少額随意契約の事務手続きを簡単に把握する、根拠法令と必要書類

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契約手続き
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官公庁の契約手続きで一番多い少額随意契約についての解説です。少額随意契約の根拠法令、手続きの流れ、必要書類を簡単に把握しましょう。仕様書の作成から見積もり合わせ、決裁手続きまでの一連の流れです。

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少額随意契約とは

 

官公庁が締結する契約の中で一番多いのは、少額随意契約です。物品購入契約の場合、100万円未満の随意契約です。市町村では80万円以下です。事務簡素化を目的として、煩雑な入札手続きを省略できる随意契約です。

 

物品購入契約を例に少額随意契約のおおまかな手順を解説します。100万円という金額は、予定価格調書の作成を省略できる基準額として各省庁が定めています。地方自治体では、別の基準額の場合もあります。

 

少額随意契約の根拠法令を確認します。国の場合は、会計法第29条の3第5項、予決令第99条第3号です。

 

会計法
第二十九条の三
5  契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては、第一項及び第三項の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、指名競争に付し又は随意契約によることができる。

 

政令とは予算決算及び会計令(予決令・・よけつれい)です。

 

予算決算及び会計令
第九十九条  会計法第二十九条の三第五項 の規定により随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。

三  予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき。

 

地方自治体は、地方自治法施行令が少額随意契約の根拠法令です。都道府県の基準額は国と同じです。市町村は50%です。

地方自治法施行令

第百六十七条の二 (略)随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。

 

一 売買、貸借、請負その他の契約でその予定価格(略)が別表第五上欄に掲げる契約の種類に応じ同表下欄に定める額の範囲内において普通地方公共団体の規則で定める額を超えないものをするとき。

 

別表第五
二 財産の買入れ
  都道府県及び指定都市  百六十万円
  市町村  八十万円

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少額随意契約の手続きの流れ

 

少額随意契約は、次の手順で事務手続きを進めます。

 

1.仕様の確定(仕様書の作成)

 

購入する物品のメーカーや型式を検討し選定します。

仕様書は、品名、型式、数量、納入期限、納入場所、搬入設置方法、代金支払方法などの契約条件を記載します。メールに添付して見積書の提出を依頼することが多いです。昔はFAXでした。

 

2.見積り合わせ準備、見積書の提出依頼

 

販売店を3社探し、1~2週間程度の提出期限で見積書の提出を依頼します。依頼するときは必ず仕様書を提示し、見積もり合わせで契約の相手を決める、ことを事前に明確に伝えます。メール本文に書くと良いです。

 

各社の見積書が提出された後に、見積金額を比較して、最安値の会社に決定します。

 

契約の相手方を正式に決定したときは、不合格となった会社へ最初に連絡し、最後に契約する会社へ正式発注することを伝えます。

 

3.請書の提出依頼

 

契約書の取り交わしは150万円以上(予決令第100条の2)から必要になります。契約書の作成を省略するときは請書(うけしょ・・契約の相手方から提出してもらう誓約書)を依頼した方が安全です。地方自治体は、それぞれの契約事務規則などで基準額を定めています。東京都は、東京都契約事務規則 第三十八条で150万円未満は契約書の作成を省略できます。(国と同じ基準額です。)

 

4.納品、検収

 

物品が納品されたら検査を行います。見積書や請書の内容と同じか確認し、問題がなければ納品書を受領し検収サインします。検収完了後に請求書の提出を依頼します。

 

5.請求書受理と支払

 

請求書(作成年月日、法人の会社印、代表者印を押印したもの)を受理し支払手続きを行います。

 

以上が、主な流れです。

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契約関係書類の綴り方

 

支払書類に添付する契約関係書類の順番は、日付順に綴ります。一連の契約手続きの流れがわかるように書類の順番を整理して保存します。

 

一般的な書類の順番は、日付の新しい書類を上に重ねるのが基本です。これを間違えると書類が混乱し、手続きが不適切などの指摘を受けるリスクがあるので注意しましょう。書類が整然と綴られていると、関係法令を熟知して適正に処理されている、と誰もが信頼してくれます。

 

支払時の決裁書類の順番(上から)

1.決裁書類のかがみ(支出負担行為・支出決議書)
2.請求書
3.納品書(検収日付、検収者のサイン入り。)
4.請書(省略の場合もある。)
5.見積書
6.他社の見積書(不合格などの表示入。)
7.予定価格調書(100万円未満は省略が多い)
8.仕様書、見積書依頼文など
9.定価表、納入実績表
10.カタログ

 

以上が少額随意契約の手続きです。

コメント

  1. hyde より:

    初めまして。
    こちらのサイトを拝見しておりまして、疑問点がありましたのでコメント書かせて頂き
    ました。
    少額随意契約は数社(3社)での見積合わせ後に業者決定とありますが、当該業者は
    統一参加資格保有者かと思います。
    この場合、例えば等級A及びBは除外されるなどの各資格の種類ごとの等級は影響する
    のでしょうか。
    宜しくお願い致します。

    • 矢野雅彦管理人 より:

      コメントありがとうございました。

      地方自治体は、それぞれで取り扱いが異なるので、国の会計法令を基に回答いたします。

      少額随意契約による見積もり合わせでは、全省庁統一資格は不要です。そもそも全省庁統一資格は競争入札へ参加するための資格です。随意契約では必要ありません。

      もし見積もり合わせで等級制限するようなが場合は、なぜ等級制限が必要になるのか具体的な理由が必要です。通常はそのような特殊な理由は考えられません。

      全省庁統一資格が必要になるのは、一般競争入札と指名競争入札に参加する場合のみです。

      普通の見積もり合わせでは、等級で制限することはありません。見積もり合わせは、信頼できる会社を3社選ぶので資格も必要ありません。会社を探すときに全省庁統一資格の名簿を使うことはありますが、等級は気にしないです。業務内容と販売地域などから信頼できそうな会社を見つけます。

      随意契約では参加資格が必要ない、という根拠法令は、予算決算及び会計令 第百条の三 第三号の契約保証金免除の規定からもわかります。全省庁統一資格は、危ない会社を排除するためのものです。

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