「特定調達」、「政府調達」、「国際入札」、いったい何が違う?

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入札
2014年 奈良
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「国際入札」についての解説です。国と地方公共団体等は、国際条約の「政府調達に関する協定」が適用されます。基準額を超える高額な契約を計画するときには注意が必要です。制定経緯や基準額の推移、「特定調達」と「政府調達」の違いの解説です。

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特定調達契約制度の「経緯」

 

「特定調達契約」は、昭和54年から始まった比較的新しい制度です。大規模な契約について、「政府調達に関する協定」という国際条約を適用した契約手続きを行うものです。「内外無差別原則(外国の企業の参入)」と「手続きの透明性(公開入札)」を基本理念としています。

 

国と地方公共団体(都道府県と大都市)、独立行政法人などが適用対象です。税金で運営している組織が対象になってます。官公庁の契約実務では、略称も様々で「政府調達契約」や「国際入札」なども同じ意味です。

 

主な制定経緯等をまとめました。

特定調達契約の「制定経緯」

 

1979年(昭和54年)4月 GATT(旧協定)により政府調達に関する協定が作成
中央政府による政府調達が対象、内国民待遇、無差別待遇

1979年(昭和54年)12月14日閣議決定

1980年(昭和55年)4月23日 国会承認

1980年(昭和55年)4月25日 協定受諾

1981年(昭和56年)1月1日施行「国の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令」中央政府が対象

1987年(昭和62年)8月「政府調達に関する協定を改正する議定書」国会承認、10月受諾

新協定(旧協定の改正ではなく、新たな協定の策定)
適用機関の拡大、サービスを含めることとなった

1994年(平成6年)4月「WTOを設立するマラケシュ協定
これが、現在(2019年)の「政府調達に関する協定」

1995年(平成7年)5月31日国会承認、1996年(平成8年)1月1日から発効。

1996年(平成8年)1月1日施行 「地方公共団体の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令」都道府県や大都市などの適用対象機関が大幅に拡大された。

 

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「特定調達」と「政府調達」の違い

 

官公庁が実施する契約手続きは、「一般競争入札」が原則です。その中でも、契約金額が大きいもの、一定額以上の契約手続きは、「国際入札」を実施しなければなりません。「国際入札」は、いろいろな呼び方があります。いずれも同じ意味です。主な呼び方と、なぜ、そのように呼ばれるようになったか解説します。

「特定調達契約」
これは、「国の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令」を根拠としています。第四条で、「特定調達契約」と定義しています。

国の物品等又は特定役務の調達手続の特例を定める政令

第四条 各省各庁の長又はその委任を受けた職員は、その事務につきこの政令の規定が適用される調達契約(以下「特定調達契約」という。)の締結が見込まれるときは・・

 

「政府調達契約」
こちらは、国際協定の名称から使われるようになりました。上記の制定経緯にも記載してあるように、いわゆる「政府調達に関する協定」から使われています。

 

いずれも同じ意味です。通常の入札に比べて、外国企業が参入できるように手続きが厳格に定められています。国際協定を受けて実施される手続きです。原文は英語のため解釈も難解です。本サイトでは、わかりやすいように「国際入札」と記載するようにしてます。

 

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適用対象となる「基準額」の推移

 

国や地方公共団体などが、大規模な契約を計画するときは、「特定調達契約」に該当するか検討が必要です。基準額を超えるものは適用対象です。基準額については、外務省のサイトで公表してます。地方公共団体等の基準額は、中央政府の2倍くらいです。

政府調達協定及び我が国の自主的措置の定める「基準額」及び「邦貨換算額」

 

(主なもの・・中央政府が締結する物品や役務契約の例)

1998(平成10)年度 ~ 2001(平成13)年度 2,100万円以上

2014(平成26)年度 ~ 2015(平成27)年度  1,300万円以上

2016(平成28)年度 ~ 2017(平成29)年度 1,600万円以上

2018(平成30)年度 ~ 2019(令和元)年度 1,500万円以上

令和元年度(2019)を例にすると、地方政府は3,000万円以上、その他の機関は1,900万円以上です。細かく定められているので、最新の情報を上記外務省のサイトで確認しましょう。

 

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入札公告期間の長期化

 

通常の「一般入札」と「特定調達契約」の主な相違点です。

 

一般の入札手続きは、入札の前日から起算して10日前に公告可能です。特定調達契約では、入札の前日から起算して「40日前に官報により公告」と制限が厳しいです。

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郵便入札は禁止できない

 

一般の入札では、郵便による入札を禁止できます。しかし、特定調達契約では郵便による入札を禁止できません。外国の企業が入札へ参加できるようにしてます。また、随意契約できるケースが厳しくなってます。

 

その他、特定調達契約では、次の手続きが必要ですので留意しましょう。

 

落札者の公示(72日以内)、落札決定通知(7日以内)、契約の記録、苦情処理職員の指定、統計、特定銘柄の禁止

 

その他、各省庁や組織により取扱いが異なります。契約金額が高額になりそうなときは、事前に担当部署へ確認しましょう。

 

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「不落随意契約」は行わない

 

特定調達契約は、アクションプログラムや、自主的措置と呼ばれる独自手続きによって、いろいろな制約が定められています。組織によって異なります。いずれも「海外企業が広く参加できるよう」定めたものです。いくつかの例を紹介掲載します。

再度入札の繰り返し(不落随意契約は行わない。)

入札公告期間を40日以上から50日以上に延期

納入期間の長期化・・輸送期間3ヶ月+製造期間

随意契約部内審査体制の強化
随意契約の公表
技術仕様の設定の簡略化(必要最小限とする)

例示として外国製品銘柄の使用
外国製品の調達を拡大するよう配慮

政府調達相談窓口設置

 

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対象となる「役務契約(サービス)」の内容

 

役務契約については、付表5(サービス)として列挙されています。しかし、抽象的な表現なので注意が必要です。

改正協定附属書I付表5に掲げるサービス及び付表6に掲げる建設サービス

 

CPC分類表の全てが政府調達の対象ではなくて、上記の付表に記載されているものだけが対象となるので注意が必要です。


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