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随意契約

見積書を依頼する方法、見積書を依頼する手順と依頼文の具体例

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エル・カピタンで見積書を依頼している 随意契約
エル・カピタンで見積書を依頼している
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 契約手続きに必要な見積書を取り寄せる方法です。初心者にとっては見積書を依頼するのも大変です。電話やメールで依頼するときに、何をどのように伝えるとわかりやすいのか解説します。見積書を依頼するときの文例もあります。

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契約手続きに必要な見積書

 

ここで解説する見積書は、「参考見積書」ではありません。契約手続きに必要な「見積書」を取り寄せる方法です。

 

参考見積書は、契約手続きに関係なく、一般的な取引金額を把握するためだけに取り寄せる見積書です。参考見積書の取り寄せ方は次の記事をご覧ください。

 

参考見積書を取り寄せる手順、参考見積書を依頼する具体的な方法
 一般競争入札か、それとも随意契約できるのか、契約方式を判断するときは、契約予定金額を把握しなければなりません。また予算要求の根拠資料としても参考見積書が必要になることがあります。参考見積書を取り寄せる具体的な方法をわかりやすく解説します。参考見積書と見積書の違いを意識しておくことも大切です。

 

契約手続きに必要な見積書は、次の随意契約を締結するときに使います。

 

◯ 競争入札に該当しない「少額随意契約」を締結するとき

 

◯ 「競争性のない随意契約」を締結するとき

 

見積書を取り寄せる目的は、契約の相手方を探して随意契約を締結するためです。この解説では、見積書を比較して契約の相手方を探す、「見積もり合わせ」を想定しています。 オープンカウンター方式や公開見積合せのように一般公開するのではなく、3社程度の会社を探して、見積書の提出を個別に依頼するケースです。

 

見積書は、契約手続きの中では、民法上の「契約の申し込み」に該当します。民間企業が提出した見積書を、官公庁側が承諾することで契約が成立します。

 

民法
(契約の成立と方式)
第五百二十二条 契約は、契約の内容を示してその締結を申し入れる意思表示(以下「申込み」という。)に対して相手方が承諾をしたときに成立する。

 

契約成立までの流れは次のようになります。

 

契約成立までの流れ

1.民間企業へ見積書の提出を依頼 (契約の申し込みの誘因

2.見積書を官公庁側へ提出 (契約の申し込み

3.正式な発注(承諾・・契約の成立

 

民間企業から提出された見積書を見て、この内容で契約しようと決断し、民間企業側へ契約を依頼した時点が「承諾」です。「この見積書でお願いします。」と伝えたときが承諾になり、契約が成立するわけです。

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本来の「見積もり合わせ」なら「真に公平」

 

2020年頃から、公開方式による「見積もり合わせ」が増えています。「オープンカウンター方式」や「公開見積り合わせ」などと呼び、官公庁側が必要とする仕様書を一般公開して、不特定多数の人から見積書を提出してもらいます。

 

公開見積り合わせは、官公庁側が特定の民間企業を選んでいないため、公平性が確保されています。しかし一方で、一般競争入札のような、法令に基づく厳格な手続きを経ていないこと、入札と同じ事務負担が発生していること、価格競争だけで契約の相手方を決めてしまうなどのデメリットがあります。安い見積書さえ提出できれば、特定の企業が独占して契約を獲得できてしまいます。

 

本来の「見積もり合わせ」は、信頼できる契約の相手方を3社ほど選んで見積書を取り寄せて、内容を比較して相手方を決定するものです。「見積もり合わせ」の目的は、事務簡素化による業務の効率化です。2か月以上かかるような入札手続きを省略し、すぐに(2週間くらいで)契約することで事業を効率的に進めることです。さらに、もうひとつ重要なことがあります。あまり知られていないのですが、見積もり合わせを正しく運用することで、真に公平な発注が可能になります。ここでいう「真に公平」とは、実質的な公平を意味しています。多くの民間企業が官公庁と契約できることです。

 

一般競争入札のように、参加する機会を公平に確保するのではなく、実際の受注を公平にできるのです。見積書を依頼する会社を選ぶ際に、発注が偏らないよう、相手方を選ぶのです。過去の取引実績を勘案しながら、特定の民間企業への発注額が偏らないように、バランス良く相手方を選びます。価格競争によって、力の大きい大企業だけが契約を独占するような状況を防止するのが、本来の見積もり合わせの趣旨でもあるのです。「見積もり合わせ」を正しい考え方で行えば、中小企業を保護することにもなるわけです。

 

つまり価格競争一辺倒の、特定の企業に偏った契約を防止することができるのです。価格競争では、資本力のある大手企業が独占して契約を取ってしまいます。特定の民間企業へ国民の税金が流れる不公平をなくすために、見積もり合わせという制度があります。

 

