仕様書はいつ書ける?契約担当者の最初の壁、仕様書の書き方

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契約手続き
2020年11月 きぬ川温泉
この記事は約8分で読めます。

官公庁の契約手続きに必要な仕様書の書き方です。契約の実務経験が少ないと仕様書は作れません。仕様書を作るまでには経験が必要です。いつ頃に仕様書が作れるが、また仕様書を書くときの心構えと注意点の解説です。

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仕様書が必要になる手続き

 

仕様書にはいろいろな種類があります。この解説で扱う仕様書は、官公庁が契約手続きで使用する仕様書です。官公庁側が必要とする条件をまとめた書類を意味します。

 

契約手続きの中で、仕様書を作成するためには、かなりの経験と知識が必要です。契約実務の中で、仕様書の作成はむずかしい仕事です。本サイトでは、仕様書の作り方、仕様書の書き方を様々な角度から解説しています。

 

最初に、官公庁の契約手続きの中で、仕様書が必要になる場面を確認します。

 

仕様書の目的は、入札書や見積書を提出してもらうことです。競争入札の場合には入札書、随意契約の場合には見積書です。入札書も見積書も、契約金額を見積もった書類です。

 

金額の小さい契約は、簡略化した仕様書が多いです。この解説では、契約金額の大きい競争入札や随意契約に必要な仕様書を想定しています。

 

物品購入契約であれば160万円以上、役務契約であれば100万円以上の契約です。

 

競争入札の場合は、入札公告を見て、参加を希望する民間企業が入札関係資料を取りにきます。電子入札では、WEB上から入札関係資料をダウンロードすることもあります。入札関係資料の中に仕様書が含まれています。

 

随意契約の場合は、官公庁の契約担当者が見積書の提出を依頼するときに、依頼文と一緒に仕様書を送付します。

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どのくらい経験を積めば競争入札を実施できるか

 

新人のときや、初めて契約担当になったときなど、実務経験が浅い段階では仕様書を作ることはできません。仕様書は、契約金額の積算に直接影響します。記載が不十分な仕様書でトラブルになると大変です。場合によっては損害賠償にまで事態が悪化します。

 

仕様書が作れるようになるまでの経験は、最低でも2年以上必要です。契約実務経験は、見積もり合わせを実施するなど、民間企業の営業担当者と直接やり取りすることで培われます。相手が何を聞きたいのか、何を質問したいのか、表情や会話のニュアンスから感じ取ることが重要です。相手を理解して仕様書を作らなければなりません。表情だけで相手を理解できるような豊富な経験という意味です。

 

2021年現在、多くの官公庁で電子入札が導入されています。(スマホ片手に談合し放題になってしまったのではと心配ですが)

 

電子入札やWEB上での見積もり合わせは、相手の表情を見たり言葉を聞いて、その場で判断する場面がありません。楽になった分、契約実務の経験は得られません。システム化は、目に見えない部分が多くなり不信感も増します。少し残念です。

 

本来、契約実務は、相手と顔を合わせ言葉を交わすものです。相手の表情や言葉から、相手が困っていること、聞きたいことなどを感じる経験が必要です。書類しか見ずに判断すれば、不信感だけが生まれます。(電子入札も同じです。)

民間企業の営業担当者と交渉を重ね、時には指摘や批判も受けながら、反省しつつ経験を蓄積することが重要です。そのためには仕様書を作るまでに、最低でも2年以上の契約実務経験が必要です。

 

もし経験がない中で、仕様書を作る立場になったときは、先輩や上司と一緒に作っていくことになります。ひとつひとつアドバイスを受けながら進めることになります。

 

仕様書は、契約金額を見積もるために必要な書類です。わかりやすいことが最も重要です。専門家などの一部の人がわかっていれば良いというものではなく、第三者が見て理解できる書類でなければいけません。そのためにも実務経験が少ない段階では、ベテランの人がアドバイスする必要があります。

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仕様書と入札説明書と入札心得の違い

 

競争入札を実施する場合には、さまざまな書類が必要になります。仕様書の他に、入札説明書あるいは入札心得を作成することもあります。組織によって作成する書類はまちまちです。

 

仕様書と似ている書類として、入札説明書と入札心得があります。それぞれの違いを簡単に解説します。

 

入札説明書は、提出書類や提出期限など、手続き全体の説明が書かれています。入札書の提出方法や、一緒に提出する関係書類などの説明です。入札説明書の中に、仕様書や入札心得が含まれることが多いです。主に、入札へ参加するための資格、関係書類の作成方法、入札と開札の方法などが記載されています。特に入札が無効になるケース(参加資格や記載ミスなど)は細かく定められています。

 

入札心得は、入札説明書とは異なり、全ての競争入札で共通的に遵守する条件を記載したものです。特定の入札案件に限らず、共通的な心構えとして注意してもらいたい内容です。競争入札の案件毎に内容が変わるものではなく、共通的な書類です。

 

