一般競争入札と見積もり合わせの違い、契約手続きを簡単に比較

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入札
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官公庁が実施する「一般競争入札」と「見積もり合わせ」の解説です。それぞれの契約手続きの流れを理解しておくことが大切です。一般競争入札の目的、競争入札の種類、手続きの手順などです。一般競争入札と見積もり合わせの違いも把握しておきましょう。

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競争入札とは

 

入札(にゅうさつ)とは、札(ふだ)を入れることです。希望する契約金額を記載した入札書(通常、A4サイズで様式が決められています。)を封書に入れて提出します。入札金額は、契約金額から消費税相当額を控除した「税抜金額」です。消費税部分で課税事業者が不利にならないよう配慮されています。

 

入札書には、入札金額と会社の住所、会社名、代表者名を記載し、代表者印を押して提出します。(電子入札は、金額のみを送信することになります。この記事では省略します。)

 

官公庁が民間会社と契約を締結するときに、契約の相手方を選ぶ契約方式の原則は一般競争入札です。呼び方は、一般競争契約、公開入札などがあります。一般競争入札の目的は次のとおりです。税金を使用しているため、誰に対しても公平でなければなりません。

一般競争入札の目的

 

広く参加機会を確保すること

 

契約の相手方を公平・公正に選ぶこと

 

適正な価格競争を行うこと

 

民間会社が入札へ参加しようとするときは、官公庁が掲示する入札公告を見て、入札関係書類(仕様書など)を確認し、希望する契約金額を積算します。そして開札日時に、封書に入れた入札書を入札箱へ入れます。開札前に入札書の提出期限を設けることもあります。開札前に提出された入札書は、金庫などで厳重に保管します。

 

入札金額は見積金額と同じです。入札書も見積書も、契約の申込みです。

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競争入札の種類

競争入札は、不特定多数の会社が参加できる一般競争入札と、あらかじめ参加できる会社を選定する指名競争入札があります。入札手続きは、ほとんど同じですが、入札公告と指名通知の部分だけが異なります。

 

現在(2019年)は、工事契約を除き、ほとんどが一般競争入札です。指名競争入札で事前に会社を選んでしまうと、後日、指名基準が問題になることがあります。例えば、契約内容が簡単で、どこの会社でも対応可能な契約のときに、官公庁側が3~4社のみを指名してしまうと、会社の選び方が不適切と指摘を受けます。意図的に他の会社を排除したと疑われてしまいます。そのため、契約内容が複雑で、履行できる会社が少数のときのみ指名競争入札を実施します。

 

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一般競争入札の手続き(手順)

主な手順は次のとおりです。通常、契約締結までに2~3ヶ月必要です。

(官)は官公庁側の手続き
(民)は入札に参加を希望する会社側の手続き

 

一般競争入札の手順

仕様書作成(官)

入札公告掲載(官)

入札説明書と仕様書を入手(民)

契約金額を計算し、入札金額を決定(民)

入札・開札(官、民)

再度入札(予定価格に達しないとき、官、民)

落札決定(官)

落札内訳書提出(民)

契約書の取り交わし(官、民)

納品・検収(官、民)

代金の支払(官)

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入札に参加する方法

 

入札へ参加するためには「全省庁統一資格」(国の場合)が必要です。地方自治体は、それぞれの自治体での参加資格が必要になります。国の資格審査では、会社の規模別(売上高や従業員数など)にA~D等級の格付けがなされます。ただ、この等級は、ほとんどの入札で全員が参加できるようになってます。なるべく多くの会社に参加してもらう(競争性を確保する)のが原則です。等級制限しない入札が多いです。資格審査は、毎年1月に定期審査を実施しています。それ以外でも、審査期間が必要ですが、臨時の審査も可能です。

 

官公庁との契約を希望する会社は、事前に資格審査を申請しておくと良いです。審査が決定されると有資格者名簿に登載されますし、名簿を見て依頼してくる官公庁もあります。営業のチャンスが広がります。

 

また、実際の入札で等級によって制限を受けることは、ほとんどありません。審査というより事前登録制度に近いです。(そもそもが、悪徳業者を排除するためなので、普通の会社であれば申請すれば問題ないです。)

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開札と落札とは

 

