旅費法の「キロ数」(距離数)がわからない、簡単にまとめた解説

スポンサーリンク
出張旅費
2014年 奈良
出張旅費

旅費法(国家公務員等の旅費に関する法律)では、キロ数(距離数)によって判断する条文がいくつかあります。しかし判断する方法が、それぞれ異なっています。キロ数は、片道なのか、往復なのか、よくわからずに実務上悩むことがあります。そこで旅費法のキロ数に関係する条文について、わかりやすく簡単にまとめました。

 

スポンサーリンク

キロ数に基づく「旅行日数上限」

 

国家公務員等の旅費に関する法律

第八条 旅費計算上の旅行日数は、第三項の規定に該当する場合を除く外、旅行のために現に要した日数による。但し、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り要した日数を除く外、鉄道旅行にあつては四百キロメートル、水路旅行にあつては二百キロメートル、陸路旅行にあつては五十キロメートルについて一日の割合をもつて通算した日数をこえることができない。

 

この条文は、旅行日数の上限を定めたものです。原則的な旅費の考え方は、「出張に必要な日数に基づき旅費を計算する」ものです。実際に用務がある日については、この条文は関係ありません。用務がない日の日数については、上限日数を超えることができません。つまり通常の出張であれば、この条文によって制限を受けることはありません。

 

この条文の制限を受けるケースは、出張中に、遊び(観光)を入れようとして、用務がないのに、余計に宿泊したりする場合です。出張のついでに遊びに行くような場合に制限が課されるものです。普通に真面目に出張する人は関係ないです。

 

スポンサーリンク

キロ数に基づく「特別急行、普通急行」の支給可否

 

国家公務員等の旅費に関する法律

第十六条 鉄道賃の額は、次の各号に規定する旅客運賃(以下この条において「運賃」という。)、急行料金及び特別車両料金並びに座席指定料金による。

2 前項第二号に規定する急行料金は、次の各号の一に該当する場合に限り、支給する。
一 特別急行列車を運行する線路による旅行で片道百キロメートル以上のもの
二 普通急行列車を運行する線路による旅行で片道五十キロメートル以上のもの

3 第一項第四号に規定する座席指定料金は、特別急行列車又は普通急行列車を運行する線路による旅行で片道百キロメートル以上のものに該当する場合に限り、支給する。

 

○国家公務員等の旅費に関する法律の運用方針について

急行料金は一の急行券の有効区間ごとに計算するものとする。この場合において、普通急行列車を運行する線路による旅行で普通急行列車の客車の全席が座席指定となつている場合には、普通急行料金と座席指定料金の合計額を急行料金として支給するものとする。

 

旅費を計算するとき、この条文を頻繁に使うことになります。「特別急行料金、普通急行料金を支給できるか」判断するための条文です。この条文のキロ数は、実際に列車が運行しているキロ数です。出張先までの片道キロ数ではありません。

 

例えば、目的地まで片道 150 キロの出張だとしても、特別急行列車の運行区間が、90 キロしかなければ、(100キロ以上ないので)特別急行料金は支給できません。上記の運用方針に「急行料金は一の急行券の有効区間」と記載してあるとおりです。片道150 キロのうち、70 キロと80キロの区間で特別急行が走っていても支給できません。(新幹線も特別急行列車です。)

 

普通急行列車も同じ考え方です。片道 150 キロ の出張だとしても、その中で普通急行列車が走っている区間が、40 キロ であれば、(50キロ以上ないので)普通急行料金は支給できません。

 

スポンサーリンク

キロ数に基づく「日当の減額」

 

国家公務員等の旅費に関する法律

第二十条 日当の額は、別表第一の定額による。
2 鉄道百キロメートル未満、水路五十キロメートル未満又は陸路二十五キロメートル未満の旅行の場合における日当の額は、公務上の必要又は天災その他やむを得ない事情に因り宿泊した場合を除く外、前項の規定にかかわらず、同項の定額の二分の一に相当する額による。

 

旅費法第二十条のキロ数は、目的地までの往復距離です。目的地で巡回する距離は含まれません。比較的に近い旅行であれば、日当を減額するという趣旨です。日帰りで、近い距離の出張旅費は、日当が半分に減額されます。

 

スポンサーリンク

キロ数に基づく「日額旅費」

 

国家公務員等の旅費に関する法律

(在勤地内旅行の旅費)
第二十七条 在勤地内における旅行については、左の各号の一に該当する場合において、当該各号に規定する額の旅費又は当該旅費を基準とする日額旅費に限り、支給する。

一 旅行が行程八キロメートル以上又は引き続き五時間以上にわたる場合には、別表第一の日当定額の二分の一以内において財務省令で定める基準に従い、各庁の長が定める額の日当

 

国家公務員等の旅費支給規程

(在勤地内旅行の旅費)
第九条 法第二十七条第一号に規定する基準は、左の各号に掲げるものとする。

一 旅行が、行程八キロメートル以上十六キロメートル未満の場合又は引き続き五時間以上八時間未満の場合には、日当の定額の三分の一に相当する額(その額に一円未満の端数があるときは、その端数に相当する額を控除した額)