実際にパソコンやインターネットが普及する1995年以前は、見積もり合わせによって、様々な中小企業が受注できるように公平に行われていたのです。

 

価格競争しか考えていない電子入札や公開見積もり合わせは、大手企業と中小企業の格差を広げてしまうだけです。公平に参加できる機会を与えているとはいえ、実際に受注して契約できなければ格差は広がる一方です。特定企業に偏ることなく、中小企業を含めてバランスよく発注することが、本来の官公庁の役割です。国民の税金を使っているのですから、発注先が偏らないようにするのは当然のことです。

 

ただ「見積もり合わせ」で注意が必要なことは、お気に入りの会社のみへ見積書の提出を依頼してはいけないということです。業者との癒着を、絶対に避けなければなりません。そのためにも、官公庁の契約手続きを正しく理解することが重要になります。一部の企業だけが儲かるような「不公平は許さない」という強い心を持たなければなりません。

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見積書を依頼するときの手順

 

最初に、おおまかな流れを把握しておきましょう。「見積もり合わせ」を実施するために、見積書を依頼するときの手順は次のとおりです。

 

見積書の依頼手順

 

1.契約内容を仕様書として作成する

 

2.見積書を依頼する会社を探す

 

3.見積書の提出が可能か電話で確認する

 

4.見積書の依頼文を作成し送信する

 

 

では具体的に解説します。

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契約内容を仕様書として作成する

 

最初に、「見積もり合わせ」用の仕様書は、参加企業が3社程度であり、さらに信頼できる企業だけなので、それほど厳格な内容で作成しなくても大丈夫です。あまり細かく記載する必要はありません。いつも取り引きしている相手なら、こちらの意図を十分に理解してくれます。お互いの考えることが理解できるので、トラブルも起こりません。

 

一般競争入札では、競争参加資格が必要とはいえ、実際には不特定多数の民間企業が参加してきます。知らない会社や、過去に官公庁と取り引きしたことのない会社もあるでしょう。仕様書へ、契約内容と契約条件を細かく記載しないと、履行途中に「そんなこと知らなかった」、「仕様書に書いてないから知りません」などとクレームが入り、大きなトラブルになることがあります。競争入札の仕様書は、契約内容のすべてを網羅しなければならず、とても気をつかいます。

 

複数社から見積書を取り寄せるときは、契約内容と条件を仕様書へまとめます。仕様書は、金額を見積る民間企業側にとって、わかりやすいことが最重要です。わかりやすく、特定の会社が有利になるような内容を避けて作成します。特定のメーカー名や機種などを指定するときは、各社が公平に扱えるものを選びます。仕入れ価格に大きな差がないよう作成します。

 

特に特定のメーカーを指定したり、特殊な技術を用いる内容のときは、最終の仕様書を作成する前に電話で各社へ対応可能か確認します。もし対応できないときは代わりの製品や、代替手法を聞き取り、仕様書へ反映します。

 

仕様書の作成方法は次の記事でまとめてあります。

仕様書の書き方をわかりやすく解説、少額随意契約の仕様書
官公庁が少額随意契約を締結するときに作成する仕様書の解説です。少額随意契約では、見積もり合わせを実施します。見積書を依頼するときには仕様書を提示します。仕様書の作成方法を具体例で解説します。物品購入契約の仕様書サンプル付きです。

 

完成した仕様書を添付して見積書の依頼文を送信することになります。

 

「見積もり合わせ」では、必ず仕様書を作成します。仕様書がないと前提条件が揃わずに、見積金額を比較できなくなってしまいます。仕様書は、メール本文へ記載しても問題ありません。

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見積書を依頼する会社を探す

 

見積書を依頼する会社は、次の順番で探します。探しながら電話で確認すると効率的です。依頼先が3社見つかればOKです。

 

見積書の依頼先を探す順番

 

1.過去の取引先(名刺や会計システムのデータから抽出)

 

2.入札参加資格者一覧(全省庁統一資格者名簿、各自治体の名簿)

 

3.WEB上のネット情報

 

普段使っている会計システムなどに、「契約一覧」や「取引先一覧」を出力する機能があります。過去の契約実績一覧や取引先一覧から探します。

 

次に、全省庁統一資格名簿や、各自治体の入札参加資格者名簿から探します。官公庁への参加資格を持っていれば安心して取引できる会社です。

 

それでも見つからなければ、WEB上で探すことになります。ただ注意したいのは官公庁との契約実績のある会社の方が安全ということです。会計法令に基づいた手続きであることを理解している会社を選びます。危ない会社は、正式に契約する前に動き出してしまいます。まだ発注してないのに、既成事実として「すでに受注している」と言い張る会社が実際にあります。一部の民間企業の営業担当者ですが、公正性や公平性とかは関係なく、「早いもの勝ち」という困った認識の人たちです。

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見積書の提出が可能か電話で確認する

 

