意外と知らない予定価格と予定価格調書の違い、予定価格は省略不可

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予定価格が意味するもの

契約実務を担当していて、上司から「この契約は、予定価格を作る必要があるな」と言われたら、それは、少し困難な契約手続きになることを意味します。

契約実務を経験した担当者なら(予定価格を作らなきゃならない、ああ、面倒だな・・)と思います。

予定価格を作るということは、契約金額が高い複雑な契約手続になるからです。

通常、100万円を超える契約から予定価格調書が必要になります。(財務省通達『随意契約による場合の予定価格等について』(昭和44年12月17日付蔵計第4438号、各省庁でも通知されています。)

 

予定価格と予定価格調書の違い

実は、「予定価格」と「予定価格調書」は別の概念です。一般的には「予定価格」と言うと、契約金額が100万円以上のときに作成する「予定価格調書」ですが、厳密に言えば、両者には次の違いがあります。

 

予定価格

「予定価格」とは、契約実務担当者レベルが作成するもので、メモ書き程度で良く、正式な書面として作成されていなくても問題ありません。契約実務担当者のメモ書き程度で予定価格となります。定価表や価格証明書、納入実績書などに値引率を想定して、購入できるであろう予想金額をメモすることで予定価格となります。

 

予定価格=購入予想価格

 

そして、予定価格は、入札を実施するか、あるいは随意契約となるか、契約方式を決定するときの判断材料となります。

契約方式を予定価格によって判断します。

 

 

予定価格調書

一方、「予定価格調書」とは、明確に定められた契約締結権限を有する作成者が、実務実務担当者から上司までの決裁手続(通常は、契約実務担当者 → 担当係長 → 担当課長補佐 → 担当課長など)を経て、作成者(契約権限を有する立場の人で、局長や部長、課長など各省庁の内部委任規定で明記されています。)の名前で作成し、作成者が押印を行い、書類は「予定価格調書」として作成します。

 

つまり、契約実務担当者レベルで作成する「予定価格」を、決裁によって上司の承認を正式に経て、対外的に正式な書類(調書)とするものが「予定価格調書」となります。

 

 

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予定価格調書の省略

そして、上述したとおり、一般的には100万円以下の契約であれば、予定価格調書の省略が可能となっています。つまり、予定価格調書は作成しなくて良いのです。(契約実務担当者が作成する予定価格は省略できません。)

 

逆に100万円を超える高額契約は、予定価格調書の作成が義務付けられます。省略することができません。そして、予定価格はその算出根拠が一番重要になります。

 

予定価格の作成については、予算決算及び会計令に記載されています。(概念でしかなく実務の参考にはなりませんが・・)

 

予算決算及び会計令 第80条第2項

予定価格は、契約の目的となる物件又は役務について、取引の実例価格、需給の状況、履行の難易、数量の多寡、履行期間の長短等を考慮して適正に定めなければならない。

コメント

  1. まる より:

    はじめまして。質問をさせてください。

    契約担当官等ではなく、契約実務担当者が予定価格を作成しても問題ないというのは、予決令第80条で誰が作成するか指定されていないからでしょうか。
    少額随契の場合、予決令第99条の5に、契約担当官等はあらかじめ予定価格を定める旨の記載があり、調書の作成を省略していても予定価格の決定にかかる決裁を行う必要があるのではないかと悩んでいます。

    • 管理人 より:

      管理人です、コメントありがとうございます。

      予定価格の作成者は、契約担当官等(支出負担行為担当官や契約担当官)です。一般的には各組織で責任ある立場の人(局長や部長や課長など)が官職指定されています。この作成者は責任者という立場です。そして内部規則(事務分掌規則など)で部下に対して事務の一部を処理することを命じています。契約実務担当者は、上司である契約担当官等から事務処理を命じられた補助者(予算執行職員)という立場です。(予算執行職員等の責任に関する法律)

      また、予定価格調書の作成を省略できる場合は、通常、予定価格を記載した書面の作成も省略します。事務簡素化を目的に作成を省略してますので、あえて作成しないことが多いです。

      少額随意契約についての決裁は、契約締結時あるいは代金支払時などに書類決裁を行い、契約担当官等の承認を得ていると思います。決裁手続きは、各組織で異なりますが、いずれかの段階で決裁していれば問題ありません。

      予定価格の書面作成を省略したときは、契約金額=予定価格という判断になります。