「官公庁の予算」は誰が決めているのか、国会と議会による承認

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「官公庁の予算」についての解説です。国や地方公共団体が実施する事業に必要な予算は、国会や議会の承認が必要です。官公庁で会計実務を担当する人に必須の知識です。予算は、誰がどのように決めているのか、法令に基づいて説明します。

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「国の予算」は国会で議決

 

「官公庁」は、国や地方公共団体です。国は国民全体に関係することを担い、地方公共団体は、それぞれの地域を担います。

 

国の会計法令は、財政法、会計法、予決令(予算決算及び会計令)が基本となります。地方公共団体は、それぞれの各条例に基づきます。本サイトは主に国の会計法令についての解説です。地方公共団体の条例も、そのベースは国の会計法令です。国の会計法令に基づく考え方を理解することで、日常業務が効率的になります。

 

最初に「国の予算」について確認します。

財政法

第十四条  歳入歳出は、すべて、これを予算に編入しなければならない。

 

4月に始まり翌年3月までの「会計年度」中の収入(歳入)と支出(歳出)は、すべて予算に計上して、国会の議決を経る必要があります。憲法で内閣の義務としています。(憲法第83条、86条)

 

日本国憲法

 

第八十三条  国の財政を処理する権限は、国会の議決に基いて、これを行使しなければならない。

 

第八十六条  内閣は、毎会計年度の予算を作成し、国会に提出して、その審議を受け議決を経なければならない。

 

憲法では、財政を処理する権限が「国会」にあること、「内閣」の義務として予算を作成し国会の議決を経ることを明確に定めています。「国会」は、衆議院と参議院です。「内閣」は、内閣総理大臣とその他の国務大臣です。

 

参考として、国の財政法第十四条に相当する法律が、地方公共団体にもあります。

地方自治法
第二百十条 一会計年度における一切の収入及び支出は、すべてこれを歳入歳出予算に編入しなければならない。

「総計予算主義」の原則は、国も地方公共団体も同じです。上記の財政法第十四条と比較してみましょう。

 

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「国の予算」は国民が決める

 

「官公庁が、勝手に予算を決めることは認めない」というのが上記法律の趣旨です。国民の選挙によって選ばれた国会議員による国会が「予算の内容を最終決定する」わけです。つまり、国民主権を明文化しています。

 

国会の議決によって成立した予算の範囲内なら、各官公庁の判断で使用することが可能ですが、使用するための手続きは、「会計法」や「予算決算及び会計令」「条例」などのルールに基づかなければなりません。

 

なお、国の法律や予算については、衆議院と参議院の両方で可決するのが原則ですが、予算については、衆議院の優越規定(衆議院議決後30日で自然成立)があります。

 

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予算の空白

 

近年(2013年)は、年度開始前に予算が成立することが多くなりました。以前は、衆議院と参議院で異なる判断となり、年度開始前に予算が成立しないことがありました。「暫定予算」の編成や「予算の空白」という状況が頻繁にありました。

 

国の予算については、憲法に定めてあるとおり、国会の議決がなければ国の事業は停止となります。公務員の給料も停止、事業も停止するのが憲法の原則です。日本では、予算が成立せずに官公庁が休業するような事態は発生してませんが、アメリカでは、2013年に連邦予算が成立せず、一部の政府機関が実際に閉鎖されました。

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