「公務出張」と「私事用務」で注意したい「公私混同」リスクの解説

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出張旅費

公務出張と家族旅行についての「公私混同」リスクの解説です。官公庁が旅費を支払うのは「公務による出張」に限られます。出張と私事用務の日程が重なるときは注意が必要です。出張と私事用務の区別は本人しかわかりません。第三者から疑惑を持たれます。

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出張旅費の根拠法令

 

国や地方公共団体などの「官公庁」が支払う旅費についての解説です。職員や教員(研究者)などが、通常の勤務場所を離れて、外部で用務を行なうときは旅費が支払われます。私事用務や家族同伴など「公私の区別」を実務的に解説します。

 

出張旅費の根拠となる法律は、「国家公務員等の旅費に関する法律」です。略して「旅費法」です。地方公共団体では、条例で定めています。考え方は「旅費法」と同じです。

 

(東京都の例)
職員の旅費に関する条例
職員の旅費支給規程

 

旅費法は、第一条で目的を定めています。

 

国家公務員等の旅費に関する法律

第一条 この法律は、公務のため旅行する国家公務員等に対し支給する旅費に関し諸般の基準を定め、公務の円滑な運営に資するとともに国費の適正な支出を図ることを目的とする。

 

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「公務」のための旅行とは

 

最初に、「公務のため」とあります。私用であれば「旅費は支給できない」という当たり前のことが書いてあります。2016年に都知事が辞職した「公私混同問題」を考えると、「公私の区別」は重要です。公務員の資質というか倫理観が重要です。

 

「公務」とは、プライベートを完全に排除した真っ白なものです。家族を同伴する旅行なら、家族が同伴した時点でグレーとなり100%公務(公用)とは言えなくなります。

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「公私混同」の出張とは

 

例えば、出張先で仕事を終えた後に、家族と一緒に合流し観光旅行を楽しむとしましょう。東京から北海道へ2泊3日で出張し、往復の航空賃とホテル宿泊料金が旅費として支給されるケースを想定します。

 

出張最終日の午後は、仕事を終えた後に、夕方から家族と待ち合わせて動物園や遊園地で遊ぶとしましょう。もちろん家族の旅費は、全て自己負担で税金からは支出されません。税金から支出される旅費は職員1人分だけです。北海道出張の旅費は、家族の分は支給してません。この場合、法律的には違反ではありません。法令上は全く問題はありません。

 

しかし、家族と一緒に出張先で観光すれば、「公私混同」と疑われることになります。

 

北海道への出張が決まったときに、「そういえば、前から北海道へ行きたいと家族が話していた」ことを思い出して、自分の出張日程に合わせて、北海道への家族旅行を計画するとしましょう。日中の勤務時間中は、家族と離れて会議や打ち合わせの公務を行い、出張期間中の夜だけ家族と合流し食事や観光を楽しみます。最終日には、仕事を終えた後に、家族と周辺を観光するとしたらどうでしょうか。

 

自分の中では、公務である仕事に支障がないように、昼間の公務(公用)と、夜の私用を明確に分けています。法律的には問題ありません。しかし第三者から見れば、出張そのものが「公私混同」と看做されてしまいます。外部から見た場合、家族旅行で北海道へ遊びに行くために、出張用務を意図的に計画し、自分の分だけ、往復の航空賃や宿泊料を税金から支払ったことになってしまいます。北海道への家族旅行代金の一部(自分の分)を、税金で補填した形式です。

 

つまり、家族旅行の「ついでに」出張した、と看做されるのです。

 

最初から家族旅行で北海道へ行く予定があるなら、航空賃や宿泊料は自腹が常識です。どうしても家族旅行と出張の日程をずらせないのであれば、プライベートとしての北海道旅行の最中に、ついでに仕事をすれば航空賃や宿泊料を、税金から支払う必要はなく、税金を節約できるのです。

 

これは、旅費法本来の基本原則でもあります。旅費法では、用務先近くに滞在しているときは、その近くの滞在先からの旅費しか支払いできません。「実費弁償」という考え方から、必要のない交通費まで支給できないのです。

 

公務員は、常に、税金に対して「節約意識」を持つべきです。

 

そして、国民の税金を使用する者は、いつも「公私混同」と疑われないよう、説明責任を負います。疑惑を持たれるような行為は慎むべきものです。

 

家族を出張に同行するのは「アウト」です。「公私混同」です。

 

上記の北海道旅行(出張)のケースであれば、出張者は旅費を辞退すべきです。家族旅行として「自己負担」すべきです。

 

ただし、家族旅行が事前に計画されていて、すでに旅行会社への申し込みを完了した後に、北海道への出張命令を受けたのであれば、出張用務に支障のない範囲で認められます。この場合には、家族旅行を申し込んだ時期と、出張命令を受けた時期を明確にできる書類の保存が必要です。出張命令後に家族旅行を計画したのなら「公私混同」で認められません。

 

例外として、総理大臣や各省の大臣等が、外国の晩餐会に出席するときなど、家族連れが公務の一環となっている場合(国際儀礼として慣例的に配偶者と一緒に参加するレセプションなど)は問題ありません。

 

「公私混同」は、倫理的な問題です。倫理とは「法律的には違法ではないが、多くの人が疑問に思うこと」です。「家族旅行に合わせて出張用務を故意に作り、税金で私用の旅費を賄った」と疑う人が存在するのであれば、「公私混同」であり倫理的に問題です。特にマスコミなどが問題視し報道されれば「旅費の不正支出」となるリスクがあります。

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