会計実務の危険な合理主義、3点セット(見積書、納品書、請求書)に注意

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会計書類を依頼するときの注意点

 

官公庁で会計実務を担当していると、見積書、納品書、請求書の3点セットを用意するよう指示されることがあります。

 

特に、ベテランの会計実務担当者は、支払手続きを進めるために、「3点セットでお願いします。」と書類の提出を依頼します。

 

「3点セット」という言葉に違和感のある人は、会計実務の基本的な考え方を持つ人です。しかし、残念なことに現在は極めて少数派になっていて、「3点セット」という言葉が当然のように使われています。書類さえ整えれば良い、という危険な合理主義です。

 

契約の取引相手である民間会社へ「3点セット」を依頼するときは、そのほとんどが、納品後の代金支払時に、会計実務担当者から不足書類を指摘され、見積書、納品書、請求書をまとめて依頼することになります。依頼された民間会社の営業担当は、官公庁との取引経験が浅ければ、「3点セット」の書類を、依頼された日付で作成してしまいます。

 

すると、困った事態が発生します。

 

納品後の日付で書類を作成し、見積書、納品書、請求書が同一の作成日になってしまうのです。

 

会計実務の正しい基礎知識がないまま、書類さえ整っていれば良いと考え、支払手続きを行なってしまいます。

そして、後日、外部の検査等で、書類の日付が取引事実と異なると指摘を受けることになります。

 

正しい書類の知識、見積書、納品書、請求書

 

見積書は、契約(発注)を行う前に、金額や内容を確認する目的で、民間会社から提出してもらう書類(契約の申込み書類)です。当然のことながら納品前に作成してもらう書類です。

 

納品書は、実際に物品等(消耗品も含む)を受け取った時点で、納品検収を行なうために、発注内容と現物が同一かどうか確認して、検収サイン(受け取りの日付と検収者のサインが必要、特に税務署の監査では必須)を記載するものです。

 

請求書は、納品検収が終わった後に提出してもらう書類です。代金支払の根拠となる書類です。

 

書類作成の正しい時期

会計実務では、これらの時系列の流れを意識して、事務処理を行なうことが重要です。

 

見積書 → 納品書 → 請求書

 

特に、実際の取引どおり、時系列に沿って書類を提出してもらわないと、契約手続きが適正に行われたとは看做されません。

 

取引相手である民間会社の売上台帳などの帳簿と、官公庁側の会計手続き書類の日付が合致せず、後日、(日付操作などで)問題となることがありますので注意が必要です。

 

年度末などに、日付を操作してしまうと、不適切な会計処理として、不正行為とみなされてしまうリスクもあります。

コメント

  1. 新人 より:

    管理人様
    いつも参考にさせていただいております。
    2点お聞きしたことがございます。

    ①見積書の形式について
    当方の部署では次のような形式でもらうように上司より指導を受けております。
    ・比較見積もりで不採用になった見積書・・・PDFのコピー
    ・比較見積もりで不採用になった見積書・・・原紙
    果たしてこれは正しいのでしょうか。

    ②日付について
    残念ながら、当方の部署では3点セットで依頼するよう上司より指導を受け
    これまで納品時に3点セット「見積書(原紙)」「納品書」「請求書」を契約依頼書の決裁日より後の同じ日付で貰っていました。
    今後は、

    見積書(発注前に郵送でもらう) → 納品書(納品時にもらう) → 請求書(納品後、検収完了してからもらう)

    のタイミングで日にちをずらして貰ったほうが良いのでしょうか。

    • 管理人 より:

      コメントありがとうございます、管理人です。

      ①について
      従来から実施しているのであれば問題ないと思います。

      PDFと原本の取り扱いについては、会計法令での定めはありません。100万円以下などの金額の少ない見積もり合わせ(比較見積もり)では口頭見積もり可能です。電話で見積もり金額を聞きメモすることもあります。そして一番有利な会社と正式契約するときに見積書原紙を提出してもらいます。おそらくPDFレベルで比較検討し、正式契約のときに原紙を提出してもらう取り扱いだと思います。

      ②について
      見積書、納品書、請求書の日付については、実際の日付で作成してもらいます。例えば、極端な例ですが、近くの販売店で小さな物品を購入し、その場で請求書を発行してもらえれば、見積書、納品書、請求書は同じ日になります。即納品は同日のことが多いです。

      発注から納品までに数日間必要なときは、見積書は発注日以前、納品書と請求書が同日のこともあります。

      いずれも、実際の日で処理します。事実と異なる作成日を指定すると「不正」になります。

      見積書=発注日以前

      納品書=納品日(購入日)

      請求書=検収確認後に提出してもらいます。

      取引相手の会社へ「請求書の提出は、当方での納品確認後に連絡があってから提出して欲しい」旨の協力依頼をしておくと効率的です。

  2. 新人 より:

    ※管理人様
    大変わかりやすい解説ありがとうございました。
    今後ともよろしくお願い致します。

  3. 新人 より:

    ※管理人様
    大変わかりやすい解説ありがとうございました。
    今後ともよろしくお願い申し上げます。

  4. 新人 より:

    ※管理人様

    ご回答誠にありがとうございました。

    >正式契約のときに原紙を提出してもらう取り扱いだと思います。
    こちらに関しては、根拠となる法令や勧告等はございますでしょうか。
    もしあればご教示いただけますと幸いです。