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基礎知識

官公庁の予算を簡単に理解する、そもそも歳入予算と歳出予算とは

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官公庁の予算はとても複雑です。国会や議会で予算を承認する理由、予算の根拠法令、民間企業と官公庁の予算についての違い、継続費、国庫債務負担行為、繰越明許費、それぞれを簡単に解説します。

 

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そもそも歳入予算とは

 

官公庁の予算は、大きく分けると2つになります。税金などの入ってくるお金と、契約代金の支払いなど出ていくお金です。

 

税金として入ってくるお金が収入です。そして集計期間を1年間で区切ると歳入になります。歳入の「歳」という字は、「トシ 年」です。1年間に入ってくるお金という意味です。

 

なぜ集計期間で区切るかというと、官公庁のお金は毎日流れているからです。1日の間に何回も収入としてお金が入ります。お金がいつも流れているので、どこかで区切らないと集計できないのです。そこで4月から翌年3月31日までの会計年度で区切り、予算として集計し、国会や議会で審議します。

 

日本では、官公庁の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までと法律で定められています。会計年度の始期は、国によって異なります。アメリカなどでは10月1日から始まります。

 

つまり 4 月から翌年 3 月 31 日までの間に税金などで入ってくるお金が歳入予算です。税金の身近な例としては、給与から差し引かれる所得税や住民税です。また買い物をしたときの消費税です。これらの税金が歳入予算として計上されています。

 

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そもそも歳出予算とは

 

次に出ていくお金です。例えば、みんなが利用する道路を考えてみます。毎日、歩道を歩いたり、車に乗ったり、自転車に乗ったりします。この道路は誰が作ったのでしょうか?

 

道路を作るには、ものすごいお金が必要です。ボランティア精神だけで十分な道路は作れません。道路のように、誰もが自由に使える公共の財産は、国や地方自治体などの官公庁が税金を使って作っています。官公庁の職員が自分で道路を作るのではなく、道路を作る専門の会社へ工事を依頼しているのです。道路を作るのは、専門の工事会社でないと無理です。そこで官公庁が工事専門会社と契約を締結して、工事を依頼し、契約代金を支払っています。工事契約以外にも、さまざまな住民サービスを実施するため契約を締結しています。

 

つまり国民のために、何かの事業を実施するときに、税金を使って支払っています。4月から翌年3月までの1年間に支払うお金を歳出予算といいます。

 

ただ、お金を使うのは民間会社との契約だけではありません。医師が治療するときの医療費、失業給付金、義務教育の学生への教科書代など、いろいろな形態があります。官公庁が実施する事業に使うお金すべてが歳出予算です。

 

歳入予算と歳出予算は、国会や議会の議決で決定されます。そして、それぞれの予算は、使い方などを厳格に法律で決めています。国民から集めた貴重な税金は、厳格なルールで管理しています。そうでないと、予算がぐちゃぐちゃになってしまい、いくら使ったかわからなくなるのです。

 

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国と地方自治体の予算

 

国や地方自治体などの官公庁が実施する事業は、すべて予算に基づきます。官公庁独自の判断で事業を拡大できません。国会や議会で承認された予算の範囲内でしか事業は認められていないのです。これは住民を代表する議員によって、国会や議会で予算を審議し、官公庁の活動をコントロールするためです。

 

税金を強制的に徴収しているので、税金を使うときは、国会や議会での承認が必須になるのです。 もし官公庁が、自分の判断だけで事業を拡大できるとすれば、あっという間に破産してしまいます。莫大な借金だけが残るでしょう。際限なく税金が上がることになります。

 

ここが民間企業と大きく異なるところです。民間企業は、自社の判断だけで事業を拡大できます。事業を拡大した結果、数年後に黒字を出せば会社として成功したことになるのです。自由な判断で利益を獲得できるわけです。

 

しかし官公庁が、自分だけの判断で事業を拡大できるとすれば、運営資金である税金を多く徴収しなければなりません。国会や議会の知らないところで税金を増やせば、国民にとって大きな損害になります。必要なサービスかわからないところへ税金を使うのは間違っています。このようなことが起こらないよう、国会や議会で毎年予算を審議しています。

 

予算の種類は次のとおりです。国の場合は財政法、地方自治体は地方自治法で定めています。

 

財政法
第十六条 予算は、予算総則、歳入歳出予算、継続費、繰越明許費及び国庫債務負担行為とする。

 

地方自治法
第二百十五条 予算は、次の各号に掲げる事項に関する定めから成るものとする。
一 歳入歳出予算
二 継続費
三 繰越明許費
四 債務負担行為
五 (略)

 

継続費は、完成までに数年を要する工事や製造契約などの予算です。複数年度にわたる支出も認められており、予算の繰越しも可能です。

 

国庫債務負担行為は、債務を負担する権限(契約締結権限)を認めるだけで、支出権限までは認めていません。支出するときは歳出予算の中で認められなければなりません。工事契約やシステム開発、リース契約などの予算が国庫債務負担行為です。

 

繰越明許費は、会計年度内で支出が終わらなかった場合、翌年度に使用できる予算です。天候に影響を受けたり、相手方の事情で金額が変わるなど、事前に執行金額の把握が困難なものが該当します。科学研究費も、研究の進捗状況が変わるため繰越明許費として認められています。

 

継続費、繰越明許費、国庫債務負担行為は、いずれも会計年度を超えて予算を使うものです。会計年度独立の原則に対する例外です。

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