国の契約実務に必要な会計法令の解説です。契約手続きを進めるためには会計法令の知識が必須です。財政小六法の使い方をマスターするコツです。一部の条文を理解するだけで、効率よく会計法令を学ぶことができます。
財政小六法が契約手続きの基本法令集
官公庁の契約手続きは、会計法令に基づいて進めます。国民の税金を使用するので、契約担当者の恣意的な判断を排除して公正なルールにより手続きを進めます。
国の契約手続きに関係する法令がまとめられている財政小六法の見方を説明します。契約担当者にとっては、基本中の基本となる知識です。意外と知らない人がいるのですが、この見方を知っているだけで、必要な条文等を探すのに役立ちます。
まず財政小六法を手に取り、目次を見てください。憲法から始まり、いろいろな法律や政令があります。このうち契約実務に必要な法令は、ほんの少しだけです。
契約手続きに必要な主な会計法令
国の契約手続きで使う会計法令をリストアップしました。これらのうち、ごく一部だけを使います。見やすいよう目次にマーカーしましょう。
財政法
会計法
予算決算及び会計令
予算執行職員等の責任に関する法律
国等の債権債務等の金額の端数計算に関する法律
会計事務簡素化のための法令の実施について
支出負担行為等取扱規則
契約事務取扱規則
国の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令
消費税導入後の政府調達に係る入札について
政府契約の支払遅延防止等に関する法律
物品管理法
国の所有に属する自動車等の交換に関する法律
国有財産法
計算証明規則
印紙税法
よく使う法令は、おそらく正味50ページ以下です。
最後のページでイメージを把握する
目次にマーカーしたところで、次に財政小六法の一番最後のページを見ましょう。法令名の索引があります。あいうえお順に法令名を調べることができます。
さらに少し前のページに戻ると、事項索引があります。これは調べたいキーワードで関係法令が検索できます。
例えば、キーワード、随意契約、で参照すれば関係する法令がまとめて記載されてます。
さらに、もう少し前に戻ると、ページの上段に付録 会計制度のあらましという図式のページがあります、契約制度などもイメージとして理解しやすいです。
これらを頻繁に活用すれば、効率よく会計法令をマスターすることができます。
自費で財政小六法を持つメリット
自分専用の財政小六法に、蛍光ペンでマークしておくと便利です。自分で見出しを作り貼るのもおすすめです。見出しに法令名を書くことで、その法令の物理的な位置が自然と覚えられます。あの法律は、財政小六法の真ん中へんとか、○○ページあたりにあるなどがわかるようになります。ベテランになると、指が法律を探し当てます。不思議なことに見出しがなくても、指が法令の位置を覚えてます。
また理由はわかりませんが、財政小六法を他人と共用すると知識の習得が遅れます。公費で自分専用の財政小六法を購入してもらえればラッキーです。しかし職場の予算が少なく、自分専用の財政小六法を買ってもらえない場合は、自費で財政小六法を購入することをおすすめします。自分への投資と考えましょう。自分の能力がアップし、仕事の悩みが減り仕事を効率的に進められるのです。
私は20年近く契約実務を経験し、後輩へも教えてきました。客観的なデータがあるわけでなく、思い過ごしかも知れませんが、財政小六法を自費で購入し丁寧に扱っている人ほど、会計法令を深く習得しています。仕事に対する姿勢が変わってくるのかも知れません。
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