旅行命令と旅行依頼の違いとは、旅費担当者の必須知識

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出張旅費
2002年 ハワイ

旅行命令と旅行依頼の違いです。旅費担当になったら最初に覚えたい基礎知識です。正確に区分できるよう理解しておくことが大切です。国家公務員を対象として旅費法と、地方自治体が定めている条例との比較も行いました。

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旅行命令と旅行依頼

 

旅費を担当すると、旅行命令と旅行依頼という言葉を頻繁に聞くようになります。旅行命令と旅行依頼の違いを理解しておきましょう。根拠法令は旅費法(国家公務員等の旅費に関する法律)第四条です。

国家公務員等の旅費に関する法律

第四条 左の各号に掲げる旅行は、当該各号に掲げる区分により、(略)旅行命令権者の発する旅行命令又は旅行依頼(略)によつて行われなければならない。

一 前条第一項の規定に該当する旅行 旅行命令
二 前条第四項の規定に該当する旅行 旅行依頼

旅行命令と旅行依頼の定義です。元になる条項を確認します。

 

最初に旅行命令の前条第一項です。

旅費法
第三条 職員が出張し、又は赴任した場合には、当該職員に対し、旅費を支給する。

 

旅行命令は、職員に対して行う命令ということがわかります。では職員が何を指すのかです。職員の定義は、旅費法第一条第二項です。

旅費法 第一条第二項
2 国が国家公務員(以下「職員」という。)及び職員以外の者に対し支給する旅費に関しては(略)

 

国家公務員を職員と定義しています。ここだけを読むと国家公務員が出張するときは、すべて旅行命令になると思えてしまいます。しかし国家公務員は各省庁で、それぞれ別々に働いています。自分の所属する上司や大臣からの命令で働いてます。国家公務員法第九十七条には、上司の命令に従うことが義務付けられています。極端なことをいえば、他の省庁の大臣から命令される筋合いはありません。普通に考えて、他の省庁の大臣は、自分の上司ではありません。職員が出張することと広く考えれば、国家公務員の旅行は、すべて旅行命令です。どのように理解すれば良いでしょうか。

 

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旅行命令権者とは

 

職員である国家公務員へ出張を命令する権限は、旅行命令権者が持っています。旅費法の旅行命令権者は、各省の大臣または委任を受けた者です。実際問題として各大臣が、自分の部下全員の仕事を管理するのは不可能です。そのため大臣から部下の職員へ権限が委任されています。そして権限が委任されると同時に、命令できる出張対象者の範囲が限定されます。

旅行命令等を発する権限は再委任もできます。

国家公務員等の旅費に関する法律の運用方針について

第四条関係 第一項

旅行命令等を発する権限の委任を受けた者は、その事務の円滑な実施を図るために必要があると認めるときは、あらかじめ各庁の長の承認を得て、更にこれを再委任することができる。

 

つまり自分が所属する組織の上司に旅行命令の権限が委任されています。逆に言えば、自分の組織の職員に対してのみ旅行命令できることになります。(委任されている範囲が限定されているためです。各組織には旅行命令権者の委任規定があります。)

 

旅行命令が及ぶ範囲は、旅行命令の権限が委任されている範囲のみです。通常、他の組織の人へは命令できません。自分の組織に所属する人だけが命令権の及ぶ範囲です。

 

そして旅行命令以外が、旅行依頼になります。

 

旅行命令と旅行依頼を簡単に判別する方法は次のとおりです。

自分の組織の人(仕事を命令できる人) 旅行命令

外部の人(命令系統に入ってない人) 旅行依頼

 

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地方自治体の旅費規則、東京都との比較

 

上記の国家公務員等の旅費に関する法律は、国家公務員を対象とした法律です。国の組織に適用されます。都道府県などの地方自治体は、それぞれで条例を定めています。参考に東京都の旅費に関する条例について、上記の旅費法と比較します。ほぼ同じ内容であることがわかります。

国家公務員等の旅費に関する法律(旅費法・・国の場合)

第四条 左の各号に掲げる旅行は、当該各号に掲げる区分により、各庁の長(各省大臣など)又はその委任を受けた者(以下「旅行命令権者」という。)の発する旅行命令又は旅行依頼(以下「旅行命令等」という。)によつて行われなければならない。

一 前条第一項の規定に該当する旅行 旅行命令
二 前条第四項の規定に該当する旅行 旅行依頼

 

東京都の条例

職員の旅費に関する条例(東京都)

第四条 次の各号に掲げる旅行は、当該各号に掲げる区分により、任命権者又は任命権者の委任を受けた者(以下「旅行命令権者」という。)の発する旅行命令又は旅行依頼(以下「旅行命令等」という。)によつて行われなければならない。

一 前条第一項の規定に該当する旅行 旅行命令
二 前条第四項の規定に該当する旅行 旅行依頼

 

さらに前条第一項を比較します。ほぼ同じです。

国家公務員等の旅費に関する法律(国)
第三条 職員が出張し、又は赴任した場合には、当該職員に対し、旅費を支給する。

 

職員の旅費に関する条例(東京都)
第三条 職員が出張し、又は赴任した場合には、その職員に対し、旅費を支給する。

 

前条第四項を比較します。

国家公務員等の旅費に関する法律(国)

4 職員又は職員以外の者が、国の機関の依頼又は要求に応じ、公務の遂行を補助するため、証人、鑑定人、参考人、通訳等として旅行した場合には、その者に対し、旅費を支給する。

 

職員の旅費に関する条例(東京都)

4 職員が、都の機関の依頼又は要求に応じ、公務の遂行を補助するため、証人、鑑定人、参考人、通訳等として旅行した場合には、その者に対し、旅費を支給する。

 

国の旅費法も、東京都の条例も、ほとんど同じです。比較するまでもなかったです。

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