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出張旅費

旅費法の新幹線とは、急行料金のキロ数の考え方、旅費計算の基本原則

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出張で新幹線に乗る 出張旅費
出張で新幹線に乗る
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旅費計算に必要な新幹線、急行料金のキロ数の考え方、旅費計算の基本原則です。旅費法に基づく旅費計算では鉄道賃が多いです。旅費担当になって最初の頃は新幹線料金がどれに該当するのかもわかりません。急行料金が支給できるキロ数の判断がむずかしいです。

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旅費計算の基本は交通費

 

旅費法(国家公務員等の旅費に関する法律)に基づいて出張旅費を計算するときの基本パターンは、交通費+日当+宿泊料です。日当と宿泊料は定額支給です。料金の計算が必要な部分は、電車や飛行機などを使う交通費部分です。

 

交通費は、主に鉄道賃と航空賃です。稀に船やバスもありますが鉄道賃と航空賃が多いです。中でも利用頻度の多い新幹線についてわかりやすく解説します。

 

参考に、航空賃といいますが、飛行機賃とはいいません。飛行機と航空機の違いを簡単に説明します。飛行機は、ジェット機を意味します。航空機は広い意味で、飛行機の他にヘリコプターやグライダーなども含みます。つまり飛行機は航空機の一部です。旅費法では、飛行機代は航空賃と記載しています。ジェット機の他にヘリコプター代金などもあるからです。航空賃の方が広い意味です。

 

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電車に乗らない自分が旅費担当?

 

私は、田舎の高校を卒業して東京へ上京しました。そして、すぐに就職しました。高校を卒業して社会人になったため、あまり電車を利用した経験がありませんでした。新幹線に乗ったのは、高校の修学旅行だけです。団体旅行なので自分で新幹線のチケットを買ったこともありませんでした。

 

そもそも田舎では、ほとんど車で移動していました。家族か知人が運転する車で移動するのが普通でした。近い場所であれば、自転車でした。私の田舎は電車の本数が少ないこともあり、電車に乗るという習慣がありませんでした。東京へ出てきて、山手線や地下鉄に乗ったときは感動したものです。ほとんど待ち時間なく乗車できることに驚きました。

 

東京で公務員になって旅費事務を担当することになり、ふと気付いたのが、電車のことを、ほとんど知らないという恥ずかしい事実でした。田舎にいた18年間は、ほとんど電車に乗っていません。電車に乗った記憶は、小学6年生のときに、子供会で海水浴へ行ったことぐらいです。自分で電車のチケットを買った経験がありませんでした。東京へ来て、山手線や地下鉄に乗る時に、初めて自分でチケットを買う経験をしました。(田舎では喫茶店に入ったこともない、ものすごい田舎者でした。漫才ではないですが、喫茶店に入るのは不良だと本当に思っていました。おそらく私自身がほんとの田舎者だからです。)

 

旅費担当になって最初に、新幹線を利用した旅費計算で悩みました。自分で新幹線のチケットを買った経験がある人や、鉄道マニアであれば悩むようなことではないと思います。しかし私には、新幹線料金が、旅費法の中で、どれに該当するのかわかりませんでした。

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旅費法の鉄道賃とは

 

東京から出張する場合は、新幹線を利用するケースが多いです。

 

旅費法には鉄道賃という項目があります。旅費として支給できる鉄道賃は、運賃、急行料金、特別車両料金(指定職以上)、座席指定料金です。

 

そして急行料金の中に、特別急行列車と普通急行列車があります。しかし新幹線料金という区分はありません。

鉄道賃 = 運賃 + 急行料金 + 特別車両料金 + 座席指定料金

 

急行料金 = 特別急行列車、普通急行列車

 

そもそも電車を知らない私にとっては、これらの違いが全くわからず、ちんぷんかんぷんでした。特急列車と急行列車については料金が違いますし、列車の見た目も違います。特急列車の方が速そうな色です。そして新幹線はさらに速そうで、見た目が全く違います。新幹線は、走っている線路自体が異なります。

 

私は、急行列車や特急列車と、新幹線は別と思っていました。当然のことながら、旅費法の中でも、明確に新幹線料金が規定されていると思っていたのです。

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新幹線料金の構成内訳とは

 

旅費法の中には新幹線料金がありません。いろいろと調べてみると、新幹線料金は運賃と特急料金から構成されていることがわかりました。

最初に、ここに気づけば新幹線は、特急と同じということがわかります。しかし私は恥ずかしながら、外観や走る線路が違うことから、全く別の料金と思っていました。しかし旅費法上の新幹線は、在来線の特急と同じ扱いだったのです。

 

