契約書の記載事項とは、契約書の条文と会計法令を対比して理解

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会計法令の解説
イギリス ロンドン
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官公庁が取り交わす契約書は、記載事項が会計法令で定められています。契約書の条文と会計法令を比較しながら、契約書の記載例を解説します。法令で義務付けられている契約書の条文は修正できないケースもあります。契約書の条文の根拠法令を理解しましょう。

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契約書の記載事項とは

 

国の場合、契約金額が150万円を超える契約は、予決令第百条の二に基づき契約書の取り交わしが義務付けられています。そして契約書の記載事項は、次のように予決令第百条で定められています。

 

予算決算及び会計令

 

第百条 契約担当官等が作成すべき契約書には、契約の目的、契約金額、履行期限及び契約保証金に関する事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。

 

一 契約履行の場所

 

二 契約代金の支払又は受領の時期及び方法

 

三 監督及び検査

 

四 履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金

 

五 危険負担

 

六 かし担保責任

 

七 契約に関する紛争の解決方法

 

八 その他必要な事項

 

物品供給契約書を例にして、くわしく説明します。赤のカッコで囲んだ部分が、上記の予決令第百条で定められた記載事項に該当する部分です。実際の契約書では、赤のカッコ部分は記載しません。

 

下記の様式をコピペしてワードなどで清書すれば契約書として使用可能です。基本的に契約書の内容は自由です。記載事項は法令で定められてますが、記述方法は実態に則していればOKです。組織によっては別の様式を用いているところもあります。

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売買契約書の雛形で条文を解説

 

物品供給契約書(例)

 

調達物品名 ◯◯◯◯ 装置(契約の目的)

数 量 一 式(内訳別紙のとおり)(契約の目的)

契約金額 金 ◯◯◯◯ 円也(契約金額)
(うち消費税及び地方消費税相当額金◯◯ 円也)

 

発注者◯◯省支出負担行為担当官◯◯◯◯と供給者◯◯◯◯株式会社 代表取締役 ◯◯◯◯とは、上記「◯◯◯◯装置 一式」(以下「物品」という。)の供給について、上記契約金額をもって次の条項のとおり契約を締結するものとする。

 

第1条 供給者は、発注者に対し物品を供給するものとし、発注者は、その対価として代金を支払うものとする。

 

第2条 この契約において、供給者が履行すべき給付内容は、仕様書その他の書類で明記されたものとする。

 

第3条 物品は、◯◯省◯◯◯◯に納入するものとする。(契約履行の場所)

 

第4条 物品の納入期限は、平成 年 月 日とする。(履行期限)

 

第5条 物品の納品書は、◯◯省◯◯課契約係に送付すべきものとする。

 

第6条 発注者は、物品の検査を、納品書を受理した日から10日以内の日に行うものとする。(監督及び検査)

 

第7条 代金の請求書は、◯◯省◯◯課契約係に送付すべきものとする。

 

第8条 代金は、検査完了後一回に支払うものとする。(契約代金の支払又は受領の時期及び方法)

 

第9条 契約保証金は免除する。(契約保証金)

 

第10条 物品の保証期間は、検査を完了した日から1年とし、当該保証期間中に生じた故障等については、発注者の故意又は過失による場合を除き、無償にて修理するものとする。(かし担保責任、危険負担は不動産のみ)

 

第11条 この契約についての必要な細目は、◯◯省が定めた物品供給契約基準によるものとする。ただし、この契約に該当のない事項についてはこの限りではない。

 

第12条 履行遅滞の場合における損害金の遅延利息は、年3.1パーセントである。(履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金、債務不履行や違約金は第11条の契約基準で定めている。)

 

第13条 この契約について、発注者と供給者との間に紛争を生じたときは、発注者と供給者とが協議のうえ、これを解決するものとする。(契約に関する紛争の解決方法)

 

第14条 この契約に定めのない事項については、これを定める必要がある場合は、発注者と供給者とが協議のうえ、定めるものとする。(その他必要な事項)

 

この契約の成立を証するため、発注者と供給者は次に記名し、印を押すものとする。

 

この契約書は2通作成し、発注者と供給者は各1通を所持するものとする。

 

平成 年 月 日

 

発注者 東京都港区◯◯丁目◯◯ー◯◯
◯◯省支出負担行為担当官 ◯◯◯◯ 印

 

供給者 東京都新宿区◯◯丁目◯◯ー◯◯
◯◯株式会社 代表取締役 ◯◯◯◯ 印

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契約書の条文を作成する方法

 

契約書の条文は、わかりやすい表現とするのが基本です。法律の条文のように専門用語があるわけではありません。契約書は、当事者同士が理解できる表現で、誤解が生じないよう作成します。

 

また契約書を取り交わすときは、お互いを信頼して約束するものです。お互いの意見が相違し実際にトラブルが生じれば、最終的に裁判で決着することになります。

 

どれほど契約書の条文を完璧にしても、意見が衝突し相手を信頼できなくなれば訴訟になります。

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契約書の条文を修正できないケース

 

契約書を取り交わす前には、契約書の条文を修正することは可能です。しかし条文を修正できないケースがあります。

 

契約書の条文を修正できないケースは次の場合です。

 

競争入札手続きに基づく契約書は、落札決定後に修正できない。

 

一般競争入札は、多数の会社が参加し、入札条件を検討して契約金額を決定します。入札関係書類の中には、落札決定後に締結する契約書の雛形が含まれています。契約書の内容が入札条件になっています。もし落札決定後に、契約書の条文を修正してしまうと、落札決定者以外の会社が落札できる可能性が生じてしまいます。競争の前提条件が変わってしまうので変更できません。

 

「修正した契約条件なら、もっと安い入札金額を提示できた。」

 

他社から、このようなクレームがあれば、大問題になります。入札条件を変更してしまうと、入札自体が無効になってしまうのです。

 

ただし、次の場合は条文修正可能です。

 

単純な記述ミス、日本語変換ミスなど、誰が見ても単純ミスと思える部分だけです。

契約額 → 契約金額

納入起源 → 納入期限

 

契約書を作成しているときに単純ミスを発見したときは、契約の相手方へ電話連絡し、修正内容を伝えてから取り交わします。

 

また上述したように、会計法令で記載が義務付けられている条文は削除できません。

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地方自治体の契約書

 

都道府県や市町村などの地方自治体は、地方自治法、地方自治法施行令で契約手続きを定めています。しかし契約書の記載事項は、それぞれの自治体で定めています。参考に東京都の例です。上記の予決令第百条と同じ内容です。

東京都契約事務規則

第三十六条 契約担当者等は、一般競争入札、指名競争入札若しくはせり売りにより落札者若しくは競落者が決定したとき、または随意契約の相手方を決定したときは、遅滞なく次に掲げる事項を記載した契約書を作成しなければならない。ただし、契約の性質または目的により該当のない事項については、その記載を要しないものとする。
一 契約の目的
二 契約金額
三 履行期限
四 契約保証金に関する事項
五 契約履行の場所
六 契約代金の支払または受領の時期及び方法
七 監督及び検査
八 履行の遅滞その他債務の不履行の場合における遅延利息、違約金その他の損害金
九 危険負担
十 かし担保責任
十一 契約に関する紛争の解決方法
十二 その他必要な事項

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