「開札」って、どうやるの?これでわかる初めての「入札と開札」

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入札
2002年 ハワイ
入札

官公庁が実施する「入札手続き」の中で、とても緊張するのが「開札」です。私自身、何回も入札を経験しましたが、いつも緊張しました。慣れるということはなかったです。「開札」は、契約の相手方が決定するという、入札手続きの中で一番重要な部分になります。

 

ところが、「開札」のやり方について、実際にどうやればよいか記載した法令や参考書籍は皆無です。そこで、初心者でも「開札」できるよう、わかりやすく解説します。

 

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「開札」の根拠法令

 

最初に「開札」の根拠法令を確認します。

予算決算及び会計令(予決令)

第八十一条 契約担当官等は、公告に示した競争執行の場所及び日時に、入札者を立ち会わせて開札をしなければならない。この場合において、入札者が立ち会わないときは、入札事務に関係のない職員を立ち会わせなければならない。

第八十二条 契約担当官等は、開札をした場合において、各人の入札のうち予定価格の制限に達した価格の入札がないときは、直ちに、再度の入札をすることができる。

第八十三条 落札となるべき同価の入札をした者が二人以上あるときは、契約担当官等は、直ちに、当該入札者にくじを引かせて落札者を定めなければならない。
2 前項の場合において、当該入札者のうちくじを引かない者があるときは、これに代わつて入札事務に関係のない職員にくじを引かせることができる。

 

予決令 第八十一条では、開札のときには入札者を立ち会わせること、第八十二条では、落札しないときは、再度入札できること、第八十三条では、同じ価格の入札が落札範囲にあるときは「くじ引き」で決めることを定めています。(地方公共団体は、地方自治法施行令 第百六十七条の八と第百六十七条の九です。予決令とほぼ同じです。)

 

しかし、いざ自分が開札を担当するとなると、かなり悩みます。実際のやり方がわからないのです。どのように進めれば良いのか、入札参加者を確認する方法や、入札書を提出してもらう方法などが、どこにも具体的に書いてないのです。つまり、「実際の開札手続き」がわからないのです。

 

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おおまかな「開札手順」

 

そこで、実際の「開札手続き」を解説します。くわしく簡単に説明します。開札会場では緊張してしまうので、手元にチェックシートを置くことをおすすめします。チェックシートは下段にリンクします。ご自由にダウンロードしてお使いください。(チェックシートを見ながら読み進めると、理解が深まります。)

 

おおまかな開札手順は、次のとおりです。

1.あいさつ 入札担当職員の紹介
2.競争参加資格の確認
3.入札の開始宣言
4.開札(1回目)
5.予定価格調書の開封
6.落札結果の発表
7.「落札内訳書」の提出を依頼

 

どうでしょうか、おおまかな手順だけでも、これだけあります。いずれも上記の会計法令には記載してありません。これらは自分で経験して覚えるしかありません。でも、このサイトを見ている人はラッキーです。簡単に「開札」ができてしまいますから。

 

では、実際の「開札」手続きのくわしい解説です。

 

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あいさつ、入札担当職員の紹介

 

官公庁側で入札を実施する職員は、「入札執行者」と呼びます。通常、各組織の内部規則で官職指定されています。課長補佐、課長などが多いです。そして「入札執行者」を補助する職員として係長や係員が出席します。入札参加者が多いときは、人数を多くします。通常、入札参加者が10名以内であれば官公庁側は3名程度で十分です。

 

「入札担当職員の紹介」が必要な理由は、入札会場が、「関係者以外立入禁止」だからです。不正行為を防止する目的で、入札者(法人の代表1人)と入札執行者、補助職員しか会場へ入れません。そして、関係者以外がいないことを証明するためにも、職員の紹介が必要になります。入札者はあえて紹介しません。入札結果を発表するときに会社名として発表します。

 

開札時刻の5分前に入場し、席へ座って待ちます。入札公告や予定価格など「入札関係書類」をすべて持ち込みます。そして開始時刻前にアナウンスします。

 

「すみません、皆さんへのアナウンスです。今回は入札なので、開始時刻ちょうどに始めますので、よろしくお願いします。」

 

