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契約手続き

仕様書の書き方をわかりやすく解説、少額随意契約の仕様書

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「見積もり合わせによる少額随意契約」を締結するときに作成する仕様書の解説です。一定金額以下の少額随意契約では、見積もり合わせを実施します。見積書を依頼するときには、契約内容や条件を明確にするため仕様書を提示します。少額随意契約の仕様書作成方法を具体例で解説します。物品購入契約の仕様書サンプル付きです。

 

仕様書を作成する前の注意点を次の記事でまとめました。ぜひ最初にご覧ください。

 

仕様書を作成する前に知っておきたい表現や記載方法
仕様書を書く前に知っておきたいことです。実際に仕様書を作成するときに、どのような表現で記述すれば良いのか、どこまで詳しく書く必要があるのか悩みます。仕様書は、相手に求める内容を書類としてまとめたものです。契約の中心になる書類です。

 

また一般競争入札に必要な仕様書は、次の記事をご覧ください。

仕様書の作り方をわかりやすく解説、一般競争入札の仕様書
官公庁の契約手続きに必要な仕様書の書き方です。入札を実施するときには必須の仕様書ですが、作成方法についての参考書は存在しません。そのため過去の書類を真似したり、悩みながら作成することになります。簡単に仕様書を作成できるよう解説します。
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少額随意契約の仕様書

 

官公庁が契約の相手方を選ぶ契約方式は、競争入札と随意契約があります。契約金額が高額なものは、原則として一般競争入札になります。

 

例外として、事務手続きを省略して業務を効率化できる少額随意契約が認められています。少額随意契約は、契約の種類ごとに、一定金額以下であることが条件になっています。例えば物品購入契約であれば、国の場合、予算決算及び会計令第九十九条により160万円以下、地方自治体の場合は、地方自治法施行令第百六十七条の二により、都道府県160万円以下、市町村80万円以下の金額です。各地方自治体で少額随意契約の範囲を定めています。入札手続きを省略した金額の小さい随意契約が、少額随意契約です。

 

少額随意契約を締結するときは、複数の会社(通常、3社)から見積書を取り寄せて、見積もり合わせを実施します。さらに契約金額が小さければ、見積もり合わせも省略して、少額随意契約することもあります。

 

 この解説では、少額随意契約を締結するときの仕様書の作り方をくわしく解説します。

 

少額随意契約の相手方を探すときは、契約を締結する前に見積書を取り寄せます。見積書を提出してもらうための依頼文書として、仕様書が必要になります。官公庁側が必要とする内容や契約条件をまとめた書面が仕様書です。仕様書は、見積書の提出を依頼するときの、契約条件という役割があります。

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仕様書に記載する項目

 

それでは実際に仕様書を作成してみましょう。ノートパソコンを1台購入する契約についての仕様書です。購入するノートパソコンの機種が既に決定しているものとします。

 

最初に、仕様書へ記載する項目を確認します。仕様書の主な項目は次のとおりです。WORDなどの文書作成ソフトを使い、A4の縦サイズで作成します。官公庁が使用する用紙のサイズはA4サイズが一般的に使用されます。

 

仕様書の主な記載項目

1.契約件名
2.目的及び用途
3.調達物品および内訳
4.納入期限
5.納入場所
6.納品検査・代金の支払
7.無償保証期間
8.その他の遵守事項
(1)運送・搬入・据付
(2)機密事項及び個人情報

 

それでは、仕様書に記載する各項目を解説します。

 

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契約件名

 

最初に、「契約件名」を設定します。件名とは、一連の書類手続きを示す名称のことです。日常の事務処理では多数の契約書類を扱うので、混乱しないように書類を区別するための名称を件名として記載します。

 

件名は、どのような名称にするか、特にルールがあるわけではありません。自分の好きな名称をつけることができます。他の契約と区別できるように、わかりやすく簡潔に表現します。ここではノートパソコンを例にします。

契約件名 ノートパソコン 1台

数量は、同じものを複数購入するのであれば、◯台や、〇セットとします。いろいろな種類の物品が含まれるときは、一式として、別紙で内訳を記載します。

 