開札は、官公庁側の入札執行者(副課長など官職指定されている現場責任者)が、入札会場で入札書を開封することです。封書に入った入札書を開封し、入札金額を読み上げます。入札書の提出期限は、開札日の1~2週間前に設定することが多いです。まれに開札日時に、入札会場で直接提出することもあります。入札執行者が、封筒に入った入札書をハサミで開封し、入札金額を口頭発表し、予定価格と比較します。

 

落札は、官公庁側が作成した予定価格の範囲内で、最も有利な入札金額の会社を落札者に決定することです。予定価格以内であれば「落札者と決定します。」と宣言し契約締結手続きへ移行します。予定価格に達しないときは、すぐに再度入札を実施します。再度入札は、入札書の様式を配布し、その場で入札金額を記入し、押印して提出してもらいます。再度入札では、入札金額を判断できる権限を持つ人に参加してもらいます。通常、会社の社長から入札についての権限を委任された営業担当者が参加します。再度入札を3回ほど繰り返しても、予定価格との金額差が大きいときは、入札不調として入札を終えることもあります。

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「一般競争入札」と「見積もり合わせ」の違い

 

簡単に言えば、「一般競争入札」と「見積もり合わせ」の違いは、不特定多数の会社が参加できるかどうかです。一般競争入札は、官公庁側の契約担当者も、どこの会社が参加するか事前にわかりません。

 

一方、見積もり合わせは、官公庁側の契約担当者が選んだ会社(3社程度)のみで競争を行います。事前に選んだ会社から見積書を提出してもらい、見積書の内容を比較して契約の相手方を選びます。

 

それぞれ根拠法令と契約方式が異なります。一般競争入札は一般競争契約、見積もり合わせは随意契約です。契約方式とは、相手方を選ぶ方法のことです。

 

また提出する書類も異なります。競争入札では、契約を希望する金額を記載した入札書を提出します。

 

見積もり合わせでは、見積書を提出します。見積もり合わせの手順は次のとおりです。手続きは2週間くらいの簡素化された手続きです。ただし見積もり合わせによる随意契約は、例外的な契約手続きです。

見積もり合わせの手順

仕様書作成(官)

仕様書を入手(民)

契約金額を計算(民)

見積書を提出(民)

見積もり合わせ(官)

契約書の取り交わし(官、民)

納品・検収(官、民)

代金の支払(官)

 

参考として根拠法令を記載します。

一般競争入札・・会計法第二十九条の三第一項

随意契約・・会計法第二十九条の三第四項または第五項

 

会計法

第二十九条の三 (略)契約担当官等は、売買、貸借、請負その他の契約を締結する場合においては、(略)公告して申込みをさせることにより競争に付さなければならない。

○4 契約の性質又は目的が競争を許さない場合、緊急の必要により競争に付することができない場合及び競争に付することが不利と認められる場合においては、政令の定めるところにより、随意契約によるものとする。

○5 契約に係る予定価格が少額である場合その他政令で定める場合においては、第一項及び第三項の規定にかかわらず、政令の定めるところにより、指名競争に付し又は随意契約によることができる。

コメント

  1. さるくま より:

    こんにちは。
    いつも勉強になる記事をありがとうございます。
    行政書士試験勉強をしている中で、以下の例は分割発注に当たるかどうか気になったので質問させていただきます。
    官庁がある目的を果たすため、規格が違う複数の商品x、y、zを購入するとします(例:執務を目的に大型机・中型机・小型机の購入を行うなど)。
    ここで官庁が見積書を業者a業者bから徴収したところ、合計金額は業者aが優位であったが、1つの商品xについてのみ業者bが格段に安かった。
    このことを踏まえ、商品xのみと商品y、zで分け、再度見積もり依頼を業者a,bに依頼し、見積合せの結果商品xは業者b、商品y,zは業者aに発注することとなった。
    この結果、業者aから複数商品の全てを購入するよりも安く購入できた。

    以上の例は分割発注に当たりますでしょうか。またこれは違法性がありますか。
    ご教示のほど宜しくお願いいたします。

    • 矢野雅彦矢野 雅彦 より:

      管理人です、コメントありがとうございました。

      安くするために、分割発注して、それぞれ別の会社と契約するのであれば、問題ありません。入札を避ける目的などの違法性もないと思います。

      違法性があるのは、分割発注したのに、同一会社と契約することです。例えば、実態は、ひとつの契約なのに、書類上分割して、入札対象から外すような行為です。

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