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契約手続き

変更契約書と字句訂正の使い分け、契約内容を変更するときの判断方法

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プライツ湾で、変更契約書にすべきか迷っている 契約手続き
プライツ湾で、変更契約書にすべきか迷っている
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契約を締結した後に、契約内容を変更せざるを得ない場合があります。契約を変更するときは、新しく変更契約書を作成したり、契約書そのものを字句訂正する方法があります。変更契約書にするべきか、字句訂正すべきか判断に迷ったときの対応方法です。

 

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契約書の取り交わし、契約書省略についての根拠法令

 

官公庁の契約手続きでは、原則として契約書の取り交わしが必要です。会計法令でも、契約当事者が記名押印しなければ契約が確定しない、ことを明確に定めています。

 

会計法(国の場合)

 

第二十九条の八  契約担当官等は、競争により落札者を決定したとき、又は随意契約の相手方を決定したときは、契約の目的、契約金額、履行期限、契約保証金に関する事項その他必要な事項を記載した契約書を作成しなければならない。(略)

 

2  前項の規定により契約書を作成する場合においては、契約担当官等が契約の相手方とともに契約書に記名押印しなければ、当該契約は、確定しないものとする。

 

地方自治法(都道府県や市町村などの地方自治体の場合)

 

第二百三十四条

5 普通地方公共団体が契約につき契約書(略)を作成する場合においては、当該普通地方公共団体の長(略)が契約の相手方とともに、契約書に記名押印し(略)なければ、当該契約は、確定しないものとする。

 

しかし、すべての契約について契約書を取り交わしていたら、全然仕事になりません。例えば1万円程度の物品を購入するだけなのに、いちいち契約書を取り交わしていたら、事務手続きだけで2週間くらいかかってしまい、物凄く無駄な負担になってしまいます。官公庁側の契約担当者だけでなく、契約の相手方である民間企業側にとっても、煩わしいだけの無駄な負担でしかありません。

 

そのため一定金額以下(150万円以下など)の契約については、契約書の取り交わしが省略できることになっています。

 

予算決算及び会計令(国の場合)

 

第百条の二 (略)契約書の作成を省略することができる場合は、次に掲げる場合とする。
一 (略)契約金額が百五十万円(略)を超えないものをするとき。

(地方自治体も、それぞれの規則で同様に定めています。)

 

そして契約書を省略した場合でも、ある程度金額の大きい契約(50万円以上など)になると、契約した証として請書(うけしょ)を提出してもらいます。ただ請書は、契約書とは異なり、一方的に提出してもらう誓約書です。契約違反があっても相手方を強制することはできません。そのため、契約不履行が考えられないような軽微な契約に請書を用います。

 

ところが、契約書を取り交わしたり、請書を提出してもらった後に、契約内容を変更しなくてはならない場合があります。契約を締結する時にはわからなかったことが、実際に契約を進めていく中で新たに生じたり、契約内容が部分的に間違っていることが判明するのです。原材料の輸入価格高騰により契約金額の増額が必要になったり、作業工程の順番に矛盾が生じてしまい、契約内容を変更せざるを得ないケースなどです。

 

契約の相手方と打ち合わせし、双方で合意して契約内容を変更しようとするときに、判断に迷うのが、変更契約書を新たに取り交わすべきか、あるいは字句訂正(字句修正)だけで変更すべきか、という点です。変更契約書は、元の契約書をそのままにし、変更した内容で新しく契約書を作成するので、手続きに時間がかかります。普通に契約書を取り交わすのと同じ手順が新たに発生します。一方、字句訂正であれば、元の契約書を直接訂正するだけです。変更契約書を作成するわけではないので、字句訂正の方が簡単です。

 

どちらにすべきか判断に迷うのは、契約を変更するときの手続きや、変更契約書の取り交わし方法が、会計法令には存在しないからです。そのため過去の変更契約書類を探したり、ネットで調べることになります。変更契約についての明確な(基準)ルールがないために迷い悩むのです。

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変更契約の手続きを判断する方法

 

契約内容を変更するとき、変更契約書を取り交わすべきか、字句訂正だけで変更するのか、どちらにすべきかは、次のように判断します。(これはひとつの例です。実際は契約当事者同士が合意できれば、どのような方法でも問題ありません。)

 

契約内容の重要な部分の変更については、字句訂正ではなく、変更契約書を新たに取り交わします。例えば、契約金額や品名、納入期限(完了期限)を変える場合です。また契約内容を詳細に記した仕様書についても、大きな変更であれば変更契約書を新しく作成する方が安全です。

 

つまり逆にいえば、変更契約書を作成せずに、訂正印だけの字句訂正を行う契約は、軽微な変更の場合です。典型的なのは、単純な記載ミスです。例えば漢字の変換ミス(期限を起源と書いてしまったとき)や、曜日の確認ミス(木曜日なのに金曜日と書いてしまった)などです。契約内容を全く知らない人が見ても、「これは間違っているだろう」と思える単純な箇所です。

