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契約手続き

見積書の依頼など発注業務で注意したいこと、大切な人を守るための知識

発注業務で注意したいこと 契約手続き
発注業務で注意したいこと
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見積書を取り寄せたり、民間企業へ何かを依頼する発注業務を担当するときに注意したいことです。官公庁では、会計法令で定められている契約手続きを無視してしまうと、違法行為になってしまうことがあります。「自分には関係ない」と思っていても、犯罪に巻き込まれるリスクがあり、かなり危ないです。大切な人を守るためにも、理解しておきましょう。

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身近にある「違法な契約手続き」

 

民間企業同士の取り引きとは異なり、官公庁との取り引きでは、会計法令を逸脱すると法令違反の事件が発生するリスクがあります。「自分は悪いことをしていない」と思っていても、周りの人が起こした事件に巻き込まれてしまうことがあるのです。官公庁特有のリスクを理解して、自分や大切な人を守りましょう。

 

官公庁の業務でリスクが発生しやすいのは、民間企業との取り引き、つまり発注業務です。発注業務とは、代金を支払うような契約を、民間企業へ依頼することです。物品や工事の発注、清掃や警備などの役務契約を発注することです。民間企業へ発注した内容が履行されれば契約代金を支払います。この発注業務は、見積書の依頼などの準備段階から始まります。

 

見積書の依頼などは、契約実務担当者だけでなく、あらゆる現場の人が担当しています。契約担当係とは関係ない人たちが発注業務を行っています。金額の小さな契約は、一般的に現場の人たちが行います。契約専門の係は、入札対象になるような金額の大きい契約だけを担当することが多いです。そのため契約専門の係に所属していないと、正しい契約手続きを学ぶ機会がありません。そこで官公庁で働く人全員を対象に、契約手続きの中で重要なポイントをまとめました。

 

官公庁における違法な契約手続きは、主に次のようなものがあります。

 

官公庁における違法な契約手続き

 

◯特定の業者へ発注業務を繰り返すこと

 

◯特定の業者が安くなるよう書類を揃えること

 

◯入札手続きに該当する大きな契約を分割して、少額随意契約とすること

 

◯ 秘密扱いの予定価格や入札情報を、特定の業者へ事前に漏らすこと

 

違法な契約手続きは、会計法令や規則などを無視して、特定の業者のみを有利に扱うことです。価格競争や入札手続きを回避するために書類を偽装したり、特定の業者が落札できるよう事前に有利な情報を与えてしまうのです。

 

特定の業者を有利に扱う目的は、賄賂を現金で受け取るような悪質事件だけでなく、単に安心できる業者を選びたいと思って、軽い気持ちで行うものまで様々です。

 

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違法な契約手続きは人生を壊してしまう

 

テレビや新聞などで、予定価格の漏洩、談合や贈収賄事件などで官公庁の職員が逮捕されるニュースがときどき報道されます。また競争入札を逃れるために、分割して少額随意契約したなどの違法な契約手続きの報道も多いです。

 

「自分には関係ない」と思っているかもしれませんが、官公庁で発注業務を担当していれば、常に危険性が潜んでいます。正しい契約手続きを理解していないと、知らない間に違法な契約手続きを行ってしまいます。

 

自分には悪意がなく、知識が不足していて、ほんとに知らないで行ったことであっても、逮捕されてしまうことがあるのです。例えば公開前の入札情報(予定価格や調達内容)を、事前に特定の業者へ話してしまえば違法行為です。もし外部から通報されれば逮捕されてしまうでしょう。そうなれば懲戒免職になり、本名がテレビや新聞などへ公表されてしまいます。実名で報道されれば、住む場所まで奪われてしまいます。しかも自分だけでなく、家族全員の人生も破壊してしまうのです。

 

 「官公庁で働く」ということは、国民の血税を使うことです。公平性と公正性が最重要です。法令や規則に従って税金を使わないと、大変なことになってしまうのです。官公庁で働く誰もが注意しなくてはならないのです。

 

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金額別の契約方式を確認しておく

 

発注業務を担当することになったときは、最初に契約手続きの概略を把握します。官公庁は、契約予定金額によって手続きが分かれています。入札しなければならないもの、随意契約できるものを、根拠法令と一緒に整理しておくことが重要になります。

 

官公庁の契約の種類は大きく区分して、工事契約、製造契約、物品購入契約、役務契約があります。実際には、この他に運送契約や売払い契約など、それぞれの官公庁独自の契約が存在します。これらの契約の種類ごとに「契約手続きの一覧表」を作成しておきます。

 

物品購入契約について、国と地方自治体の記載例です。必ず根拠法令も一緒に記載しておきます。また担当部署も明記しておくとわかりやすいです。金額は、契約予定金額、つまり参考見積書の金額です。(およその金額なので、口頭でも書面でも構いません。)

 

契約手続き一覧表(国の場合)

 

◯物品購入契約

 

50万円以下 1社のみの見積書で契約可能(◯◯省◯◯規則) 現場で担当

 