開始時刻になったら開始です。私は秒針まで確認してました。

 

「それでは、時刻になりましたので、ただ今から入札を開始します。

本日は、お忙しい中、参加いただきましてありがとうございます。最初に、当方の職員の紹介をいたします。本日、入札を実施するのは 私 〇〇 〇〇、副事務長をしております。よろしくお願いします。そして、こちらが〇〇会計係長(軽く会釈)、〇〇係員(軽く会釈)です。以上〇〇名で行います。よろしくお願いします。」

 

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競争参加資格の確認

 

続けて、入札参加者の資格を確認します。ここは落ち着いてゆっくり行います。

 

「では、最初に、参加資格の確認を行います。皆さん、名刺は提出して頂きましたでしょうか?」

 

名刺の数と、入札参加者の数が一致していることを確認します。もし一致しなければ、名刺を基に名前を読んで出欠をとります。入札会場は、代表者一人しか入れません。もし2名以上で出席している会社があれば、代表者を残し退出してもらいます。不正防止のために必須の確認です。名刺がない人は、身分証明書をコピーします。

 

次に、「全省庁統一資格と委任状を確認します。(もし未提出なら、提出してもらう。)」と発言し、入札公告に記載した等級と資格の写しを照合します。委任状が提出されている会社については、受任者と名刺の名前が同一か確認します。復代理人のときは、代理人の委任項目の中に、「復代理人の選任」が必要です。これらの確認は重要なので、ゆっくりと焦らずに行います。もし委任状を忘れた人がいれば、会場から退室してもらいます。

 

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入札開始宣言

 

参加資格の確認を終えたら、入札を開始します。入札書は、事前に受理している場合と、入札会場で当日提出してもらう場合があります。入札公告に提出期限が記載してあります。

 

「参加資格の確認が終わりましたので、ただ今から、第1回目の入札を開始します。」

 

(事前配布のときは省略)
「それでは、こちらの入札箱へ入札書を提出してください。」

 

入札者の人数が少なければ(5人くらい)、担当職員が決裁箱などを持って周り、入札書を入れてもらう方が効率的です。人数が多ければ、「入札箱」のことろまで来てもらい、入札書を箱へ入れてもらいます。

 

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開札(1回目)

「皆さん、入札書は提出してもらったでしょうか?」念のため確認します。もし、未だ提出してない人がいれば待ちます。

 

「それでは、開封させて頂きます。」

 

開封する前にアナウンスします。ハサミで封筒の端を切り、入札書を取り出します。入札者が多いときは担当職員で手分けします。5人くらいなら執行者ひとりで開封することもあります。

 

入札書の内容を手分けして確認します。確認ポイントは次のとおりです。

入札件名が正しいか?(通常は、入札様式を事前配布しているので問題ない)

入札金額が、きちんと書かれているか?

代表者印が押印されているか?(代理人の場合は代理人の印でもOK)

入札年月日が正しく記載されているか(事前提出のときは、提出期限までの日)

 

これらを手分けして確認します。確認を終えたら発表です。社名の「あいうえお順」などが良いです。

 

「それでは、入札結果を発表します。
A株式会社さん 〇〇円、A株式会社さん 〇〇円

B株式会社さん 〇〇円、B株式会社さん 〇〇円」

 

通常は必ず、2回読みします。入札参加者が数十人と多数の場合は、最安値の発表だけ行うこともあります。その場合は、事前に入札参加者の同意を得ます。もし1社でも「全社の入札金額を知りたい」との要望があれば、全社の発表を行います。私は過去に、30社ほどの入札を実施したとき、入札参加者の方から「時間節約のために、最安値一社のみ発表」の提案があり、各社とも同意してもらい、だいぶ助かった経験があります。30人を超えると、入札金額の発表だけで疲れてしまいます。

 

発表したときに、入札書の右隅に①など「入札回数」を鉛筆で書いておきます。再度入札(2回目の入札)は②と記載しておきます。後日、書類整理するとき、混乱しないためにも必須です。また、発表と同時に、「入札結果一覧表」に金額を記載すると効率的です。

 

発表を終えた段階で、担当職員と一緒に確認しながら、最安値の入札書を抜き出します。

 

