電子入札や電子調達の危険性を正しく知る、目に見えない莫大なリスク

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ハワイ 2002年12月
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官公庁が実施する電子入札や電子調達が増えてきました。しかし実際のメリットは、ほんのわずかです。むしろ特定の企業が開発した電子入札では、公平性が根本的に失われ、莫大なリスクが潜むことになります。従来の紙ベースの入札こそが真に公平で公正です。

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官公庁における入札はデジタル化してはいけない

 

最初に断っておきますが、パソコンが苦手なために電子入札を批判しているのではありません。私のパソコンスキルは、普通の人よりもかなり高いと自負しています。1990年頃から CP/M-86 や MS-DOS で趣味のプログラム開発を行っていました。1995年に Windows 95が発売されてからは、C 言語で多数のプログラムを開発し、フリーウェアとして日本全国で使われていました。当時の書店に並ぶパソコン雑誌のほとんどに、私が作成したソフトが掲載されていたものです。

 

おそらくパソコンのスキルは、人並み以上に持っています。

 

つまり以下に述べる電子入札の批判については、単にパソコンが苦手だから、あるいはパソコン操作をやりたくないからという理由ではありません。パソコンは、正しい目的に正しく使えば、極めて有効なツールです。しかし官公庁においては、電子入札や電子調達としては、絶対に使ってはいけないシステムなのです。

 

すべての国民が使いやすくなるようなサービスに対してデジタル化を進めるのはとても良いことです。しかし官公庁の業務の中には、デジタル化を進めるべき分野と、導入してはいけない分野があります。その見極めがとても重要です。

 

官公庁は国民の税金で運営しています。国民の税金を使う以上、公平・公正な考え方を最優先する必要があるからです。

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電子入札や電子調達が格差を拡大させている

 

2021年現在、多くの官公庁で電子入札や電子調達が導入され始めました。従来の紙ベースの手続きに加えて、会社のパソコンからオンラインで入札へ参加したり、見積書を提出できるようになりました。

 

官公庁へ出向かなくてよいので、一見、便利になったと感じると思います。しかし実際には次のような弊害が発生しています。ITに詳しい会社だけが有利に扱われています。またオープンカウンター方式が導入されてしまい、価格競争一辺倒になってしまいました。大企業だけが契約を獲得でき、中小企業との格差がどんどん拡大しています。

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電子入札・電子調達導入による弊害

 

多くの中小企業が次のように困っているのです。

電子入札の弊害

 

◯パソコンの準備や操作方法を熟知していないと入札できない。

 

◯特定の民間企業の有料認証情報を取得していないと参加できない。しかも年間数万円と高額であり、認証局の利益のために導入しているとしか思えない。

 

◯見えないところで落札決定が行われる。落札までの経緯がブラックボックスに包まれている。同価格のくじ引きも見えないシステム内で行われる。

 

◯入札参加者が立会いしていないので、そもそも法令で定めている予定価格調書が作成されているのかさえわからず、落札の判断や再度入札の判断も怪しい。

 

◯立会いもなく、予定価格調書の存在も不明なため、特定のお気に入りの会社を落札させるまで再度入札できてしまう。見えないシステムを恣意的に利用できてしまう。

 

◯そもそも、電子入札や電子調達のシステム自体が、特定の民間企業が開発したものを使っている。開発費や運用保守費に莫大な税金が使われている。特定の民間企業が開発した入札システムでは、公平な入札など不可能。悪意を持てばリモート操作で、いくらでも入札を不正操作できてしまう。

 

例えば、入札金額が同じになり、くじ引きするときの抽選方法を考えてみましょう。コンピューター上の乱数というのは、簡単に意図的に操作できます。プログラム経験者ならわかりますが、自然界のような乱数を発生させるのがコンピューターでは一番むずかしいのです。人間が行うじゃんけんやくじ引きのような公平な抽選は、コンピュータ上では不可能です。

 

コンピュータの乱数というのは、一定のルールで順番に数字が現れるだけです。

 

本来、電子入札や電子調達のシステムを開発した企業が、システムを使う他の入札に参加すること自体が大問題です。公平性が保たれていません。システムを開発した会社や、保守・運用を行っている会社、あるいは資本関係にある関連会社などは、入札に参加できないようにしなければなりません。

 

インターネットに接続されているシステムは、いくらでも遠隔操作が可能です。少し腕のあるエンジニアなら、誰にもわからないように侵入する入口を簡単に作れてしまいます。5分もかからずにプログラミングできるでしょう。保守という名目で不正に遠隔操作するのも容易です。他者の入札金額を見ながら、自社に有利な入札ができてしまうのです。誰にもわからないように談合も完璧にできてしまうのです。

 

このような重大なリスクを抱える電子入札や電子調達システムは、官公庁で利用すべきではありません。

 

そもそも電子入札によるメリットは、契約手続き全体の中で、ほんのわずかです。業務量全体から考えれば 3 %にも満たないでしょう。事務負担の軽減には全く役に立っていません。ほとんどメリットがないのに、莫大なリスクが含まれてしまっているのです。

 

入札参加者にとっても、メリットはないはずです。パソコンを操作するためのスキルを要求され、分厚いマニュアルを理解した人しか参加できないようになっています。多くの企業が電子入札は面倒だと感じているでしょう。

 

民間企業が実施しているオークションなどは、特定の企業がシステムを開発しても問題ありませんが、国民の税金を使った官公庁のシステムで、特定の会社だけが有利な情報を持てるような不公平な状況は認めるべきではありません。

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電子入札は談合などの不正を防ぐことができない

 

電子入札は、入札会場へ行かなくてもよいので、誰が入札するかわからず談合を防げる、という説明があります。しかし全く事実を捉えていません。官公庁が実施する入札のほとんどは、参加者を予想できてしまいます。入札に参加する民間企業であれば、容易にライバル会社を把握できます。知らない会社が参加する入札の方が珍しいのです。

 

むしろ電子入札になったおかげで、簡単に、しかも誰にもわからないように談合することができるようになりました。入札会場へ出向く必要がないのです。自分の会社からスマホ片手に関係者と連絡しながら入札できてしまうのです。隠れて入札できるということは、あらゆる不正が可能になることを意味しています。

 

従来の紙ベースの入札では、開札するときに入札参加者が立ち会うよう、法令で義務付けられていました。これは入札を執行する官公庁側、入札へ参加する民間企業側、双方がお互いを監視できる体制を確保するためです。従来の開札では、お互いに顔を見ることで不正を許さなかったのです。普通の人間は、表情を見るだけで不正がバレます。見られていると思えば不正はできません。

 

談合などの不正は、電子入札では防げません。むしろ電子入札を導入することで、完全に不正がわからなくなったといえます。

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