仕様書は、技術仕様を記載した書類です。製品に求められる性能、あるいは役務契約であれば、業務内容や作業手順が細かく記載されています。仕様書の中に入札説明書や入札心得を含めて記載することもあります。

 

仕様書、入札説明書、入札心得は官公庁によって異なります。いずれも法律や規則で決められているわけではありません。

 

作成するときに注意したい点は、それぞれの書類で、内容が重複しないことです。そして、わかりやすい内容であることです。説明に必要な書類は少ない方が良いです。書類が少ない方がわかりやすいです。書類が多くなれば、内容が複雑になりミスが起こりやすくなります。簡潔に書かれていて、わかりやすい(少ない)説明書類が理想です。

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仕様書を書くときに注意したいポイント

 

仕様書は、契約金額を見積もるための書類です。一番重要なことは、わかりやすいことです。誰もが勘違いせずに契約金額を見積もることができるのが理想です。

 

仕様書を書くときのポイントは次のとおりです。

わかりやすい表現で書く

むずかしい単語(専門用語や単位)は補足説明をつける

箇条書きや図・写真を用いる

文体を揃える 「ですます調」、「である調」など

読みやすく、わかりやすいことが最重要です。法律の条文のような難解な表現は、ミスを招く原因になります。

市販物品を購入する場合の仕様書

カタログ製品など、一般に市販されている物品を購入するときの仕様書は、次の点に注意します。

特定の機種は指定しない(なるべく避ける)、やむを得ず機種を指定する場合は、合理的な理由(誰もが納得する理由)が必要です。

 

同等品(類似品)を認めるときは、許容範囲を明確にする

物品の形状や重さを記述するときは、〇 cm 以上、〇 cm 以下、あるいは〇 kg 以下のように数値で明確に示します。例「本体の重量は床の耐荷重を考慮して500 kg 以下であること。」

 

機種を指定する場合は、別途、機種選定理由書をわかりやすくまとめておきます。機種選定理由書は、内部の書類なので、外部に公開しません。しかし説明資料として保存が必要です。なぜその製品でなければいけないのか、要求する性能がないと、どのような支障が生じるのか、わかりやすく記述しておきます。根拠となる数値は、カタログなどの該当部分をマーカーして一緒に保存しておきます。

役務契約(アンケート調査)の仕様書

 

大規模なアンケート調査を実施する業務を例にして、仕様書の書き方を考えてみましょう。

 

ランダムにアンケート用紙を配布する形式です。アンケート調査は、プライベートな内容を含む調査が多いため、事前に倫理審査委員会でアンケート項目の承認を受けるのが一般的です。(多くの人が不快に感じるアンケートはできません。)アンケートの原稿が完成している場合です。

 

最初に、業務の流れをイメージします。(できれば複数の会社へヒアリングします。)

アンケート用紙の印刷

配布先リストの作成

アンケート用紙の封入、発送

回答用紙のとりまとめ(回答用紙を基にデータを作成、個人情報の保護は必須です。)

謝礼を郵送

アンケートの報告書を作成

次に、各項目の作業内容をイメージして、仕様(作業内容)を書きます。

 

アンケート用紙の印刷

アンケート項目の原稿は、発注者(官公庁側)が用意する。予定ではA4で5枚の分量になる。回答用紙はA4で1枚を予定している。原稿は〇年〇月〇日までに電子媒体で渡すので、サンプルを発注者が確認した後に、5千部印刷すること。

 

配布先リストの作成
アンケートの配布先は、市区町村の住民基本台帳から作成すること。事前に市区町村の許可を得て(申請が必要な場合は、発注者が申請書を作成する。)配布先リストを作成する。配布先リストの個人情報は外部へ漏洩しないよう厳格に管理する。

 

アンケート用紙の封入、発送
発注者が指定する封筒に、アンケート用紙と回答用紙を入れ封入する。宛名ラベルを送付先リストから作成し、封筒に貼付する。発送する前に見本品を発注者へ提出し確認を得ること。見本の確認が終わったら、発送を行う。発送費用(切手代)は受注者の負担とするので、後日、切手代単価と発送数を報告すること。)

(以後は略)

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仕様書の文体について

仕様書は、わかりやすいことが最重要です。そのためには読みやすいことが必須になります。ひとつの文書の中で、文体「ですます」調、「である」調が混在すると、とても読みにくいです。どちらでも構いませんが統一しましょう。

 

上記の例文を、ふたつの文体で比較します。

 

「である」調

アンケート項目の原稿は、発注者(官公庁側)が用意する。予定ではA4で5枚の分量になる。回答用紙はA4で1枚を予定している。原稿は〇年〇月〇日までに電子媒体で渡すので、サンプルを発注者が確認した後に、5千部印刷すること。

 

「ですます」調
アンケート項目の原稿は、発注者(官公庁側)が用意します。予定ではA4で5枚の分量です。回答用紙はA4で1枚を予定しています。原稿は〇年〇月〇日までに電子媒体で渡しますので、サンプルを発注者が確認した後に、5千部印刷してください。

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