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予定価格調書の開封

 

「それでは、当方で作成しました予定価格調書を開封します。」

予定価格を事前公表していないときは、封書に入れて秘密扱いになっています。開札のときは予定価格も開封する必要があります。ハサミを入れる前に、密封した予定価格調書を入札参加者へ見せます。(中身は見せません。封筒だけ見せます)そしてハサミで開封します。

 

予定価格調書(内訳明細も含む)は、秘密扱いのときは、金額が入札者へ見えないよう注意します。金額を確認するとき以外は、常に書類を伏せておきます。予定価格は入札者へは見せません。

 

封筒から予定価格調書を取り出し、最安値の入札書と比較します。このときは担当職員全員で確認します。

 

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落札結果の発表

 

最初に落札の場合です。予定価格より安い入札金額なら落札になります。

「それでは、落札結果を発表します。最も安い入札金額は、〇〇会社さんの〇〇円でした。当方で作成した予定価格の範囲内でした。落札とさせて頂きます。どうもありがとうございました。〇〇会社さんのみ残って頂き、契約手続きの打合せをお願いしたいと思います。本日は、皆様、お忙しい中、誠にありがとうございました。これで入札を終了いたします。」

この後、「落札内訳書」の提出依頼へ移ります。

 

入札金額が予定価格を超えていて、落札しないときは「再度入札」に入ります。

「それでは、落札結果を発表します。最も安い入札金額は、〇〇会社さんの〇〇円でした。しかし残念ながら、当方で作成した予定価格を超えています。2回目の入札を実施します。2回目の入札は、最安値の〇〇会社さんの〇〇円より安い金額で入札をお願いします。もし、これ以上の入札金額が無理であれば、入札金額の記載欄に「辞退」と記載して提出をお願いします。」

 

再度入札を行うことをアナウンスして、入札書の様式を配布します。すでに会社側で用意している会社も多いです。しばらく待ちます。書き終えたら入札書を折って提出してもらいます。以後は「開札(1回目)」からの繰り返しです。再度入札は3回目くらいで「入札打ち切り」の判断を行います。

 

もし、再度入札を実施しても、予定価格との金額差が大きくて、落札しないと予想されるときは「入札を打ち切り」ます。そのときは次のように発言します。

 

「開札の結果、まだ予定価格との開きが大きく、落札の見込みがありません。つきましては、今回の入札はここで打ち切ります。入札不調になりました。この後は、最安値の会社様から順に、再度価格交渉させて頂きます。本日は、お忙しい中、参加いただきましてありがとうございました。」

 

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落札決定後、「落札内訳書」の提出を依頼

落札決定した後に、契約手続きの打合せに入ります。提出してもらう書類は次のとおりです。

落札金額に対応した「落札内訳書」

落札内訳書は、見積書のタイトルを「落札内訳書」として、見積金額欄を「金額」に修正してもらいます。落札金額の積算内容を内訳として提出してもらいます。この「落札内訳書」に基づいて契約書を取り交わすことになります。もし、落札内訳が多数あるときは電子データでもらった方が楽です。契約書を作成するときにコピーできます。

 

契約書の契約年月日は、落札日と同日で良いか再度確認します。後日、契約書を渡すので押印をお願いしたいことを伝えます。

契約日を落札日とすることで問題なければ、すぐに契約の準備を開始してもらいます。

 

以上が「開札」手続きの実際です。

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「開札チェックシート」無料ダウンロード

 

上記の手順を記載した「開札チェックシート」を無料でダウンロードできます。開札時に机の上に置き、チェックしながら進めると安心です。

 

「開札チェックシート」(ワード形式 kaisatu.docx)

 

「開札チェックシート」は、実際の入札にあわせて、内容を修正してお使いください。入札会場で机の上に置いておき、読みながら進めると安心です。

 

なお、「開札チェックシート」の利用にあたっては、利用者自身の責任でお願いします。管理人は一切の責任を負いません。参考資料として提供するものです。電子ファイルを他社へ渡すときは著作権表示を残したまま、コピーしてください。実際に入札で使用するときは著作権表示は削除して問題ありません。


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