予定価格と予定価格調書の違いとは、契約実務担当者の必須知識

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予定価格
2006年 セブ島

予定価格と予定価格調書の違いについての解説です。官公庁の契約方式は、予定価格により判断します。一般的には100万円以下の契約では、予定価格調書の作成を省略できます。しかし競争入札と随意契約を判断するために用いる予定価格は省略できません。

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予定価格が意味するもの

 

契約実務を担当していると、上司からこの契約は、予定価格を作る必要があるなと言われることがあります。予定価格を作るということは、大変な契約手続きになることを意味しています。

 

契約実務を経験した担当者なら、予定価格を作らなきゃならない、ああ、面倒だな・・と思います。予定価格を作るということは、契約金額の高い、複雑な契約手続きになるからです。

 

通常、100万円を超える契約から予定価格調書が必要になります。財務省通達『随意契約による場合の予定価格等について』(昭和44年12月17日付蔵計第4438号)に基づいて各省庁からも通知されています。)

 

会計検査院の報告書が、次のとおり公開されています。国の基準100万円を上回る作成基準の組織を調べてます。独立行政法人等で、予定価格調書を省略できる金額を調査した報告書です。

 

2008(平成20)年11月「独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況に関する会計検査の結果について」

契約制度、落札率等入札及び契約の状況 | 「独立行政法人の業務、財務、入札、契約の状況に関する会計検査の結果について」 | 会計検査院
契約制度、落札率等入札及び契約の状況

 

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予定価格と予定価格調書の違い

 

実は、予定価格と予定価格調書は、同じではありません。一般的に予定価格と言うと、契約金額が100万円以上のときに作成する予定価格調書を意味しますが、厳密に言えば、両者には次の違いがあります。

 

予定価格

予定価格とは、契約実務担当者レベルが作成する価格を記したものです。メモ書き程度で良く、正式な書面として作成されていなくても問題ありません。契約実務担当者のメモ書きが予定価格になります。定価表や価格証明書、納入実績一覧表などへ、値引率を想定して、購入できるであろう予想金額をメモしておけば予定価格となります。

 

予定価格 = 契約担当者の予想契約価格

 

予定価格は、競争入札を実施するか、あるいは随意契約とするか、契約方式を決定するときの判断基準になります。官公庁の契約方式は、予定価格に基づいて判断します。(会計法 29-3-5、地方自治法施行令 167-2)

 

予定価格調書

一方予定価格調書とは、規則で定められた契約締結権限を有する作成者が、正式に書面として作成する書類です。正式に、という意味は、公文書として実務担当者から上司までの決裁手続き(通常は、契約実務担当者 → 担当係長 → 担当課長補佐 → 担当課長など)を経て、作成者(契約権限を有する立場の人で、局長や部長、課長など各省庁の内部委任規定で明記されています。)の名前で作成し、作成者が押印します。書類名は、予定価格調書として作成されます。

 

つまり、契約実務担当者レベルで作成する予定価格を、決裁手続きによって、上司の承認を経て、正式な書類(調書)とするのが予定価格調書です。

 

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予定価格調書の省略

上述したとおり、一般的には100万円以下の契約であれば、予定価格調書の省略が可能になっています。つまり、契約金額が小さいときは、予定価格調書を作成しないことがあります。しかし、契約実務担当者が作成する予定価格は省略できません。競争入札とするか、随意契約とするか、契約方式を判断するときに予定価格を用いているからです。参考見積書を基に予定価格とすることが多いです。

 

逆に100万円を超える高額契約は、予定価格調書を作成しなければなりません。高額な契約は、予定価格調書を省略することができません。また予定価格は、その算出根拠が一番重要です。

 

予定価格の作成については、予算決算及び会計令に規定されています。(概念でしかなく、実務上の参考にはなりませんが・・)

 

予算決算及び会計令
第八十条 第二項

予定価格は、契約の目的となる物件又は役務について、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期間の長短等を考慮して適正に定めなければならない。

コメント

  1. まる より:

    はじめまして。質問をさせてください。

    契約担当官等ではなく、契約実務担当者が予定価格を作成しても問題ないというのは、予決令第80条で誰が作成するか指定されていないからでしょうか。
    少額随契の場合、予決令第99条の5に、契約担当官等はあらかじめ予定価格を定める旨の記載があり、調書の作成を省略していても予定価格の決定にかかる決裁を行う必要があるのではないかと悩んでいます。

    • 矢野雅彦矢野雅彦 より:

      管理人です、コメントありがとうございます。

      予定価格の作成者は、契約担当官等(支出負担行為担当官や契約担当官)です。一般的には各組織で責任ある立場の人(局長や部長や課長など)が官職指定されています。この作成者は責任者という立場です。そして内部規則(事務分掌規則など)で部下に対して事務の一部を処理することを命じています。契約実務担当者は、上司である契約担当官等から事務処理を命じられた補助者(予算執行職員)という立場です。(予算執行職員等の責任に関する法律)

      また、予定価格調書の作成を省略できる場合は、通常、予定価格を記載した書面の作成も省略します。事務簡素化を目的に作成を省略してますので、あえて作成しないことが多いです。

      少額随意契約についての決裁は、契約締結時あるいは代金支払時などに書類決裁を行い、契約担当官等の承認を得ていると思います。決裁手続きは、各組織で異なりますが、いずれかの段階で決裁していれば問題ありません。

      予定価格の書面作成を省略したときは、契約金額=予定価格という判断になります。