一般競争入札と随意契約を判断する手順、契約方式を決定する方法

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契約手続き
2002年 ハワイ
この記事は約6分で読めます。

一般競争入札にするか、随意契約とするか、官公庁が契約方式を判断する手順です。最初に予決令99条が適用できる少額随意契約に該当するか検討します。少額随意契約に該当しないときは、競争性がない随意契約の場合を除き、一般競争入札になります。

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最初に予定金額で契約方式を判断

 

一般競争入札か? それとも随意契約か?

 

契約担当者が契約手続きを始めるときは、最初に契約方式を決定します。契約方式とは、官公庁が契約の相手方を選ぶ方法です。

 

契約方式は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約の3つに分類されます。契約方式によって作成する書類が異なります。そのため、最初に契約方式を決定しなければなりません。

 

3つの契約方式のうち、一般競争入札と指名競争入札が、いわゆる入札です。指名競争入札は、最近(2019年7月)、指名基準が問題視されることが多く、実務的には実施しないことが多くなりました。契約方式を検討するときは、一般競争入札とするか、随意契約とするかを判断することになります。

 

契約方式の判断は、契約手続きの中で最も重要です。実際に契約方式を判断する手順を具体例で解説します。

 

会計法令(財政法、会計法、予決令など)が適用される国の契約手続きでは、次の手順で契約方式を判断します。(地方自治体も考え方は一緒です。)

 

最初に、契約予定金額(参考見積書の税込金額)が、随意契約の範囲内かどうか確認します。つまり予決令第九十九条を適用できるか検討します。例えば物品購入契約は、予決令第九十九条第一項第三号に該当するので、税込み金額で160万円以下かどうかを判断します。

 

予算決算及び会計令(予決令)

第九十九条  (略)随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。

三  予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき。

地方自治体は、地方自治法施行令 第百六十七条の二で同様に規定しています。

 

(参考 予決令の上位の会計法)

会計法

第二十九条の三 契約担当官等は、売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合においては、(略)公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。

○5 契約に係る予定価格が少額である場合においては、第一項の規定にかかわらず、政令(上記の予決令)の定めるところにより、指名競争に付し又は随意契約によることができる。

 

 

予決令第九十九条を適用できるなら、随意契約が可能です。見積もり合わせで契約の相手方を決定します。見積もり合わせによる契約は、少額随意契約といいます。

 

ただし、契約の相手方となる販売会社が1社しか存在しない場合は、競争性がない随意契約になります。予決令第九十九条は適用できず、予決令第百二条の四第一項第三号に基づく競争性のない随意契約です。競争性がないことを示す選定理由書(機種選定理由書、業者選定理由書)を作成します。

 

予算決算及び会計令

第百二条の四 各省各庁の長は、契約担当官等が(略)随意契約によろうとする場合においては、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

三 契約の性質若しくは目的が競争を許さない場合(略)において、随意契約によろうとするとき。

 

これらの随意契約に該当しないと判断すれば、一般競争入札になります。

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契約方式を判断する根拠法令

 

契約方式を判断するときは、次の根拠法令に基づいて順番に判断します。契約手続きの中で一番多い物品購入契約の例です。

 

1.予算決算及び会計令 第九十九条に該当するか
(少額随意契約)

 

2.予算決算及び会計令 第百二条の四第一項第三号に該当するか
(競争性のない随意契約)

 

3.上記の随意契約に該当しなければ一般競争入札

 

一般競争入札の根拠法令は、会計法第二十九条の三第一項です。一般競争入札は、一般競争契約や公開入札ともいいます。

会計法

第二十九条の三 契約担当官等は、売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合においては、第三項(指名競争契約)及び第四項(随意契約)に規定する場合を除き、公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。

 

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契約締結までの入札手続きの流れ

 

入札手続きは、資料集めや書類作成にかなりの時間が必要です。随意契約でなく一般競争入札になりそうなら、早い時期から資料集めを開始します。入札公告を公開するまでに最低でも1ヶ月以上必要です。

 

契約締結までの入札手続きの流れ

 

