会計書類の日付操作はバレます。税務調査では売上台帳と照合します。

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基礎知識
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納品書などの会計書類は、日付を変えてしまうとすぐにバレます。年度末に予算の残額を消化しようとして日付を操作すると、後で指摘を受けることになります。特に税務調査では、民間会社の売上台帳と、官公庁側の会計書類の日付を相互にチェックします。

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昔は官公庁側が書類の日付を決めていた

 

まだパソコンの普及していない1990年頃までは、単年度予算の制約の中で、手作業で支払処理を行なっていました。法令上は、請求書を受け取ってから30日以内に支払うことになるわけですが、年末や年度末には書類が集中し、休日出勤や徹夜しても、支払処理が間に合わない状況だったのです。そのため、請求書などの日付は、官公庁側が決めていました。日付を空欄にした請求書を提出してもらい、官公庁側で事務処理が可能になった日に合わせて、日付スタンプを押すことが実務上多く行われていたのです。

 

現在のようにパソコンを使った会計システムがなかったので、手作業で支払期限までに処理することは、現実的に無理だったのです。書類手続きがすべて手書きだったので、現在とは比較にならないほど支払処理に時間が必要でした。

 

例えば、金額の記載ミスだけで、最初から書類を作り直していたのです。支出決議書には、発注日、納品日、請求日、取引先の相手方、取引内容、取引金額を手書きで記入します。このうち金額部分については訂正できません。そのため、一番最後に金額を記入するのですが、何かの拍子に間違えてしまうのです。すると、それまでに書いた内容がすべて無駄になりました。最初から書き直して、最後に金額を書くときになって、運悪く電話が鳴ってしまい、また記入ミスになってしまうこともあったのです。パソコンの会計システムなら、簡単に修正することが、昔はできなかったのです。

 

2004年頃から、競争的資金という単年度予算の研究費が増加してきました。本来の研究は、1年程度の短期間では成果が見えないものです。しかし多くの研究費は、単年度予算として措置されるようになってしまったのです。無理に予算を使い切ろうとして、日付を操作するなどの不適切な会計処理も多くなってきました。

 

また、独立行政法人や国立大学法人で実施されるようになった消費税の税務調査では、官公庁側が保管する会計書類の日付と、民間会社側が保管している売上台帳を照合し、実際の取引日を調査します。その結果、官公庁側の書類が日付操作され、実際の取引日と違うケースが多数指摘されるようになりました。

 

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書類の日付操作は危険

 

予算消化を目的とした書類の日付操作が、研究費の不正使用としてマスコミでも報道されるようになりました。架空取引や預け金など、社会的に批判される事例が起きています。

 

特に税務調査では、国税専門官が、官公庁側の書類と民間会社側の売上台帳を照合します。官公庁側で架空の日付を記入すると、民間会社側の売上台帳の日付と乖離し、すぐに不適切な会計処理として指摘を受けてしまいます。

 

そのため、民間会社側から提出される書類(見積書、納品書、請求書)は、実際の取引日に基づいて、会社側で日付を記入してもらう必要があります。日付が空欄の書類は受理しない、とルール化している官公庁も多くなりました。

 

 不正を疑われないためにも、実際の取り引きどおり、日付の入った書類で支払手続きを行うことが重要です。

 

ただし契約手続きとは関係ない、予算要求用の参考見積書は、実際の取引を前提としていないので、日付は空欄でも問題ありません。参考見積書は、いつでも誰に対しても販売できる、値引きの少ない金額を表示したものです。契約に基づく取り引きに使う書類ではないので、日付は空欄でも問題ないわけです。

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