入札と随意契約を判断する方法、予決令に基づく契約方式決定の流れ

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入札か随意契約か、契約方式を判断する方法についての解説です。官公庁が契約方式を判断するための具体的な手順です。契約方式の原則は一般競争契約(入札)です。例外として指名競争契約と事務簡素化を目的とした随意契約が認められています。随意契約が可能か入札手続きになるのか、根拠法令を基に判断する方法をくわしく解説します。

契約方式決定の流れ

 

官公庁の契約手続きは、一般競争契約(入札)が原則です。しかし入札手続きは、契約を締結するまでに数ヶ月を必要とし、煩瑣な事務処理になるため、高額な契約に限られています。実際の契約実務では、一件あたりの契約金額が100万円に満たない少額な随意契約がほとんどです。100万円を超えそうな高額な契約が予定されるとき、随意契約とするか、入札とするか、根拠法令を参照しながら契約方式を検討します。契約方式は、予算決算及び会計令(予決令・・よけつれい)に基づいて判断します。判断するための手順をくわしく解説します。

 

最初に、参考見積書を取り寄せます。この見積金額が、およその予定価格になります。予決令第九十九条を適用して随意契約が可能か確認します。事務簡素化を目的とした少額随意契約を適用できるかを最初に検討します。

 

予算決算及び会計令

第九十九条  (略)随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。

(略)
三  予定価格が百六十万円を超えない財産を買い入れるとき。
(略)

 

上述は物品購入契約の場合ですが、製造契約や請負契約など、この他の契約でも予決令第九十九条で定めている範囲内であれば随意契約が可能です。条文の中の「予定価格」は、最初の段階では、参考見積書の税込み合計金額です。また「百六十万円を超えない」という表現は、「百六十万円以下」という意味です。「超えない」という表現は、「ふみこえない」と読むと理解しやすいです。予決令第九十九条に該当しないときは、入札手続き(一般競争または指名競争)になります。

 

予決令第九十四条は、指名競争契約が可能となる金額の範囲が記載されています。指名競争契約は、指名基準が後日問題になることがあります。現在は、指名競争契約よりも一般競争契約(公開入札)の手続きが一般的に行なわれています。

 

参考として、上記、予決令第九十九条第一項第三号の「財産を買い入れるとき」(購入契約)について、随意契約可能な金額と指名競争契約可能な金額を比較します。

 

随意契約  百六十万円以下(予決令99-1-3)

指名競争契約 三百万円以下(予決令94-1-2)

 

指名競争契約(指名入札)は、一般競争契約(公開入札)と事務手続きがほぼ同じです。事務簡素化のメリットもないので、あまり実施しません。指名競争契約は実施するメリットがなく、むしろ指名基準が後日問題になることがあるので避けた方が安全です。

 

契約方式を判断する順番は、予算決算及び会計令で次の条文を参照します。

 

  1. 第99条(少額随意契約)
  2. 第94条(指名競争契約)
  3. 第70条(一般競争契約)

 

契約手続きの原則は一般競争契約です。しかし実際の契約実務では、事務簡素化の観点から、少額随意契約(指名競争契約)が可能かどうかを最初に判断します。少額随意契約が適用できなければ入札手続きです。

 

競争性のない随意契約

 

随意契約は、大きく分類すると、事務簡素化を目的とした「少額随意契約」と「競争性のない随意契約」の二つがあります。

 

上述の予算決算及び会計令第九十九条に該当する随意契約は、競争性のある随意契約です。事務簡素化の観点から一定金額以下の契約を随意契約可能とするものです。通常、「少額随意契約」と呼ばれています。(官公庁の業界用語です。)

 

一方、「競争性のない随意契約」は、契約先が1社に限定される場合です。特許権などによって排他的に独占販売権を有する会社と契約するケースです。根拠法令は、予決令第百二条の四第一項第三号です。

予算決算及び会計令

第百二条の四  各省各庁の長は、契約担当官等が指名競争に付し又は随意契約によろうとする場合においては、あらかじめ、財務大臣に協議しなければならない。ただし、次に掲げる場合は、この限りでない。

(略)

三  契約の性質若しくは目的が競争を許さない場合又は緊急の必要により競争に付することができない場合において、随意契約によろうとするとき。

 

実務上は、契約先が1社であることを証明する書類が準備できないときなど、あえて一般競争入札手続を行い、開札の結果、1社入札として契約を締結することが多いです。最初から競争性を排除した随意契約よりも、競争性を確保した入札手続きを実施し、結果的に1社入札とした方が、対外的な説明責任を果たすことができ安全だからです。契約手続きの基本原則に基づいた公平・公正な手続きです。

 

随意契約の根拠法令が重複したとき

 

随意契約には次のとおり2つの条文があります。

 

少額随意契約・・予決令第九十九条

競争性のない随意契約・・予決令第百二条の四第一項第三号

 

少額随意契約と競争性のない随意契約が重複した(両方の条文に該当した)場合は、どちらの根拠法令によるか迷うことがあります。

 


予定価格90万円の特許製品の購入契約で、製造・販売店は世界に1社しか存在しないとき(代理店なども存在せず、その会社と直接契約するしか方法がないケースです。)

 

この場合は、予決令第九十九条第一項第三号(160万円以下)と予決令第百二条の四第一項第三号(競争を許さない場合)の両方の規定に該当するように見えます。しかし予決令第九十九条は、競争性のある少額随意契約を想定しています。予決令第九十九条の六を見ると、2社以上の見積書を取ることが前提になってます。

 

予算決算及び会計令

第九十九条の六  契約担当官等は、随意契約によろうとするときは、なるべく二人以上の者から見積書を徴さなければならない。

 

予決令第九十九条の随意契約は、2社以上の見積書を取り寄せることが可能な、競争性のある随意契約です。

 

競争性のない随意契約は、予決令第百二条の四第一項第三号(102-4-3)が適用され、競争性がないことを証明する書類と随意契約理由書が必要になります。

 

つまり、競争性のない随意契約は、金額に関係ありません。そして根拠法令は、予決令第百二条の四第一項第三号(102-4-3)になります。上述の例、90万円の特許製品は、こちらが根拠法令です。

 

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