「透明契約・透明入札制度」を導入し、契約手続きを不正から守る

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官公庁の契約手続きを「不正事件」から完全に守る方法の解説です。契約手続きに関係する「贈収賄事件」や「談合事件」を、完全に撲滅します。会計法令を見直し、ブラックボックス部分の手続きを排除します。「透明契約・透明入札制度」の解説です。

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現行の契約制度の欠点

 

現在(2019年7月)、官公庁の契約方式は、3つに区分されています。契約方式の原則である「一般競争契約」、例外である「指名競争契約」と「随意契約」です。これら3つの契約方式は、いずれも制度的な欠点があります。外部から見えない「ブラックボックス部分」が存在し、「業者との癒着」、「談合」、「贈収賄」などの不正事件の温床になってます。

 

「一般競争契約」と「指名競争契約」が、いわゆる「入札」です。

 

「入札」手続きの中で、「予定価格」と「開札手続き」がブラックボックス部分です。特に「予定価格」は、落札基準価格であり、会計法令により「秘密扱い」になってます。有利に落札しようと「予定価格」を事前に知ろうとして、「業者との癒着」や「贈収賄」などの不正事件が発生します。これは、予定価格の作成手続きがブラックボックスに包まれ、外部から見えない仕組みになっているからです。また開札手続きも外部(一般の人)から見えません。(開札会場へは、入札参加者以外入室できません。)「談合」の生じる原因になってます。

 

官公庁が行なう入札手続きは、会計法令によって予定価格を秘密にしています。(そのため一部の地方公共団体では、事前公開するケースもあります。)予定価格は落札基準価格なので、予定価格を事前に知ることができれば、(談合して)競争を行なわずに最大限の利益を得ることができます。

 

入札に参加しようとする営業担当者は、官公庁側の契約実務担当者が作成した予定価格についての情報(仕様書の場合もあります。)を得ようとします。接待や贈賄などの手法で、様々な接触を試みます。金銭のやりとりは贈収賄事件となりますが、それ以外の方法(高額な商品を贈ったり、ゴルフなどにつきあったり)もあり得る危険な部分です。

 

これらのリスクを避けるため、いくつかの地方公共団体では、予定価格を事前公表しています。しかし談合は防止できません。入札参加者同士が、入札金額を事前に調整する談合は、落札する会社を入札前に決めてしまいます。見せかけの入札書を提出します。官公庁側の契約実務担当者は、(競争が)偽装された入札書について、不正を発見できず防止もできません。談合が発覚するのは、関係者からの通報のみです。

 

また、官公庁の契約実務担当者が、入札価格の事前調整に主導的に関われば官製談合です。

 

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原因は「ブラックボックス」

 

契約手続きに関連した不正事件の原因は、ブラックボックス部分です。秘密にする予定価格の存在、落札までの経緯が詳細に公開されない現在の制度、これらの「見えない不透明な部分」が存在する限り、不正事件を排除することは不可能です。つまり、現在の契約制度は、契約手続きを実施する契約実務担当者本人の「倫理感」に頼っているのが現実です。特定の会社を有利に扱おうと画策すれば、わからないように不正ができてしまいます。

 

また、随意契約に関連した典型的な不正事件は、「業者との癒着」です。不当に高い金額での契約締結です。一部の会社が不当に利益を得ようとする構図です。これも契約手続きのブラックボックス部分が原因です。契約金額の妥当性について、外部から目が届かないのです。不正を防止することは、現在の契約制度では不可能です。

 

くどいようですが、現在の会計法令に基づいて実施する契約手続では、「ブラックボックス」が多すぎて、不正を防止することは不可能です。マスコミで報道される「官公庁の不正事件」を見れば明らかです。

 

では、本当に不正事件を根絶する手段はないのでしょうか?