1.参考見積書、カタログや定価表などの資料収集

 

2.既製品(カタログ製品)などで機種を指定する場合は、機種選定委員会を設置し、機種選定理由書を作成

 

3.仕様書作成

 

4.入札説明書、入札公告の掲載準備(現在はインターネットでの公告が一般的ですが、事前に入札伺いの決裁が必要です。)

 

5.予定価格調書を作成

 

6.開札して落札者を決定し、契約書を取り交わし

 

通常、契約を締結するまでに1ヶ月以上必要です。繁忙期は、日常業務の合間に資料を集めたり書類作成を行なうので、3ヶ月くらい前から準備すると慌てずに進められます。平均すると一般競争入札は契約締結までに2ヶ月くらい必要です。

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競争性のない随意契約、入札が不可能な場合

 

特許権や著作権などの知的財産権を有する物品調達の場合や、入試問題の印刷で仕様書を公開できないときなど、一般競争入札が不可能なときは随意契約になります。しかし現在は、競争性を排除した随意契約は、問題視されることが多いです。可能な限り一般競争入札を行います。

 

競争性がないと判断するためには、それを証明する書類が必要です。会計検査院なども、なぜ入札できなかったのか、という視点で実地検査を行います。誰もが納得する合理的な資料を保存する必要があります。

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指名競争入札のリスク

 

あらかじめ数社を指名して実施する指名競争入札は、業者との癒着や談合のリスクが高くなるので実施しない方が安全です。契約を締結した後に、指名業者の選定基準(指名基準)が問題になることが多いです。指名競争入札の契約手続きは、一般競争入札と同じなので、あえて指名競争入札を実施するメリットはありません。

 

随意契約、あるいは一般競争入札

 

これが、現在の契約方式の考え方です。

 

たとえ契約の相手が1社しか存在しないと想定されても、合理的な(誰もが納得する)理由と、それを証明できる書類がない限り、一般競争入札を実施する方が安全です。随意契約が可能なものを一般競争入札にかけても文句は言われません。逆に、一般競争入札できるものを随意契約したとなれば、批判されるだけです。

コメント

  1. カミンカス内田 より:

    大変解り易いですね。

    再開発事業 契約 で検索していたら ココにきてしましましたが、参考に
    なりました。

    行政との契約はここにしばしばお世話になるかもしれません。
    寄付して、質問すかもしれませんが
    よろしくお願いいたします。

    • 矢野雅彦矢野 雅彦 より:

      管理人です、コメントありがとうございました。

      こちらこそ、よろしくお願いします。

  2. ヤマウチ より:

    役所向けの内容は、堅苦しい言い回しで、理解するのに苦労しますが、本サイトの説明は大変分かりやすく、参考にしています。
    少額随意契約について、購入なら160万、役務なら100万という線引きがありますが、例えば「エアコン更新」といったエアコン本体(物)と取付工事費(人件費)が一契約に混じっている場合は、160万か100万のどちらで判断するのでしょうか。

    • 矢野雅彦矢野 雅彦 より:

      管理人です、コメントありがとうございました。

      「エアコン更新」のように、エアコン本体(物品)と取付工事が、ひとつの契約に含まれている場合は、それぞれの金額の割合で判断します。

      契約手続きに入る前に、参考見積書を提出してもらい、金額の内訳を確認します。

      例えば、合計金額が150万円で、内訳が、本体120万円、据付工事費30万円であれば、「購入契約」と判断します。

      また、少し想定が難しいですが、もし仮に、本体30万円、据付工事費120万円であるとすれば、「工事契約」と考えます。エアコンを特殊な場所(高所や地下深くなど)へ設置するための、電気工事や建築工事の契約などが考えられます。

      役務契約は、「新しい物品を設置したり、配線・配管などを敷設する契約」でない場合です。人が、何かの作業を行うだけの契約です。典型例は、清掃、警備、物品の修理、保守契約です。

      エアコンの更新であれば、「購入契約」か「工事契約」です。通常、役務契約には該当しません。新しいエアコンの設置、配線・配管を敷く契約だからです。

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