この契約件名は、見積書、請書、納品書など、すべての書類で使用する「識別のための名称」になります。

 

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目的及び用途

 

購入しようとする物品の使用目的を簡単に記載します。使用目的によって、物品の内容が変わることがあります。「何のために買うのか」を簡単に書きます。どんなことに使うのかイメージできる内容で十分です。

 

会計課で日常業務に使用するノートパソコンです。

 

目的及び用途

◯◯省会計課では、省内のネットワークに接続したノートパソコンを使用して、会計業務を行っている。今回、業務を拡張するために、新しく会計業務に使用するノートパソコンを購入する。

 

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調達物品および内訳

 

購入する物品をすべて記載します。ここに記載してない物品は、納品対象になりません。カタログなどを調べて、本体以外にも必要なアプリケーションソフトや付属品なども明記します。また、接続用のケーブル類も含めます。

 

型式や性能を記載するときは、極力、メーカーサイトからコピーして貼り付けます。キーボードから手入力してしまうと、記載ミスなどのトラブルになります。特にメーカー名や型式などは、可能な限りコピーして作成します。

 

調達物品名および内訳

本体 NECパーソナルコンピュータ株式会社製 VersaPro J タイプVL 1台

本体の構成
CPU インテル Core i5-8265U プロセッサー (1.60GHz)
OS Windows10 Pro 64ビット
ディスプレイ 15.6型ワイド HD液晶(1366×768ドット)
メモリ 8GB (4GB×2)
内臓ディスク 256GB SSD
アプリケーションソフト Office Home & Business 2019
ACアダプタ、標準添付品一式

LANケーブル カテゴリー7 3m 1本

搬入、据付調整、配線、梱包資材の撤去 一式

ここて注意したい点は、実際に設置する場所へ行って、納品時の作業をイメージすることです。設置するスペースがあるか、ノートパソコンを動かすための電源コンセントとLAN接続口が近くにあるか調べます。設置場所は、必ず目で見て確認します。頭の中だけで想像していると、実際とは違うことがあります。特に設置する現場を見て、周りの人へ確認しておかないと納品日にトラブルになってしまいます。

 

契約を締結すると、納品時に検収(納品検査)を行います。納品を確認する検収では、ノートパソコンの電源を入れて動作確認もします。納品当日になって、電源コンセントが余っていなかったり、LANへ接続できないと、性能を確認できず検収不能になってしまいます。コンセントが余っていると思っていたら、納品時に誰かに使われていたなどはよくある失敗例です。周りの人へも「納品予定のパソコンで電源コンセント、LAN接続口を使う」ことを伝えておきましょう。もし電源やLANの接続口が近くにない場合は、納品日までに別途工事を実施します。

 

ノートパソコンの購入契約の中へ電源工事などを含めることも可能です。しかし契約金額が高くなってしまうことが多いです。一般的に考えても、電気工事やネットワーク工事は、専門業者の方が安いです。

 

メーカー名や型式の指定については、少額随意契約の場合、競争性が確保されていれば問題ありません。販売店が複数存在し、価格競争できる状態であれば機種を指定しても大丈夫です。上記のNEC製品であれば、代理店や販売店が多数存在し、競争性が十分に確保されています。(ただ官公庁によっては、機種選定理由書の作成を義務付けていることがあります。)

 

パソコンのOSは、マイクロソフト社のWindowsと指定しても、対応可能なメーカーや販売店が多数あります。販売できる会社が多数存在し、競争性が確保されていれば、メーカー名を指定できます。(政府調達協定に該当するような国際入札では、指定できないことがあります。国際入札は政策的な判断になるので、その時々の情勢や、各省庁の判断で内容が変わります。国際入札で銘柄などを指定するときは、必ず各省庁の担当係へ事前相談しましょう。

 

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納入期限

 

納入期日でないところに注意してください。納入期限は、「いつまでに納品してください」という期限です。納入期日とは異なります。納入期日と表記してしまうと、その日時しか納品できなくなってしまいます。

 

納品日には検収作業が必要です。もし納入期日と記載し、その日時に体調が悪くなり休暇になったり、急な会議等で検収ができないと、かなり悲惨な状況になります。(納品してもらった後、検収前に盗まれたら、どちらの管理責任か不明になってしまいます。また検収日が遅れれば、その分、契約代金の支払期限が早くなってしまうのです。)

