官公庁の入札へ参加するための4つの資格、予決令第七十三条は絞込み

イギリスのロンドン 会計法令の解説
イギリスのロンドン

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官公庁が実施する一般競争入札への参加資格の解説です。入札に参加する条件として「全省庁統一資格」が用いられています。契約の内容が特殊で、全省庁統一資格の他に、さらに参加条件を求める特別な資格についての解説です。

 

一般競争入札の参加資格に関する根拠法令

 

一般競争入札の参加資格については、予算決算及び会計令(予決令)の中で、4つの条文で定めています。わかりやすく整理すると次のとおりです。

 

予算決算及び会計令

第七十条 参加させてはいけない者(契約締結能力がない)

 

第七十一条 参加させないことができる者(不正を行なった者など)

 

第七十二条 基本的な参加資格(全省庁統一資格)

 

第七十三条 契約内容に応じた特別な資格

 

そして、いずれも入札公告に記載する必要があります。

 

今回は、この4つの資格の中で第七十三条の解説です。

 

参加資格を絞り込む予決令第七十三条

 

入札の参加資格は、予決令第七十二条第一項に基づいて「全省庁統一資格」を参加条件とするのが一般的です。「全省庁統一資格」は、普通の会社であれば、必要書類さえ提出すれば資格が付与されます。予決令第七十三条は、さらに特別な参加資格を追加するものです。第七十二条の「全省庁統一資格」を有する会社の中から、さらに条件を追加して絞り込むものです。

 

予算決算及び会計令

第七十三条  契約担当官等は、一般競争に付そうとする場合において、契約の性質又は目的により、当該競争を適正かつ合理的に行なうため特に必要があると認めるときは、各省各庁の長の定めるところにより、前条第一項の資格を有する者につき、さらに当該競争に参加する者に必要な資格を定め、その資格を有する者により当該競争を行なわせることができる。

 

実質的な競争を確保するためには、広く競争参加者を募る必要がありますが、この第七十三条は、競争参加者を制限することになるため、追加する条件は必要最小限であることが必要です。誰もが考えて納得する条件でなければなりません。第三者から疑義を抱かれる条件は公正とは言えなくなります。

 

何故なら「広く競争に参加してもらう」という原則的な意図と反するからです。

 

予決令第七十三条で制限するケース

 

予決令第七十三条により競争参加資格を制限する典型的な例は、入札に参加する会社が膨大になる恐れがあり、事務手続きに支障が生じるときです。

 

もし、入札参加会社が100社にもなれば、1回目の開札手続きだけで1時間以上必要です。無理のある手続きで現実的ではありません。稀なケースですが、入札参加者が多数と予測される場合は、予定価格の金額により参加できる等級を制限します。

 

しかし、実際の入札では多数の会社が入札に参加することはありません。私は20年以上入札を担当してましたが経験はありません。そのため等級を制限すると、その理由が恣意的になり、対外的な説明に疑義が生じるなどのリスクを抱えるので、適用しないことが多いです。

 

適用するケースは、「質を確保する」必要があるときです。契約内容が複雑あるいは高度で、特別な資格を必要とするときは予決令第七十三条により参加資格を絞り込みます。

 

極めて高度なスキルを持つ技術者にしか作業させることができないケース、国家資格などを求めたり、法令上の制約で作業できる人が制限されるケースです。警備業法に基づく警備契約、廃棄物処理法に基づく産業廃棄物処理業などです。

 

予決令第七十三条の入札説明書記載例

 

参考に、実際の入札説明書に記載されていた、参加資格についての部分的な抜粋です。

 

経済産業省
(4)経済産業省からの補助金等停止措置又は指名停止措置が講じられている者ではないこと。
(5)入札説明会に参加した者。

 

林野庁の記載例抜粋

オ 法令等の定めにより許認可を受けて営業を行う必要がある場合にあっては、その許認可を受けていることを証明した者であること。

カ 入札公告等において日本工業規格を指定した場合にあっては、当該規格の製品を納入できることを証明した者であること。

キ 入札公告等において特定銘柄製品名又はこれと同等のものと特定した場合にあっては、これらの製品を納入できることを証明した者であること。

ク 入札公告等において研究開発の体制が整備されていることとした場合にあっては、当該体制が整備されていることを証明した者であること。
ケ 入札公告等においてアフターサービスの体制が整備され

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