契約の性質又は目的により該当のない事項については、この限りでない。

一  契約履行の場所
二  契約代金の支払又は受領の時期及び方法
三  監督及び検査
四  履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
五  危険負担
六  かし担保責任
七  契約に関する紛争の解決方法
八  その他必要な事項

 

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