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契約手続き

参考見積書を取り寄せる手順、参考見積書を依頼する具体的な方法

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ハルスタットで参考見積書を依頼している 契約手続き
ハルスタットで参考見積書を依頼している
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一般競争入札か、それとも随意契約できるのか、契約方式を判断するときは、契約予定金額を把握しなければなりません。また予算要求の根拠資料としても参考見積書が必要になることがあります。参考見積書を取り寄せる具体的な方法をわかりやすく解説します。参考見積書と見積書の違いを意識しておくことも大切です。

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参考見積書とは

 

何かを購入したり、専門会社へ業務を依頼するときに、一般的な取引金額を把握したいことがあります。一般競争入札にするのか、あるいは随意契約ができるかなど、契約方式を判断するためには、契約予定金額が必要になります。また事業費を積算したり、予算要求するときにも、実際の取引金額を参考見積書で確認しなければなりません。

 

インターネットの Web 上で簡単に調べられる契約であれば、自分ひとりで調査することが可能です。しかし少し複雑な契約内容になると、専門会社へ参考見積書の提出を依頼するしかありません。新製品を購入したり、多量の物品を購入したり、新しい契約を計画するときなどに参考見積書が必要になります。

 

実際の取引金額を見てから、色々な検討を始めたいときには、参考見積書を取り寄せることになります。まだ正式に契約を行うかわからない状況のときに提出してもらうのが参考見積書です。正式な契約手続きで必要になる見積書は、思い切った値引金額で提出してもらいますが、参考見積書では、一般的な取引価格で提出してもらいます。

 

一般的な取引価格とは、誰に対しても販売できる金額です。値引きの少ない定価に近い金額です。通常の見積金額は、相手によって値引率が変わります。販売会社から見た場合、お得意様や、高額な契約金額であれば、他の取引金額よりも多く値引きできます。思い切って値引きしたり、相手によって見積金額が変わるのが普通です。

 

他方、参考見積書では、相手に関係なく、いつでも応じることのできる取引金額になります。そのため見積書よりも、参考見積書の方が値引きが少なくなることが多いです。

 

見積書は、契約手続きの中で「契約の申込み」に該当しますが、参考見積書は通常の取引価格を提示するだけのものです。

 

民法

第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。

2 契約の成立には、法令に特別の定めがある場合を除き、書面の作成その他の方式を具備することを要しない。

 

参考見積書の提出とは別に、正式な契約手続きを始めるときは、あらためて見積書を提出してもらうことになります。

 

ただ参考見積書と見積書は、見た目が同じです。両方とも「見積書」というタイトルの書類です。官公庁内部で参考見積書として扱うだけです。参考見積書へは「参考」という文字を官公庁側で付記します。

 

見積書類のタイトルを次のようにします。

 

見積書 → 見積書(参考)

 

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参考見積書を取り寄せる手順

 

実際に参考見積書を取り寄せるときの手順です。

 

参考見積書を依頼するときの手順

1.知りたい契約内容を整理する

2.依頼できそうな会社を探す

3.電話で挨拶をする

4.参考見積書の提出依頼文を作成する

5.参考見積書の提出依頼文をメールやFAXで送る

 

では、それぞれを詳しく解説します。

 

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知りたい契約内容を整理する

 

参考見積書を依頼するときは、最初に契約内容を大まかに整理しておきます。契約手続きに必要な仕様書とは違い、参考見積書を取り寄せる段階では、おおよその内容で問題ありません。

 

次のように、契約内容を簡単にまとめます。いずれも必ず書面で作成しておきます。参考見積書を取り寄せた後に検討して修正することになります。「おおまかな原案を作る」イメージで契約内容を整理します。

 

物品を購入する場合

 

メーカー名、型式などの機種名、数量、発注から納品までの納入期限、納入場所、搬入と設置方法、無償保証期間(1年以内が多い)を調べてまとめます。

 

物品を製造する場合

 

特注品を製造するときは、完成品のイメージを明確にします。どのような形状で、どのような機能が必要なのかをまとめます。特注品などの製造契約では、何度か打ち合わせを重ねてから金額が見積もれるようになります。使用する材料や製造期間によって金額が大きく変わります。

 

役務契約の場合

 

