代理店証明書による随意契約は注意が必要、競争性がない随意契約とは

イギリスのロンドン 随意契約
イギリスのロンドン

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代理店証明書による随意契約

 

随意契約は、官公庁における契約方式の例外です。原則は競争契約(入札)なので、「競争性のない随意契約」は慎重に検討する必要があります。

 

契約実務担当者が注意すべき書類として、「代理店証明書」があります。「特約店証明書」、「総代理店証明書」、「販売店証明書」、「直接販売証明書」なども同じですが、これらの書類は、「競争性がない」という随意契約の根拠になりません。

 

競争性のない随意契約の根拠法令を確認します。

予算決算及び会計令

第百二条の四

三  契約の性質若しくは目的が競争を許さない場合において、随意契約によろうとするとき。

 

 

代理店証明書は、メーカーが小売店などの販売店に対して、製品を正式に販売する会社であることを証明する書類です。メーカー → 卸問屋 → 多数の小売店などが一般的な販売ルートです。

 

修理などの場合に迅速に対応できたり、アフターサービスが優先的になるなどのメリットはあります。しかし、代理店や特約店という証明だけでは、他に販売店が存在しない「競争性がない」という理由にはならないのです。

 

代理店証明に騙されない

 

官公庁の契約実務担当者が契約手続きを行う場合には、国民の貴重な税金を使うという意識を常に持ち、競争の機会を十分に確保した手続きを行う必要があります。(売買契約であれば160万円以上なら入札手続き、それ以下なら見積もり合せなど)

 

メーカー側は、代理店証明書などは、いくつでも発行します。

 

なぜなら、代理店や特約店が多い方が、販路を広くできるわけですから、自社製品の販売が有利になります。メーカーのメリットになるのです。

 

代理店証明があるからと随意契約を行うのではなく、たとえ手続きが大変でも、販売会社が複数存在する可能性があれば、入札手続きを行うのが適正な事務処理です。

 

極端な例ですが、代理店証明書を利用した事件も過去にありました。

 

2008年8月21日の朝日新聞の朝刊で報道されました。

 

国立身体障害者リハビリテーションセンター発注の医療機器納入を巡る汚職事件で、「関東地区における唯一の代理店」と偽の説明を行い、随意契約していた事例がありました。

 

メーカーは、販売会社に依頼されて、代理店証明書を便宜上作成したとのことでした。実態は独占的な代理店ではありませんでした。

 

贈収賄事件から随意契約が問題視され、代理店証明が実態でないことが明らかになった事例です。

 

総代理店証明書による随意契約

 

総代理店証明も代理店証明書と同様で、他に販売店が存在しないという理由にはなりません。

 

総代理店の下に数々の代理店や特約店が存在するのが通常の取引だからです。

 

 

現在、競争性のない随意契約が認められるのは、専用実施権による独占販売が法律で認められている特許製品に限られます。

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