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不正が起きないシステム「透明契約・透明入札制度」

 

契約実務担当者本人の「倫理感」に頼るのではなく、「物理的に不正を防止」し、さらに、契約手続きを劇的に効率化し改善できる手法が存在します。筆者が提唱している「透明入札・透明契約制度」の構築です。

「透明入札・透明契約制度」は、不正事件の温床になっている「ブラックボックス部分」そのものを廃止してしまいます。そして契約手続きをオープンにしてしまいます。そもそも国民の税金を使う契約手続きは、誰もが見えるシステムであるべきです。

 

もちろん「透明入札・透明契約制度」を導入するためには、現在(2019年)の会計法令の改正が必要です。法律、政令、省令の改正、新たな法令の制定が必要です。しかし、それほど困難ではなく実現可能です。「透明入札・透明契約制度」について詳しく解説します。

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「透明入札・透明契約制度」の基本コンセプト

 

「透明入札・透明契約制度」は、従来の入札手続きや随意契約手続きという枠組みを全て撤廃し、契約を発注する官公庁側、契約を受注する民間会社側、双方にとってメリットがあり、公正・公平でオープンな制度とするものです。

 

全ての契約手続き(詳細な内容まで)を、リアルタイムに一般公開(透明化)するシステムです。

 

近年のインターネット環境の普及により可能となる契約手続きです。そのため、インターネットが存在しない時代に制定された既存の法体系を全て見直し、新たに法令を整備します。

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官公庁側は「発注情報」を自由にWEB公開

 

インターネットのWEB上で「透明入札・透明契約制度」専用サイトを構築します。官公庁の発注情報(現行の入札公告に当たる部分)を、原則として自由に掲載します。掲載ルールは最少限とします。

 

官公庁の発注者側は、発注しようとする一定規模以上の発注内容を、インターネット上に例外なく公開します。(例えば50万円以上の契約など)

 

ただし、ここで公開の条件などを、細かくルール化してしまうと、実際の利用が煩雑になるので、原則として自由な内容で記載し公開します。掲載情報の中止や内容の変更も、自由に可能とします。

 

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見積金額の公開(会社名、金額、内訳を一般公開)

 

「透明入札・透明契約制度」への参加を希望する会社は、事前に簡単な審査(現在の全省庁統一資格など)を受け、固有のIDとパスワードを持ちます。

 

契約を希望する会社は、官公庁が掲載したWEB上の発注情報を見て、見積書をPDF添付してWEB上で申し込みます。見積書は自動的に一般公開されます。ここでいう一般公開は、「透明入札・透明契約制度」の参加資格を有している者への公開です。まったく関係ない国民一般が見られる状況とは違います。入札参加資格のある人が見ることが出来ます。

 

つまり、(見積)入札の状況が、リアルタイムで一般公開されます。見積金額と内訳明細書の一般公開を義務付けます。

 

物品の売買契約であれば、定価や値引率あるいは値引額が明記された内訳明細書が公開されます。工事や製造であれば、製造原価や諸経費、利益相当額が明記された書式で掲載します。実際には見積金額と積算内訳を掲載したPDFファイルをアップロードします。(これはリバースオークションに似ています、オークションやせり売りなどのイメージですが、金額のみでなく「内容」まで公開されます。)

 

発注者の官公庁側は、予定価格を作成しません。仮に予算をオーバーしそうなら、後述する契約予定者の決定後、正式発注前に契約締結を中止します。正式契約前なので、契約取り消しに伴う違約金や損害賠償は発生しません。

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「契約予定者」の決定と「契約審査」

 

一定期間(2週間など任意の期間)経過後、最安値の会社が「契約予定者」となり、次の段階として「契約審査」へ進みます。

 

「契約予定者」となった会社は、見積内容について、第三者から「契約審査」を受けます。第三者とは「全省庁統一資格」を有している者です。

 

契約審査期間(5日間程度)を設け、この間に、官公庁側の発注者やライバル会社を含む第三者が、自由に「契約審査」を実施します。「契約予定者」に対して、疑義のある見積金額や内訳についてWEB上で質問します。この質疑応答も公開されます。匿名での質問は受け付けず、実名(会社名や組織名)で質問します。「契約予定者」は、WEB上で公開形式の回答義務を負います。

 

「契約予定者」が期限までに回答しない場合は、自動的に排除され、次順位者の会社が「契約予定者」になります。故意に回答しない「契約予定者」は、ペナルティを受け、その後、一定期間(3ヶ月程度)他の契約に参加できなくなります。

 

質問した会社は、回答を見て納得すれば、「回答承諾」ボタンを押さなければなりません。回答承諾を故意に行わない会社も、一定期間(6ヶ月など長期)参加できないペナルティを負います。ひやかしや妨害を排除するため、質問者に対して、より重い義務を課します。