 

納入期限と記載しておけば、その日以前であればいつでも納品可能です。双方で余裕のある納品日を調整して、自由に検収日を設定できます。早めに納品日を予定しておけば、急用で延期になっても問題ありません。必ず、納入期限と記載しましょう。通常、土日や年末年始、お盆時期、年度末などは除外した日を設定します。

 

また、納期という表記は絶対やめましょう。納入期限なのか納入期日なのかわかりません。納期は、意味不明の用語です。納期と書いてしまうと、トラブルの元になります。書かない方がましなくらいです。必ず納入期限としましょう。

 

納入期限 令和2年7月31日(金)

 

西暦(2020年)と和暦(令和2年)については、どちらでも問題ありません。ただ、ひとつの書類の中に、西暦と和暦が混在してしまうと非常に読みにくい書類になってしまいます。西暦と和暦はどちらかに統一します。昔から、官公庁が使用する書類は一般的に和暦を使用します。ただ元号が頻繁に変わるとわかりづらいです。2020(令和2)年7月1日のように、両方を併記する方法もあります。

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納入場所

 

納入場所は、なるべく具体的に記載します。建物が複数ある場合は、号館名や建物名、フロアーまで記載します。建物の名称が同じで、住所が複数あるときは住所も併記しましょう。階数、部屋番号も分かる範囲で記載します。納品場所によって見積金額が変わることもあります。実際に設置する場所を明記します。

納入場所

〇〇省 会計課 契約係
合同庁舎第2号館 3階312号室

 

わりと勘違いしてしまうことがあるのですが、納入場所には、必ず設置場所を記載します。納品日に行う検収作業では、契約担当者が必ず立ち会います。契約担当者が立ち会うので、納入場所を契約担当部署とする人もいますが、これは間違いです。二度手間になってしまいます。一度契約担当部署まで運搬し、その後に実際の設置場所まで持って行かせるのは、相手方へ負担を押し付けてしまいます。最初から、実際に設置する場所を納入場所欄へ記載すべきです。そして検収作業の時には、納入場所で待ち合わせし、関係者全員が納品に立ち合いながら検収作業を行います。

 

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納品検査・代金の支払

 

納品日には、必ず契約担当者が立会い、契約内容と現物を照合し確認します。この確認作業を、納品検査や検収(検査収納)、完了検査といいます。型式、数量、実際の動作確認を行います。一般的に「検収」といいます。

 

検収の実施については、事前に契約条件として義務付けておきます。納品時の検収を義務付けないと、不良品でも代金を支払うことになってしまいます。

 

納品検査・代金の支払

納品時には、発注者が指定する契約担当者が立ち会い、納品検査を行う。代金の支払は、納品検査完了後、適法な請求書を受理した後に1回で支払う。

 

検収は、必ず発注者側が行います。検収を忘れたり、省略してしまうと次のようなトラブルが発生します。検収しないと「責任の所在」が不明になってしまうのです。

 

◯物品がなくなった。
最初から納品されていなかったのか、納品後に誰かが持ち出したのか、あるいは盗まれたのか不明になります。

 

◯製品が動作しない。
そもそも欠陥品だったのか、納品後に発注者側の誰かが、過失(操作方法を間違えたり、別の場所で使おうと思い、運んでいる最中に落としたなど)で壊したのか不明です。

 

検収を忘れてしまうと、これらのトラブルが発生したときに、責任の所在(危険負担)がわからなくなってしまいます。販売会社を疑うことにもなります。また、盗まれる以外にも地震や暴風雨などで壊れることもあります。検収さえ完了していれば、販売会社側に責任がないことがわかります。トラブルが生じたときに、責任の所在を調査するなどの余計な手間が必要なくなります。

 

検収が完了すれば、所有権が官公庁側へ移転し、官公庁側へ管理責任も移ります。

 

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無償保証期間

 

通常の使用によって物品が故障した場合、無償で修理してもらう保証期間を定めます。一般的な無償保証期間は1年間です。製品によっては1年以内の保証期間のこともあります。