清掃契約や警備契約など、何かを行ってもらう人件費が中心になる契約では、毎日行う業務、月1回などの定期的に行う業務を洗い出します。いつ、何を、どのようにやってもらいたいのか整理します。修理や保守契約などでは、現物を確認して写真を撮り、メーカー名や型式を調べてから依頼します。修理や保守契約は、正常に使えるように契約することが目的です。保守契約の打ち合わせでは、部品代金を保守契約に含めるかどうかで、契約金額が大きく変わります。

 

また人件費を主とする役務契約では、代金の支払い方法を明確にします。2ヶ月を超えるような長期間の契約であれば、1ヶ月ごとに契約代金の一部を支払うことになります。労働基準法により、賃金は1ヵ月ごとに支払わなければなりません。

 

労働基準法

第二十四条第ニ項
賃金は、毎月一回以上、一定の期日を定めて支払わなければならない。

 

契約内容の整理を終えたら、必ず文書化しておきます。ワードなどで作成し、後日修正できるようにします。参考見積書を依頼するときは、この整理した資料を見ながら説明して依頼することになります。

 

また依頼しているときや、打ち合わせ中に、相手方から質問があったときは必ずメモします。後日、質問のあった内容をわかりやすく盛り込むようにします。質問内容は、金額を見積もるのに必要な重要情報であることが多いです。

 

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参考見積書を依頼する会社を探す方法

 

参考見積書は、契約手続きとは関係ありません。公平に相手方を選ぶ契約手続きは、参考見積書を取り寄せた後に内容を細かく検討し、仕様書が完成してから、あらためて正式に手続きを始めることになります。いろいろな企業が参加できるよう、公平な仕様書を作成するのは、参考見積書を取り寄せた後になります。

 

つまり、参考見積書を依頼する会社を探す段階では、1社を見つけることができれば十分です。

 

(時間がたっぷりあるなら、参考見積書を取り寄せる段階から複数社へ依頼するのが理想かもしれません。ただ、そうなると最初の仕様書を作り上げるのに、時間がかかり過ぎてしまいます。特に新しい契約内容のときは、公平な仕様書を作るための時間が減ってしまいます。そのため、最初に参考見積書を依頼するのは1社のみにした方が安全です。

 

まず、日常的に取り引きしている会社の営業担当者へ尋ねます。係で保管している名刺一覧や、取引会社一覧表などから探します。もし取引会社の中から見つからなければ、一般競争入札の参加資格者名簿から探します。WEB上のネットから探すのは最後にします。

 

断られることも想定し、候補となる会社を数社リストアップしてから電話します。

 

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最初に電話で挨拶をする

 

外部の民間企業の営業担当者へ依頼するときに、いきなりメールするのは失礼です。迷惑メールと間違われることもありますし、不審に思われてしまいます。まず電話をかけて挨拶をしてから、「参考見積書の提出に協力して頂けるか」確認します。この段階は、あくまでお願いする立場です。丁寧な言葉使いで、低姿勢で頭を下げながらお願いします。次のように電話をします。

WORDファイル「参考見積書の提出について電話で確認する方法」のダウンロードはこちらから。

 

参考見積書の提出について電話で確認する方法

 

はじめまして、◯◯省◯◯課の◯◯と申します。

 

現在〇〇の契約を検討しておりまして、おおよその見積金額が知りたいのです。まだ契約手続きを始めるかどうかもわからない状況でして、とりあえず、一般的な取引金額がわかる参考見積書が欲しいのです。

 

現時点では契約できるかどうかもわからず、内部で検討するための資料なのですが、無料で見積書を提出して頂くことは可能でしょうか?

 

見積金額は、通常の取引金額で構いません。今後、契約手続きを始めることができそうであれば、そのときに改めて正式に見積書を依頼します。

 

もし、むずかしそうであれば無理しなくて大丈夫です。

 

(はい、参考見積書を提出できますと回答があった場合)

 

それでは、メール(FAX)で依頼文を送らせていただきます。アドレスを教えてください。

 

本日は、急なお願いにもかかわらず、対応して頂きまして本当にありがとうございました。とても助かります。失礼します。

 

参考見積書を提出してくれる会社を探すことができたら、メールかFAXで依頼文を送信します。提出してもらう参考見積書のタイトルは、「見積書」です。参考という表記はなくても問題ありません。「参考」という文字は官公庁側で付記します。官公庁内部で「参考見積書」として扱うだけです。

