「謝金」を払うときの注意点、「所得税」を確認しないと痛い!

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給与謝金
2007年 シンガポール

講演料などの「謝金」を支払うときに注意したいポイントです。外部の人に対して支払う謝金は、源泉徴収が必要になることがあります。所得税の天引きを忘れて、本人へ全額払ってしまうと、代わりに所得税を払わなければなりません。後で困った事態になります。

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「謝金」は、雇用契約のない人へ支払う謝礼金

 

「謝金」は、雇用契約(労働契約)を締結してない人へ支払う謝礼金です。外部の専門家(大学の教授など)へ依頼する講演や、一時的なイベントを手伝う学生等へ、謝礼や単純労務謝金として支払うものです。

 

一方「給与」は、雇用契約(労働契約)を締結している者へ支払うものです。

 

また参考情報ですが、「雇用契約」と「労働契約」の違いは、ほとんどありません。厳密に区分すると、根拠となる法律が「民法の雇用契約」と「労働契約法」で異なります。そして細かな違いがあります。例えば、お手伝いさん(家事使用人)は雇用契約ですが、労働基準法の適用外になるため、「労働契約」に該当しません。しかし会社の従業員等は、ほとんどのケースで「雇用契約」と「労働契約」は、同じ意味になります。

 

一般的に、雇用されていない者へ謝礼金(御礼)として支払うのが「謝金」です。そして謝金を支払う際には、所得税の「源泉徴収」が必要になることがあります。内容によって源泉徴収が必要か判断が変わるので注意しましょう。

 

判断に迷うときは、最寄りの税務署へ電話して訪ねましょう。税務署へ聞くのを躊躇する人が多いですが、親切に教えてくれます。電話すると「脱税を疑われるんじゃないか」とか「税務調査に入られてしまう」などと思う人がいるようですが、テレビドラマの見過ぎです。そんなことはありません。匿名でも親切に教えてくれます。

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謝金の源泉徴収方法

 

源泉徴収の方法は、国税庁が毎年作成している「平成30年版 源泉徴収のしかた(平成29年12月)」に記載されてます。

平成30年版 源泉徴収のしかた|国税庁

 

注意したいのは、所得税などの税金は、頻繁に法改正が行なわれる点です。支払手続きを進めるときは、必ず最新の情報を確認します。

 

該当する年の「源泉徴収のしかた」の中に「報酬・料金等の源泉徴収事務」があります。

パンフレット・手引|国税庁

 

例えば「講演料」の税額計算方法は、次のとおりです。(日本人への支払い)

 

支払金額 × 10.21%

 

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「単純労務謝金」としての「源泉徴収」

 

学生などに対して、短期間(2ヶ月以内)の手伝いを依頼し、時間単価で支払うときは「報酬・料金等」でなく、日雇賃金として、「日額表丙欄」を適用します。補助的な業務を短期間依頼するときは、単純労務謝金として「給与所得の所得税」を計算します。

 

日額表丙欄は、1日に支払う金額(9,300円~)に応じて、税額が定められています。

 

平成30年分 源泉徴収税額表

平成30年分 源泉徴収税額表|国税庁

 

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長期間(2ヶ月を超える)の「単純労務謝金」

 

研究補助などの手伝いを、学生へ依頼するケースでは、授業の合間などに補助業務を実施してもらうため、依頼期間が2ヶ月を超えるときがあります。その場合は「月額表乙欄」を適用して税額を計算します。

 

月額表の乙欄と丙欄は、「給与所得」としての源泉徴収です。

 

源泉徴収事務がわかりにくいのは、所得区分(給与所得や雑所得など)が複雑で、相互に線引きすることが困難なところです。所得の判断もむずかしいので、必ず、最寄りの税務署へ確認しましょう。

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簡単な「税率区分方法」

 

わかりやすく区分すると次のようになります。

 

雇用契約(労働契約)を締結していない場合で、日本人へ謝金として支払うケースです。

講演謝金 = 報酬・料金等・・10.21%

 

単純労務謝金(期間が2ヶ月以内) = 日額表丙欄

 

単純労務謝金(期間が2ヶ月を超える)= 月額表の乙欄

 

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判断に迷ったときは「税務署」へ確認

 

税理士という国家資格が定められているように、所得税の判断はとても難解です。くどいですが判断に迷ったときは、必ず最寄りの税務署へ問合せし、記録を残しましょう。

 

後日実施される「税務調査」で、考え方の相違により指摘を受けそうになったとき、支払当時の「税務署の判断」のメモ書がとても重要になります。

 

問い合わせ内容、教えてもらった内容、電話した日付、税務署の担当者名をメモとして残します。そして必ず支払書類に添付しておきます。電話するときは勉強も兼ねて、判断の基になった法律や、法律の解釈の仕方も聞きましょう。結果だけ聞くのは、もったいないです。勉強のチャンスです。

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源泉徴収のトラブル事例

 

所得税の金額を間違えてしまうと、源泉徴収義務者(支払った組織側)が、受給者に代わって所得税を支払わなければなりません。また税務調査は、支払い処理を終えた数年後に実施されます。源泉徴収を間違えて支払ってしまうと、数年後にミスが指摘されます。支払担当者も人事異動でいないことが多いです。

 

つまり、税務署から指摘を受けた時期には、すでに担当者も変わり、受給者と連絡がとれなくなることも多いのです。所得税の徴収もれが判明したときに、相手方(受給者)に連絡できなければ、支払った側の事業主が所得税を負担することになります。

 

外部の専門家(大学教授)へ講演を依頼し、講演料30万円を支払ったときに源泉徴収を忘れた。

 

2年後に税務調査が行なわれ、源泉徴収税額(30,630円=30万円 × 10.21%)の徴収もれが判明した。(天引きせずに、大学教授へ全額支払ってしまった。)

 

税務署は、支払った側(源泉徴収義務者)へ所得税を請求します。本来であれば、謝金の受給者である教授個人が払うべき所得税ですが、徴収もれの際は、代わりに源泉徴収義務者が支払わなければなりません。

 

後日、受給者の教授個人へ連絡して、支払手続きのミスを謝り、立て替えて支払った所得税30,630円を請求することになります。しかし受給者の教授と連絡がとれなくなる(定年や引越しなど)と、その分が損害となってしまいます。かなり、まずい状況になってしまうのです。会計検査院などからも指摘されてしまうでしょう。

 

所得税の源泉徴収は、業務内容によって税務署の判断が変わります。税務署へ尋ねるときは、なるべく具体的に聞きましょう。一般論だと判断を間違えることがあります。

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