 

無償保証期間は必ず記載します。通常の使用で修理が必要になったときは販売会社が責任を負うことを明記します。ただし修理対象となるのは、通常の使用の場合のみです。一般的に考えられないような使い方、あるいは過失(落としたり、何かにぶつけたりしたとき)の場合は対象外です。別途有料で修理しなければなりません。

 

無償保証期間

物品の無償保証期間は、検査を完了した日から1年とし、当該保証期間中に生じた故障等については、発注者の故意又は過失による場合を除き、無償にて修理するものとする。

 

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その他の遵守事項

 

搬入設置時の注意事項や、機密情報(個人情報)の取り扱いなどを記載します。 契約の主要な部分には直接関係ないですが、万が一、トラブルが起きたときの責任などを明記しておきます。

 

その他の遵守事項

(1)運送・搬入・据付
運送・搬入・据付作業中、建築物、工作物等に損傷を与えた場合は、速やかに契約担当者へ連絡し、供給者の責任においてこれを原状に復すること。

(2)機密事項及び個人情報
契約の履行中に知り得た機密事項及び個人情報については、持ち出したり、他の目的に利用しないこと。機密事項又は個人情報の漏洩等が発生したことを知った場合には、直ちに契約担当者へ連絡し、供給者の責任において対応すること。

(3)その他、定めのない事項
この契約に定めのない事項について、これを定める必要がある場合は、発注者と供給者とが協議のうえ、定めるものとする。

 

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仕様書のサンプル

 

以上が少額随意契約の仕様書の書き方です。参考に上記の内容をまとめた仕様書の様式例です。コピーして自由にお使いください。レイアウトを見栄えよく整えれば、そのまま使用できます。

 

この仕様書は、一般競争入札以外で使用するものです。一般競争入札の場合には、特定の機種を指定せずに競争性を確保する目的から書き方が変わります。記載項目も多くなります。

 

仕様書(少額随意契約のサンプル)

1.契約件名 ノートパソコン 1台

2.目的及び用途

◯◯省会計課では、省内のネットワークに接続したノートパソコンを使用して、会計業務を行っている。今回、業務を拡張するために、新しく会計業務に使用するノートパソコンを購入する。

3.調達物品名および内訳

本体 NECパーソナルコンピュータ株式会社製 VersaPro J タイプVL 1台

調達物品名および内訳

本体 NECパーソナルコンピュータ株式会社製 VersaPro J タイプVL 1台

本体の構成
CPU インテル Core i5-8265U プロセッサー (1.60GHz)
OS Windows10 Pro 64ビット
ディスプレイ 15.6型ワイド HD液晶(1366×768ドット)
メモリ 8GB (4GB×2)
内臓ディスク 256GB SSD
アプリケーションソフト Office Home & Business 2019
ACアダプタ、標準添付品一式

LANケーブル カテゴリー7 3m 1本

搬入、据付調整、配線、梱包資材の撤去 一式

 

4.納入期限 令和2年7月31日(金)

5.納入場所

〇〇省 会計課 契約係
合同庁舎第2号館3階312号室

6.納品検査・代金の支払

納品時には、発注者が指定する契約担当者が立ち会い、納品検査を行う。代金の支払は、納品検査完了後、適法な請求書を受理した後に1回で支払う。

7.無償保証期間

物品の無償保証期間は、検査を完了した日から1年とし、当該保証期間中に生じた故障等については、発注者の故意又は過失による場合を除き、無償にて修理するものとする。

8.その他の遵守事項

(1)運送・搬入・据付
運送・搬入・据付作業中、建築物、工作物等に損傷を与えた場合は、速やかに契約担当者へ連絡し、供給者の責任においてこれを原状に復すること。

(2)機密事項及び個人情報
契約の履行中に知り得た機密事項及び個人情報については、持ち出したり、他の目的に利用しないこと。機密事項又は個人情報の漏洩等が発生したことを知った場合には、直ちに契約担当者へ連絡し、供給者の責任において対応すること。

(3)その他、定めのない事項
この契約に定めのない事項について、これを定める必要がある場合は、発注者と供給者とが協議のうえ、定めるものとする。

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