ちなみに在来線という言葉は、新幹線が走る路線以外を意味します。新幹線が完成した1964(昭和39)年以降に使われ始めた言葉です。

 

旅費法では、急行料金の中に普通急行料金と特別急行料金があります。急行料金を整理すると次のようになります。

普通急行料金、いわゆる急行

 

在来線の特別急行料金、いわゆる特急

 

新幹線料金、いわゆる新幹線

 

また旅費がややこしいと思うのは、運賃と料金という、二つの言葉が出てくるからです。この使い分けも、頭の中が混乱する原因になっています。運賃は乗車券代のことです。料金は特別なサービスのことです。早く走ったり、快適に乗れたりする特別なサービス料金です。いわゆる各駅停車に乗るのが運賃です。各駅停車は、鈍行(どんこう)とも言います。運賃 = 鈍行です。

 

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急行料金(新幹線含む)が支給される条件

 

旅費法第十六条は、急行料金が支給できる条件を定めています。

 

国家公務員等の旅費に関する法律 第十六条

2 (略)急行料金は、次の各号の一に該当する場合に限り、支給する。

一 特別急行列車を運行する線路による旅行で片道百キロメートル以上のもの

二 普通急行列車を運行する線路による旅行で片道五十キロメートル以上のもの

 

特急料金は片道100キロ以上、急行料金は片道50キロ以上です。そして条文に注意が必要です。・・場合に限り・・と記載されています。これは限定列挙といわれ、ここに記載している条件以外は認めないことを意味します。

 

また距離数については、各鉄道会社が公表している距離になります。

 

ここで疑問になります。特急列車や急行列車は、実際に走る区間や路線、運航日がまちまちです。臨時列車などもあります。どのように考えたら良いでしょうか。

 

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急行料金のキロ数の考え方

 

旅費法第十六条では、特別急行料金と普通急行料金について、それぞれ支給できる条件を定めています。特別急行料金は片道100 km 以上、普通急行料金は片道50 km 以上です。

 

では、この距離数はどのように考えるのでしょうか。

 

例えば、出張の目的地までの距離数が、片道150 km だったとします。その中で、実際に特急列車に乗れる区間は、100 km と50 km の二つに分かれるとします。直通の特急列車がなくて、100 km までの区間を乗って、そこで乗り換えて、もう一度50 km の区間を乗るケースです。この場合に100kmの区間と50 km の区間、両方とも特急料金を支給できるのでしょうか。

 

旅費法第十六条では、「特別急行列車を運行する線路による旅行で片道百キロメートル以上のもの」です。片道の総距離数は150 km ですし、乗り換えで特別急行列車が全区間運行しています。条件に合致して両方とも特急料金を支給できる気がします。

 

しかし、この場合支給できるのは、100 km の方の特急券だけです。キロ数の考え方は運用方針に説明があります。

国家公務員等の旅費に関する法律の運用方針について
昭和二十七年四月十五日 蔵計第九百二十二号 大蔵省主計局長通牒

第十六条及び第十七条関係

3 急行料金は一の急行券の有効区間ごとに計算するものとする。この場合において、普通急行列車を運行する線路による旅行で普通急行列車の客車の全席が座席指定となつている場合には、普通急行料金と座席指定料金の合計額を急行料金として支給するものとする。

 

一の急行券の有効区間ごとに計算、とあります。つまり特急券が2枚必要であれば、それぞれのキロ数で判断することになります。100 km の特急券と、50 km の特急券の2枚使う必要があれば、50 km の特急券は旅費の支給対象ではありません。旅費法では100 km の特急券しか支給できないことになるわけです。距離数を考えるときには、急行券が実際に購入できる区間の距離数で判断します。

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臨時列車や1日の運行本数が少ない場合

 

特別急行列車や普通急行列車は、季節により運行本数が変わったり、臨時列車を運行することもあります。通常運行していない列車が存在する時に、急行料金はどのように考えるのでしょうか。実際に乗るか乗らないか、わからない段階で急行料金を支給することは可能でしょうか。

 

これらを判断するときは、旅費法の基本原則に立ち返ることになります。旅費法 第七条では、旅費は、最も経済的な通常の経路及び方法により支給することになっています。この条文は次のように考えます。

 

多くの人が使う電車(通常の経路)で計算する、そして通常の経路が複数あるときは安い方で計算する、という原則です。

 

臨時列車や1日の運行本数が少ない場合には、通常、その電車を使うかで判断します。多くの人が使うのであれば、当然、旅費の支給対象になります。あるいは、その電車に乗ることが明らかである場合、(例えば、その電車に乗らないと会議に出席できないなど)にも支給対象になります。ただし距離数は、旅費法の条件を満たすものだけ支給されます。

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