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参考見積書を依頼するときの文例

 

参考見積書を依頼するときの文例です。WORDファイル「メールで参考見積書を依頼する場合の文例」はこちらからダウンロードできます。

 

メールで参考見積書を依頼する場合

 

◯◯株式会社
営業部 ◯◯様

 

お世話になります。◯◯省◯◯課の◯◯です。

 

現在、下記の契約について検討を予定しています。まだ契約手続きを始める前の段階であり、これから予算の確保や契約方式を検討する予定です。つきましては参考として見積書の提出にご協力頂けるとありがたいです。

 

なお、参考見積書ですので、通常の取引価格あるいは契約可能価格で作成をお願いします。提出して頂いた参考見積書を検討した後に、契約手続きを開始するときには、改めて正式な見積書の提出を依頼いたします。ただし一般競争入札になることもあります。今回提出して頂く参考見積書は、通常の見積書の様式でお願いします。ご多忙中恐縮ですが、◯月◯日までに提出頂けると助かります。

 

また不明な点などは遠慮なく質問してください。現地視察や打ち合わせも可能です。

 

現在計画している契約内容は次のとおりです。

 

予定件名 ノートパソコン 150台

 

予定納入期限 2022年8月末 発注から納品まで2ヶ月間

 

契約内容 1台あたりの仕様

ノートパソコン本体 メーカー◯◯製 ◯◯型
OS Windows 11 64ビット
メモリ 8GB以上
ストレージ SSD 256GB以上
Microsoft Office Home & Business 2021(永続版)

 

搬入・設置方法
◯◯省の建物内の各部屋へ設置し、既設LANへの接続を行う。設置後は動作試験を行う。搬入期間は3日間を予定している。

 

物品の無償保証期間
検収完了後、1年間とする。

 

代金の支払方法 検収完了後、適法な請求書を受理してから1回払い。

 

以上です、よろしくお願いします。
〇〇省〇〇課 氏名〇〇〇〇
電話番号 〇〇〇〇ー〇〇〇〇

 

上記は物品購入の例です。役務契約などでは具体的な作業内容を打ち合わせしつつ見積金額を積算してもらうことが多いです。なるべく作業場所など、現地を見てもらった方が効率的です。

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参考見積書を依頼するときのチェックシート

 

参考見積書を依頼するときは、事前に必要な内容を書き出しておきます。特に電話で依頼するときは、会話している最中に話がそれてしまい、聞こうとしていたことを忘れてしまいがちです。事前に相手方へ伝えること、相手方から聞くことを箇条書きにメモしてから電話します。

 

参考見積書を取り寄せるときの手順をまとめたチェックシートです。WORDファイル「参考見積書を依頼するときのチェックシート」はこちらからダウンロードできます。

 

参考見積書依頼チェックシート

 

契約内容の整理、簡単に書面化する
依頼するときに相手方へ伝える契約内容です。相手方が金額を積算できるように内容をまとめておきます。

依頼できそうな会社を探す
取引実績のある会社、入札参加資格のある名簿などから探します。見つからなければネットから探します。なるべく官公庁との契約実績のある会社が望ましいです。3社程度リストアップしておきます。

 

会社名 電話番号

会社へ電話して参考見積書の提出が可能か確認
必ず伝えること
〇まだ契約するかわからない段階であること
〇参考に見積書を無料で提出して頂けるか
〇実際に契約手続きを始めるときには、改めて積書を依頼したいこと
〇一般競争入札になる可能性もあること

 

(参考見積書とは、一般的な取引金額で作成してもらう見積書です。思い切った値引きまでしない通常の取引価格のことです。参考見積書の書類名は通常の「見積書」で問題ありません。)

依頼先の連絡先
会社名
電話
営業担当
メールアドレス

 

依頼文を作成する

 

メールやFAXで依頼する

依頼文送信年月日
会社名    年  月  日 時送信

見積書提出期限  月  日

 

 

なお参考見積書は、お願いして提出してもらう書類なので、提出期限を設けない方が望ましいです。あまり早く提出期限を設定してしまうと、相手に負担をかけてしまいます。

 

以上が参考見積書を依頼する手順です。

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