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変更契約書の記載例

 

例えば、契約金額を変更する場合です。

 

変更契約書

 

発注者 支出負担行為担当官〇〇省会計課長〇〇と供給者〇〇株式会社 代表取締役社長〇〇とは、令和4年6月1日付けで締結した「パソコン・モニター 一式」物品供給契約書(以下「原契約書」という。)について、次のとおり変更契約を締結する。

 

(契約金額の変更)
第1条 原契約書頭書の契約金額「金12,000,000円也」を「金10,000,000円也」に変更する。

 

第2条 その他の条項については、原契約書のとおりとする。

 

上記変更契約の成立を証するため、本変更契約書を2通作成し、発注者、供給者それぞれ1通を所持するものとする。

 

令和4年8月20日

 

発注者 支出負担行為担当官
〇〇省会計課長 〇〇〇〇 印

供給者
〇〇株式会社
代表取締役社長 〇〇〇〇 印

 

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契約書を字句訂正する例

 

正しくは金曜日なのに、木曜日と記載してしまった場合

 

納入期限 2023(平成5)年3月17日(木)

 

「木」の部分を二重線で消し、上か右の方に「金」と記載し、近くの余白部分へ「一字抹消、一字加入」と記載します。「一字抹消、一字加入」の部分へ契約当事者の印で訂正印を押します。字句訂正は、元の文字が見えるように記載します。白い修正液などを使って、塗りつぶしてはいけません。

 

訂正箇所が複数ある場合は、該当の行も指定します。「〇行目、〇字抹消、〇字加入」と記載し、それぞれ訂正印を押します。

 

字句訂正を行うときは、契約書を持ち寄り(通常、官公庁側へ預け)、ひとりの担当者が2通の契約書を一緒に訂正します。当然のことながら、契約書原本へ書き加えるので、手書きになります。字が綺麗でも、かなりかっこ悪いです。なるべく訂正にならないよう、契約書を取り交わすときは一字一句チェックしましょう。ハッキリ言って、字句訂正の契約書は恥ずかしいです。双方が「いいかげんに契約した」とも思われてしまいます。

 

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提出してもらった請書を変更する場合

 

契約書の取り交わしを省略し、請書を提出してもらっているときは、次のように判断します。

 

契約金額、品名、完了期限を訂正する場合は、請書の差し替えをお願いする。相手方が対応可能なら、すでに提出してもらった請書を返却し、訂正後の新しい請書を提出してもらいます。

 

もし差し替えが難しいようであれば、変更契約書のように記載した、新しい請書を提出してもらっても問題ありません。契約当事者同士が合意しているなら、どちらの方法でも構いません。請書自体が軽微な契約なので、あまり気にする必要はないです。

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書面での変更を省略するケース

 

変更契約書や字句訂正を行うほどでもない、些細な契約変更の場合は、次のように判断します。

 

変更(修正)しなくても意味が通じたり、特に影響ない部分は、変更契約書を作成したり、字句訂正も行いません。ただ、双方で「些細な変更(修正)なので特に手続きしない」という了解が必要です。どちらかが、「やはり契約書を取り交わしているので、契約違反を指摘されないよう、変更契約書を取り交わしたい」という要望であれば、書面で正式に契約変更の手続きを行うべきです。

 

変更契約書や字句訂正を行わないときは、メールや書面で経緯を残しておきます。契約関係者同士で「手続きしない」ことを確認しておきます。

 

次のような「補足説明」や「契約内容の詳細確認」として記録に残しておきましょう。

 

メールでのやりとり例(椅子の型式変更)

 

〇〇省会計課契約係
〇〇様 いつもお世話になります。

 

〇月〇日に締結した椅子の契約ですが、契約当時の型式の椅子が生産終了になり、後継の椅子として新しい型番の椅子が生産されるようです。品質や価格も同じくらいなので、新製品で対応してよろしいでしょうか?参考に新製品のカタログと仕様を送ります。

 


 

〇〇株式会社
〇〇 様

〇〇省会計課契約係〇〇です。

 

先日は、椅子の生産終了の連絡ありがとうございました。新製品の内容を確認しました。新製品で納品をお願いします。

 

なお今回の変更は、契約内容のごく一部であり軽微な変更なので、本メールを双方で保存しておくことで対応したいと思います。こちらは上司へも確認してあります。特に変更契約書を取り交わさなくてもよろしいでしょうか?

もし、正式な変更契約書が必要であれば対応します。遠慮なくご連絡ください。

 


 

〇〇省会計課契約係
〇〇様 いつもお世話になります。

はい、こちらも上司へ確認しました。このメール保存のみで大丈夫です。

 

 

契約内容を変更するときは、関係者同士で了解できていることが重要です。ただ、変更内容を当事者が了解していること(メールのやりとり、あるいは、やりとりを記録したメモ)が必要になります。記録を残しておかないと、相手方から「契約違反だ」と指摘されたときに大きなトラブルになってしまいます。

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