二 旅行が、行程十六キロメートル以上又は引き続き八時間以上の場合には、日当の定額の二分の一に相当する額(その額に一円未満の端数があるときは、その端数に相当する額を控除した額)

 

「在勤地」とは、在勤官署から半径八キロメートル以内の地域です。旅費法第二条で定めています。

 

この旅費法第二十七条第一号のキロ数は、「移動距離すべて」です。往復の距離だけでなく、巡回するときの距離も含まれます。注意したいのは「行程が八キロメートル未満のときには、旅費としては、何も支給されない」ことです。交通費も日当も支給されません。旅費法の対象外になります。

 

しかし実際には、八キロメートル未満の旅行でも、交通費が必要になります。八キロメートルの距離は、山手線なら新宿駅から東京駅ほど離れています。歩くのは至難の業です。通常は電車やバスを使い、交通費が必要です。そのため八キロメートル未満の旅行のときには、旅費としての支給ではなく、チケット代などを物件費として支払うことになります。回数券を使ったり、自分で先に立て替えてチケットを購入することが多いです。チケット代を立替払いとして後日請求するのが一般的です。

 

スポンサーリンク

在勤地以外の同一地域内の旅費

 

国家公務員等の旅費に関する法律

(在勤地以外の同一地域内旅行の旅費)
第二十八条 在勤地以外の同一地域内における旅行については、鉄道賃、船賃、車賃、移転料、着後手当及び扶養親族移転料は、支給しない。但し、左の各号の一に該当する場合においては、当該各号に規定する額の旅費を支給する。
一 鉄道百キロメートル、水路五十キロメートル又は陸路二十五キロメートル以上の旅行の場合には、第十六条、第十七条又は第十九条の規定による額の鉄道賃、船賃又は車賃

 

この規定は、第二十条の距離数と同じく、キロ数は往復距離です。

 

スポンサーリンク

キロ数に基づく「移転料の減額」

 

国家公務員等の旅費に関する法律

第二十八条第一項(在勤地以外の同一地域内旅行の旅費)
三 赴任を命ぜられた職員が、職員のための国設宿舎に居住すること又はこれを明け渡すことを命ぜられ、住所又は居所を移転した場合には、別表第一の鉄道五十キロメートル未満の場合の移転料定額の三分の一に相当する額(扶養親族を随伴しない場合には、その二分の一に相当する額)の移転料。

 

移転料は、いわゆる「引っ越し代」です。当然ながら、片道の距離数で判断します。


本サイトの「電子書籍」販売中!


「見積書って、どうやって依頼するの?」

「予定価格の作り方が、全然わからない!」

「どうやったら仕事が覚えられるのだろう?」


初めて担当する仕事は、わからないことばかりです。


例えば、新人のときは、見積書を取り寄せるだけでも、大変な仕事です。何しろ、中学や高校では何も教えてくれませんでした。


上司から「見積書を取り寄せてください。」と指示されても、初めて経験することであれば、どのようにすればよいか、全くわかりません。
会計法令では「見積書が必要」と定められていても、では実際に、どのように手続きを進めれば良いかわからないのです。電子メールで依頼するのか、電話で依頼するのか、依頼文の内容はどう書けば良いのかなど、具体的なことがわからないのです。


本書籍は、これらの実務上の疑問を解決するための書籍です。「実務経験者が実務担当者向け」に、わかりやすく具体的に解説しています。40年間の実務経験を集約し、実例を用いながら解説しました。実際の書類作りのノウハウを、すぐに学ぶことができます。ノウハウを学ぶことで、仕事を早く理解できるようになり、わからない仕事が少なくなります。


官公庁(役所)で働く人や、官公庁向け営業担当者に役立つ書籍です。


誰でも、初めての仕事は不安なものです。「経験がなく」知識が不足するため不安になります。知識として「書類の作り方」を知っていれば、不安になりませんし、ミスもしません。経験に基づく知識は学ぶことができます。書類作りをマスターすれば、仕事に追われることがなくなり、余裕が生まれてきます。そして毎日が楽しくなってきます。さらに同僚や上司からも信頼され、友人まで増えてきます。


本書籍は、官公庁の会計実務について、いろいろな視点から解説しています。わずか数分のスキマ時間だけで、しっかりと学ぶことができます。 なお紙の書籍は、印刷経費が高くなってしまうので、販売していません。多くの方へ、安くお届けしたいので、電子書籍のみです。


「わからない!」そう思ったときが学ぶチャンスです。疑問などは、ひとつひとつ解決しましょう!迷っている時間さえ、もったいないです。さあ、すぐに始めましょう!


電子書籍のくわしい内容(目次など)については、こちらに記載してあります。本サイトの「電子書籍」



誰も教えてくれない官公庁会計実務1,250円


官公庁会計実務の基礎用語 980円


スポンサーリンク
誰も教えてくれない官公庁会計実務

コメント

タイトルとURLをコピーしました