160万円以下 3社による見積もり合わせ(予決令 99-3) 契約係担当

 

160万円を超える 一般競争入札(会計法 29-3-1) 契約係担当

 

 

契約手続き一覧表 (地方自治体 市町村)

 

◯物品購入契約

 

30万円以下 1社のみの見積書で契約可能(◯◯市規則) 現場で担当

 

80万円以下 3社による見積もり合わせ(地方自治法施行令 167-2-1) 会計係担当

 

80万円を超える 一般競争入札(地方自治法 234) 会計係担当

 

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無理な発注はしない、法令優先、遅れても止むを得ない

 

違法な契約手続きが起こる背景には、「簡単に契約したい」、あるいは「気心の知れた安心な会社へ依頼したい」という動機が多いです。稀な悪質な動機としては、「私腹を肥やしたい」ために賄賂を受け取ることもあります。

 

賄賂を受け取るような悪質なケースは、悪いことを故意に行っているので言語道断ですが、「簡単に契約したい」という思いから、違法な手続きを行ってしまうことが割と多いです。

 

随意契約と一般競争入札では、手続きに必要な期間が10倍も違います。随意契約なら1週間で発注できるものが、一般競争入札なら2ヶ月もかかってしまうのです。そのため通常は、金額の大きなものしか一般競争入札は行いません。

 

つまり、「すぐに発注しなければならない」という状況は、違法な契約手続きが手招きしているようなものです。「一般競争入札を実施していたら間に合わない」と判断し、故意に契約を分割して随意契約することになってしまうのです。

 

 

発注担当者として絶対に守りたいことは、「無理な発注はしない」ということです。

 

 

上司や依頼元から、「いつ契約になるの?」 「まだ契約できないの?」 などと催促されたときは、進捗状況を正確に伝え、次のように回答します。

 

「今回の契約は、法令に則ってしか手続きできないので、発注までに2週間くらい必要になります。契約手続きが優先するのでご協力をお願いします。」

 

それでも、もし上司から「手続きは省略して良いから、すぐにやれ!」と言われたら、毅然と断ることが公務員としての基本姿勢になります。

 

 「すみません、私には法令を無視した仕事はできません。違法になることは行えませんので、他の方へ依頼してください。」

 

違法な指示をする上司に対しては、強い姿勢が重要です。関係書類をまとめて上司へ渡しましょう。(嫌な上司の下で我慢する必要はありません。すぐに人事異動できますよ。)

 

もちろん、国家公務員も、地方公務員も、上司の命令に従う義務があります。命令に従わなければ懲戒処分を受けます。しかし上司の命令は、法令や条例に違反していないことが大前提です。法律でも次のように明記されています。

 

国家公務員法

第九十八条 職員は、その職務を遂行するについて、法令に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

 

地方公務員法

第三十二条 職員は、その職務を遂行するに当つて、法令、条例、地方公共団体の規則及び地方公共団体の機関の定める規程に従い、且つ、上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。

 

そもそも法令や条例に違反した命令には、従う義務がありません。違法なことを無理にでもやれと命令するような上司に対しては、拒否する姿勢が大切です。そんなアホな上司についていく必要はありません。

 

もし、このようなアホな上司からの違法な命令に対しては、必ずメモを残しておきましょう。そして上司の上位職の人へ報告しましょう。(上位職の人へ報告しますと伝えましょう。

 

昔(1980年以前)は、上司の命令が絶対でした。例え法令に違反していても従うべきという考え方が一般的でした。しかし情報公開やインターネットが普及した現在は、様々な情報を持ち、職員ひとりひとりが正しい判断ができる時代になっています。昔は今と比べて格段に情報が少なかったので、より多くの情報を持つ上司の判断の方が正しいと考えられていたのです。インターネットもスマホもない時代でしたから、少ない情報では正しい判断ができなかったのです。

 

「入札手続きを行っていたら間に合わない」、「すぐに契約しなくてはいけない」という場合に、手続きを省略できるのは「緊急の必要性がある場合」のみです。「緊急の必要性」とは、人命や財産が危険にさらされている状況のときです。地震や台風、火災、豪雨被害などから国民を守る場合のみ入札手続きを省略できます。誰が見ても、すぐに契約しなければ命や財産が失われるときだけです。そして緊急性による随意契約は、法令でも明確に定められています。

 

予算決算及び会計令

第百二条の四 各省各庁の長は、契約担当官等が指名競争に付し又は随意契約によろうとする場合(略)

三 (略)緊急の必要により競争に付することができない場合において、随意契約によろうとするとき。

 

地方自治法施行令

第百六十七条の二 地方自治法第二百三十四条第二項の規定により随意契約によることができる場合は、次に掲げる場合とする。

五 緊急の必要により競争入札に付することができないとき。

 

人の命や財産が危険にさらされているなどの災害時を除き、契約手続きを省略することはできません。発注業務を担当するときは、必ず注意したい点です。

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