公務による出張と公私混同、家族旅行のついでなら税金節約となる

出張旅費

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旅費法と旅費に関する条例

 

国や地方自治体などの官公庁で、旅費を支払うケースがあります。

 

職員や教員、研究者などが、外部で用務を行なう際に必要な、交通費や日当などを支払うのですが、この旅費を実務的な説明を取り入れながら解説します。

 

旅費には大きく分けて日本国内の内国旅費(国内旅費とも言います。)と外国旅費(海外出張とも言います。このように呼び方も様々です。)がありますが、いずれも根拠となる法律は、国家公務員等の旅費に関する法律(昭和二十五年四月三十日法律第百十四号)、通称「旅費法」です。

 

国の組織以外の地方公共団体では、条例や規程が定められていますが、考え方は旅費法に準じています。

 

(東京都の場合)
職員の旅費に関する条例
職員の旅費支給規程

 

旅費法は、第一条で目的を定めています。

 

国家公務員等の旅費に関する法律
(目的)
第一条  この法律は、公務のため旅行する国家公務員等に対し支給する旅費に関し諸般の基準を定め、公務の円滑な運営に資するとともに国費の適正な支出を図ることを目的とする。

2  国が国家公務員(以下「職員」という。)及び職員以外の者に対し支給する旅費に関しては、他の法律に特別の定がある場合を除く外、この法律の定めるところによる。

 

公務のための旅行とは

 

最初に、公務のためと記載してありますから、私用であれば旅費は支給できないという、当たり前のことが書いてあります。2016年に都知事が辞職した公私混同問題を考えると、公私の区別という、公務員の資質というか倫理観が大切です。

 

公務とは、プライベートを完全に排除した真っ白なものです。家族を同伴するなら、家族が同伴した時点でグレーとなり公務(公用)とは言えなくなります。

 

公私混同の出張

 

例えば、出張先で仕事を終えた後に、家族と一緒に合流し観光旅行を楽しむとしましょう。

 

東京から北海道へ2泊3日の出張で、往復の航空賃とホテル宿泊料金が旅費として支給されるケースを想定します。

 

最終日の午後は、仕事を終えてから、夕方から家族と動物園や遊園地で遊ぶとしましょう。

 

もちろん家族の旅費は、全て自己負担で税金からは支出されません。税金から支出される旅費は職員1人分だけです。

 

北海道出張の旅費は、家族の分は支給されていないので、法律的には違反ではなく、全く問題はありません。

 

しかし、家族と一緒に観光すれば、公私混同ということになります。

 

北海道への出張が決まったときに、そういえば家族も北海道へ行きたいと話していたことを思い出して、出張の時に、家族も一緒に北海道へ連れて行くとしましょう。

 

自分は、日中は、会議や打ち合わせの公務を行い、出張中の夜だけ家族と合流し食事や観光を楽しんだり、最終日に仕事を終えた後に、家族と遊びに行くとしたらどうでしょうか。

 

自分の中では、公務である仕事に支障が生じないように、公務(公用)と私用を明確に分けていますが、第三者から見れば、出張そのものが公私混同と看做されてしまいます。

 

外部から見た場合、北海道へ遊びに行く家族旅行のために、自分の分だけ、往復の航空賃や宿泊料を税金から支払ったことになってしまいます。

 

つまり、家族旅行のついでに出張した、と看做されるのです。

 

最初から家族旅行で北海道へ行く予定があるなら、航空賃は自腹が普通ですし、どうしても日程をずらせないのであれば、プライベートとしての北海道旅行の最中に、ついでに仕事をすれば航空賃や宿泊料を税金で支払う必要はなく、節約できるのです。

 

公務員は、常に、節約意識を持つべきです。

 

国民の税金(市区町村も同様)を使用する者は、常に公私混同とならないよう、説明責任を負います。

 

疑惑を持たれるような行為は慎むべきものです。

 

家族を出張に同行するのはアウトです。

 

例外として、総理や大臣等が外国の晩餐会に出席するときなど、家族連れ(慣例的に配偶者と一緒に参加するなど)が明確に公務となっている場合は問題ありません。

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