物品の保証期間の法的根拠、契約書に記載する瑕疵担保責任

国立競技場
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無償保証期間とは

買い物した後で、すぐに、その製品が故障してしまい、修理を依頼したら有料で、さらにお金が必要になったとしたら、騙されたようで納得できません。詐欺のように感じます。

購入するときに、欠陥品だということを見抜けずに、買った人に責任があるとしたら、良いものに価値があるという、市場経済の原則そのものが崩壊します。

そのため、消費者保護の観点から、通常の使用によって故障したときなど製品に瑕疵があった場合は、一定の期間、メーカー側に無償修理が義務付けられています。

いわゆる「無償保証期間」です。

一般的にに「保証期間」と言われています。少し高額な物品を購入すると、必ず「保証書」が添付されています。



無償保証期間の法的根拠

日本では、商慣習として「保証期間」は常識になっているので、普段の生活では、あまり深く考えなくても支障ありません。

しかし、官公庁の契約実務では、基礎知識として理解しておく必要があります。

最初に、保証期間の法律的な根拠を確認します。

民法

(売主の瑕疵担保責任)
第570条  売買の目的物に隠れた瑕疵があったときは、第566条の規定を準用する。

第566条  買主がこれを知らず、かつ、そのために契約をした目的を達することができないときは、買主は、契約の解除をすることができる。この場合において、契約の解除をすることができないときは、損害賠償の請求のみをすることができる。

3  契約の解除又は損害賠償の請求は、買主が事実を知った時から一年以内にしなければならない。

瑕疵担保責任とは、売買契約などで物品を買ったとき(納品検収完了時)に、納品されたときに、わからなかった不具合です。

瑕疵とは、キズや欠陥のことで、製品の不具合です。通常の使用で壊れた場合や故障した場合が該当します。

物品の売買については、民法第570条で566条を準用すると規定されていますので、566条の解釈になります。

つまり、上記の民法を簡単に説明すると次のようになります。

購入した物品が故障した場合は、(566条第3項で)買主が故障の事実を知った時から1年以内であれば、契約の解除ができ、または損害賠償の請求ができる。

この条文から、1年以内に故障などの不具合があったときは、無償修理するという保証規定が一般化されています。



商人同士の売買の保証期間

ただし、商人同士の売買は、民法でなく、商法が適用され、保証期間は6ヶ月です。

商人同士とは、メーカーと販売店、卸業者などの間の取引のことを指します。

商法

(買主による目的物の検査及び通知)

第526条  商人間の売買において、買主は、その売買の目的物を受領したときは、遅滞なく、その物を検査しなければならない。

2  前項に規定する場合において、買主は、同項の規定による検査により売買の目的物に瑕疵があること又はその数量に不足があることを発見したときは、直ちに売主に対してその旨の通知を発しなければ、その瑕疵又は数量の不足を理由として契約の解除又は代金減額若しくは損害賠償の請求をすることができない。

売買の目的物に直ちに発見することのできない瑕疵がある場合において、買主が六箇月以内にその瑕疵を発見したときも、同様とする。

3  前項の規定は、売主がその瑕疵又は数量の不足につき悪意であった場合には、適用しない。

保証期間の例外とは

さらに、あまり関係ないですが、例外もあります。

住宅の品質確保の促進等に関する法律
住宅の新築工事の請負人や新築住宅の売主は、最低でも10年間の瑕疵担保責任となります。

製造物責任法(PL法)
PL法が適用される場合、製造メーカーは、別途の特約があったとしても、瑕疵担保責任が免責されません。

消費者契約法
企業と消費者との契約において、隠れたる瑕疵により消費者に生じた損害を賠償する事業者の責任の全部を免除する条項は、無効となります。

契約書の保証期間条文の記載例

官公庁の契約実務では、予算決算及び会計令第百条に基づき、「瑕疵担保責任」を記載することになっていますので、保証期間を明記します。

予算決算及び会計令

第百条 (略)契約担当官等が作成すべき契約書には、契約の目的、契約金額、履行期限及び契約保証金に関する事項のほか、次に掲げる事項を記載しなければならない。

六 かし担保責任

契約書に明記する保証期間の記載例です。

例(契約書の条文として記載)

第○○条

物品の保証期間は、検査を完了した日から1年とし、当該保証期間中に生じた故障等については、発注者の故意又は過失による場合を除き、無償にて修理するものとする。