源泉徴収で注意したいこと、講演謝金の源泉徴収を忘れるとトラブルに

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官公庁の会計処理で謝金を支払うときに注意すべき点についての解説です。外部の人に対して支払う謝金は、源泉徴収の対象になるものがあります。源泉徴収を忘れて全額支払ってしまうと後日トラブルになることがあります。税務調査は数年後に行われるので注意したい部分です。

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謝金は雇用契約のない人への謝礼や単純労務

 

謝金は雇用契約(労働契約)のない人へ支払う謝礼金です。外部の専門家(大学の教授など)へ依頼する講演や一時的なイベントで学生へ手伝いを依頼したとき、そのお礼や単純労務謝金として支払うことが多いです。

 

給与としての支払いは雇用契約や労働契約に該当する場合です。両者の違いは根拠となる法律が民法と労働契約法で異なります。そして細かな違いがあります。例えばお手伝いさん(家事使用人)は雇用契約ですが、労働基準法の適用外なので労働契約ではありません。しかし会社の従業員等ほとんどのケースで雇用契約と労働契約は同じと考えて差し支えありません。

 

一般的には、雇用されていない者へ謝礼金として支払うのが謝金です。そして謝金を支払う際には所得税の源泉徴収が義務付けられています。

 

謝金の源泉徴収方法

 

源泉徴収の処理方法は国税庁が毎年作成している「平成30年版 源泉徴収のしかた(平成29年12月)」に基づきます。

平成30年版 源泉徴収のしかた|国税庁

 

 

注意すべき点は、所得税などの税金については、頻繁に法改正が行なわれるので必ず支払処理をするときに最新の情報を確認します。

 

該当する年の「源泉徴収のしかた」の中に「報酬・料金等の源泉徴収事務」があります。

パンフレット・手引|国税庁

 

税額の計算方法は講演料の場合次のとおりです。

支払金額×10.21%

 

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単純労務謝金としての源泉徴収

 

学生などに短期間(2ヶ月以内)の手伝いを依頼し、時給として支払うときは「報酬・料金等」でなく、日雇賃金として日額表丙欄を適用します。補助的な業務を短期間依頼するときは、単純労務謝金として給与所得の所得税を計算します。

 

日額表丙欄は1日に支払う金額(9,300円~)に応じて税額が定められています。

 

平成30年分 源泉徴収税額表

国税庁ホームページリニューアルのお知らせ|国税庁

 

長期間(2ヶ月を超える)の単純労務謝金

 

研究補助などの手伝いを学生に依頼するときは、授業の合間などの短時間で2ヶ月を超えるときがあります。その場合は月額表乙欄を適用して税額を計算し源泉徴収を行ないます。

 

月額表の乙欄と丙欄は給与所得としての源泉徴収になります。

 

源泉徴収事務がわかりにくいのは、所得区分(給与所得や雑所得など)が複雑で、相互に線引きすることが困難なところです。

 

簡単な謝金の源泉徴収の区分方法

 

わかりやすく区分すると次のようになります。

 

前提は雇用契約(労働契約)を締結していない場合です。

講演謝金=報酬・料金等・・10.21%

単純労務謝金(期間が2ヶ月以内)=日額表丙欄

単純労務謝金(期間が2ヶ月を超える)=月額表の乙欄

 

判断に迷ったときは税務署へ

 

税理士という国家資格が定められているように、所得税の判断はとても難解です。判断に迷ったときは必ず最寄りの税務署へ問合せし記録を残すことが重要です。

 

所得税の源泉徴収税額を間違えてしまうと、源泉徴収義務者が代わりに所得税を支払わなければなりません。また税務調査は支払い処理を終えた数年後に実施されます。源泉徴収を間違えて支払ってしまうと、数年後にミスが指摘されたとき、受給者と連絡がとれなくなることもあります。所得税の徴収もれが判明したときに相手方に連絡できなければ事業主が負担することになります。

 

外部の専門家(教授など)へ講演を依頼し、講演料30万円を支払ったときに源泉徴収を忘れた。

 

1年後に税務調査が行なわれ、源泉徴収税額(30,630円=30万×10.21%(1円未満切捨て))の徴収もれが判明した。(天引きせずに全額払ってしまった。)

 

税務署は支払った方(源泉徴収義務者)へ所得税を請求します。本来は謝金の受給者である教授個人が払うべき所得税ですが、代わりに支払わなければなりません。

 

後日、受給者の教授個人へ連絡し支払処理のミスを謝り、立て替えて支払った所得税30,630円を支払ってもらうことになります。

 

しかし受給者の教授と連絡がとれなくなる(定年や引越し)と、その分が損害金となってしまいます。これはまずい状況になります。

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