 

質問を受けた会社は、質問の内容が曖昧なときは、逆に質問することも可能です。逆に質問を受けた会社は、同様に回答する義務を負います。回答しない場合は、一定期間(1ヶ月)ペナルティを受け参加できなくなります。

 

ただし、質問数は、「項目数5つ以内、1回のみ」などの制限を設けます。故意に回答しない会社は、説明責任を負わなかったペナルティとして、一定期間(1ヶ月)他の契約に参加できません。

 

また、契約予定者が辞退すると、一定期間のペナルティを受けます。

 

さらに、「透明入札・透明契約制度」で契約を締結した会社は、契約完了後であっても、後日、不当に利益を得ていることが指摘され、それが事実と判明した場合は、不当利得として金額の返還義務を負わせることを法律で義務付けます。遡及期間は5年間とします。

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契約締結手続き

 

「契約審査」期間経過後、官公庁側が最終確認し、予算の範囲内でOKなら、「契約承認」ボタンを押し、自動的に正式な契約が締結されます。この段階で承認せずに取り消しすることも、官公庁側は自由に可能とします。予算の限度額をオーバーしたり、見積内容に疑義があるときは、簡単に取り消しできます。取り消し理由も必要ありません。

 

また、正式に契約締結した会社は、その後、一定期間(1ヶ月など)は他の入札に参加できません。官公庁の契約を獲得する機会を、広く公平にするためです。大規模契約を連続で獲得できないなどの制限を設けます。特定の会社が官公庁の契約を独占することを防ぐためです。

 

以上が「透明入札・透明契約」の基本的な仕組みです。

 

官公庁との契約手続き全てが、WEB上で公開(入札を希望する関係会社などへ公開)され、第三者(ライバル会社)が常に監視できる仕組みを構築します。ブラックボックス部分を完全に排除します。

民間会社の営業担当者は、営業で官公庁へ出向く必要もなくなります。機会均等の受注が可能です。

 

さらに会計検査院に対しても、システム上での事前検査を義務付ければ、「透明入札・透明契約制度」に基づく契約については、その後の会計実地検査を対象外にできます。会計検査院の莫大な経費節減(数百億円規模)になります。

 

「透明入札・透明契約制度」のメリットは、発注者側には一切業務負担がなく、入札に参加しようとする民間会社側は、営業行為が不要になることです。誰もが手軽に、入札へ公平に参加できるところです。適正な利益が確保された正常な契約かどうか、契約金額の内容・内訳までもチェック可能なところです。不当な利益の排除、不当廉売の排除も可能です。初めて入札に参加する会社にとっては、システムを閲覧することで、契約を獲得する方法が全て分かります。

 

また、大手企業などの1社に契約が集中することを防ぐため、連続入札の禁止規定も制定します。例えば、1千万円以上の契約を受注した場合は、その後、一定期間(2週間など)、複数の企業が参加する他の案件に参加できないことをルール化します。広く入札参加機会を確保します。WEB上で、IDと契約金額を自動監視し、制限するのです。

 

「透明入札・透明契約制度」を導入すれば、契約手続きの過程が公開されます。談合や癒着などは物理的に不可能です。というか談合や癒着の意味がなくなります。契約締結後であっても、不当な利益(過大積算)を第三者から指摘されれば、5年間の返還義務を負うのです。

 

発注者側も、予定価格の作成や入札手続きなどの負担がなくなります。発注者、受注者双方の負担が減るシステムです。

 

インターネットが爆発的に普及し、情報公開が当然のようになった現在において、昭和初期の会計法令や会計検査院の役割も見直す時期です。

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現行制度からの移行措置

 

最後に、現行の会計法令に基づく入札や契約手続からの移行措置です。移行措置が不要となるように「透明入札・透明契約制度」を構築します。現行の契約制度はそのまま残し、追加の制度として「透明入札・透明契約制度」を可能とします。両方の制度を利用できるようにしておき、「透明入札・透明契約制度」の方を、使いやすく便利なものにするのです。そうすれば、自然と現行制度を利用する人はいなくなります。現行制度を廃止する必要もありません。自然淘汰されるでしょう。

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