知り合いの営業担当者であれば、いきなりメールしても大丈夫ですが、通常はメールの前に電話で確認します。話したこともない相手へ、いきなりメールするのは失礼です。知らない相手からのメールは、迷惑メールと間違われることもあります。こちらからダウンロードできます。

 

見積書提出についての電話確認文例

 

「はじめまして、私、◯◯省◯◯課の◯◯と申します。」(相手方:お世話になっております)

 

「私どもの方でノートパソコンの購入を計画していまして、御社ではノートパソコンを取り扱ってますでしょうか?」

 

(いいえ、取り扱っていません との返答の場合には、丁重にお礼を言います。そうですか、すみませんでした、残念ですが、また別の機会にお願いできればと思います。どうもありがとうございました。)

 

(はい、取り扱っています。との返答の場合)

 

「それでは見積書の提出を無料でお願いできますでしょうか?」

 

(はい、無料で提出できます。)

 

「今回は、見積もり合わせという方式で、御社の他にも何社か声をかけさせて頂きまして、最も安い見積書を提出して頂いた会社と契約したいと考えています。」

 

(わかりました、ぜひ、参加させてください。)

 

「では見積もり合わせの案内をさせて頂きますので、連絡方法(電子メールあるいはFAX、担当者のお名前)を教えてください。」

 

(最後に)「ありがとうございます。助かります。それでは依頼文書を送らせて頂きます。」

 

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見積書の依頼文を作成し送信する

 

各社へ送る依頼文は、なるべく同じ時間帯に送ります。送る準備をすべて整えておいてから、一気に送るようにしましょう。依頼文を送る日が異なると、公平な見積もり合わせになりません。見積期間の長短が、金額へ影響してしまいます。

 

仕様書は、添付ファイルで送ることが多いですが、簡単な内容であればメール本文へ記載しても問題ありません。

 

「見積書の提出依頼文例」はこちらからダウンロードできます。

 

見積書の提出依頼文例

◯◯株式会社
◯◯営業部
◯◯◯◯様

 

いつもお世話になっております。
◯◯省◯◯課 会計係◯◯です。
私どもでは、下記のとおり(または別紙仕様書のとおり)ノートパソコンの購入を計画しています。

 

今回は、御社の他にも数社、見積書の提出を依頼しています。提出頂いた見積書のうち、最も有利な金額を提示して頂いた方と契約を締結する予定です。

 

つきましては、ご多忙中恐縮ですが、令和 年 月 日(金)までに見積書の提出をお願いします。(注:メール添付あるいはFAXでの提出も可能です。)

 

なお、お手数ですが、受信確認のため本メールに返信(受信した旨の記載のみ)あるいは電話連絡頂けますと幸いです。

 

契約内容は次のとおりです。

 

契約件名 ノートパソコン 2台他

 

調達物品の内訳
ノートパソコン 2台 メーカー◯◯製 ◯◯型
標準付属品を含む
Microsoft Office Home & Business 2021(永続版)付
LAN接続ケーブル カテゴリ6 2m 2本

 

納入期限 2023年9月8日

 

搬入・設置方法
◯◯省会計課事務室内へ設置し、既設LANへの有線接続を行う。設置後はソフトのインストールと動作確認を行う。

 

物品の無償保証期間
検収完了後、1年間とする。

 

代金の支払方法 検収完了後、適法な請求書を受理してから1回払い。

 

注:見積書の提出をメールまたはFAXでも可とする場合のみ、その旨を記載します。押印のある書面での提出を必要とする場合は、「郵送または持参でお願いします」と記載します。

 

以上のような依頼文を(あるいは仕様書を添付ファイルで)送ります。

 

見積書の提出期限は、依頼日から1週間以上の余裕を持って設定します。見積もり期間に余裕がないと金額が高くなります。一般的には2週間程度です。

 

見積もり合わせも省略するような小さな契約のときは、信頼できる会社へ依頼します。1社のみへの依頼なら、比較する必要がないので、口頭のみでお願いする方が多いです。

 

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見積書を依頼するときの手順とチェックシート

 

見積書を依頼する手順です。こちらからダウンロードもできます。ご自由にお使いください。

 

見積書の依頼手順、チェックシート

 

◯契約内容を仕様書として作成する
見積金額を積算できるようにわかりやすく作成します。特定のメーカーに偏らない、誰もが対応できる仕様書が理想です。

 

◯見積書を依頼する会社を探す
過去の取引先、入札参加資格者名簿から探します。見つからないときはWEB上から探しますが、官公庁と取引経験のある会社が安全です。

 

◯見積書の提出が可能か電話で確認する
初めての会社は、メールする前に電話で確認します。

 

◯見積書の依頼文を作成し送信する
3社へ依頼文を送信するときは、同じ時間帯に送ります。同一日でないと不公平になってしまいます。

 

 

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