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ここがわからない!「人件費」を簡単に計算するには「コツ」があった

基礎知識
この記事は約7分で読めます。

「人件費」を概算で計算する方法です。官公庁の会計実務では、事業の費用を見積もるときや、人件費を含む契約金額の概算を把握したいケースがあります。業務従事者本人へ支払う給与の他に、雇用主が負担する「法定福利費」の計算が必要になります。

 

この解説よりも、さらに簡単に「人件費」を計算する方法を、別記事で掲載しました。予想以上に本記事へのアクセスが多いので、わかりやすく簡潔にまとめました。ざっくりと、おおまかに「人件費」が知りたい人は、次の記事を参照ください。

これなら簡単!おおまかな「人件費」計算方法、「法定福利費」の解説
「人件費」を簡単に計算する方法です。社会保険や労働保険などの法定福利費の料率を把握すれば、悩まずに簡単に算出できます。おおまかに「人件費」を把握したいときの解決策です。各種保険料の料率さえ算出しておけば、給与を基に計算できます。
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事業主が負担する「法定福利費」を加算

 

人件費(給与やボーナス)を概算で計算する方法について解説します。委託業務の契約を締結するときや、予算を要求するときに、実質ベースに近い「人件費」を知りたいときの簡単な計算方法です。(2020年2月現在の各種データに基づいてます。)

 

人件費の計算は、業務従事者本人へ支払う給与の額(税金や社会保険料を天引きする前の給与総支給額)と、事業主側(雇用主である会社側)が負担しなければならない「法定福利費」の両方を計算し、合算します。

 

人件費 = 本人への給与支給総額 + 法定福利費

 

わかりやすいように具体的な数字で解説します。

 

給与の支給総額(月額)が30万円と仮定します。基本給、扶養手当、通勤手当などを全て含んだ支払総額とします。「人件費」としての費用を見積もるので、税金や社会保険料などの個人負担分は考慮せずに計算します。いわゆる「天引き」前の総額で計算します。

 

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人件費を計算するときの「積算項目」

 

人件費の月額を計算するときは、次の積算項目になります。2から7までが法律で定められている「法定福利費」(雇用主である会社側が負担する額)です。

1.月給総額(30万円と仮定)

2.健康保険料

3.介護保険料

4.厚生年金保険料

5.雇用保険料

6.労災保険料

7.子ども・子育て拠出金(旧・児童手当拠出金)

 

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給与総額(月給30万円と仮定)

 

月給総額は、就業規則や社内規則などで定められている給与と、年間ボーナスの金額です。予定価格として算出する場合は、公表されている統計データ(賃金センサス、賃金構造基本統計調査など)から算出します。

 

一般的には、基本給、扶養手当、通勤手当、超過勤務手当、賞与などの総額です。

 

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健康保険料は、「標準報酬×料率」(折半)

 

健康保険料は、全国健康保険協会(協会けんぽ)により都道府県別に金額が決まっています。

 

「標準報酬月額×料率」で計算します。下記の「保険料額表」に月額が記載されています。印刷して、見ながら理解しましょう。該当箇所を色塗りしながら読み進めると理解が深まります。

 

協会けんぽ「都道府県毎の保険料額表」

都道府県毎の保険料額表 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

東京地区(平成31年4月分以降)を例にします。折半額なので料率を半分にします。

 

健康保険料=30万円×(9.9%÷2)=14,850円

 

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介護保険料は、「標準報酬×料率」(折半)

 

介護保険料は、業務従事者(給与を受ける人)が、40歳から64歳までの場合に加算します。

 

上記の保険料額表の下段に説明書きがあります。

 

「標準報酬月額×料率」で計算します。

 

介護保険料=30万円×(1.73%÷2)=2,595円

 

表の中の「介護保険に該当する場合」の折半額と同じです。「11.63%-9.90%=1.73%」です。

 

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厚生年金保険料は、「標準報酬×料率」(折半)

 

厚生年金保険料は、上記の健康保険料と同じ表を使います。いずれも「標準報酬月額」に対して料率をかけるところに注意しましょう。(下の写真は、抜粋ですが、左の方に30万円の標準報酬欄があります。)

 

厚生年金保険料=30万円×(18.3%÷2)=27,450円

 

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雇用保険料は、業種により料率が変わる

 

雇用保険料は、「給与総額」に上記の率を乗じます。健康保険、介護保険、厚生年金は「標準報酬月額」に対して率を乗じますが、雇用保険は円単位までの「給与総額」に対して計算します。計算の基礎部分が異なることに注意しましょう。

また、事業の内容により「料率」が変わります。このケースでは、「一般の事業」とします。

 

厚生労働省やハローワークで「料率」の表が公開されています。

雇用保険料率について
雇用保険料率についてについて紹介しています。

 

 

雇用保険料=30万円(総額)×0.006=1,800円

 

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労災保険料は、全額事業主負担

 

労災保険料は、「給与総額」に上記の率を乗じます。健康保険、介護保険、厚生年金は標準報酬月額に対して率を乗じますが、労災保険は円単位までの「給与総額」に対して計算します。雇用保険と同じです。

 

厚生労働省で「料率」の表が「事業の種類ごと」に公開されています。

 

労災保険・雇用保険の特徴|厚生労働省
労災保険・雇用保険の特徴について紹介しています。

事務などの「その他の各種事業」と仮定します。

 

労災保険料=30万円×0.003=900円(事業主が全額負担)

 

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子ども・子育て拠出金は、全額事業主負担

 

上記の健康保険、厚生年金の料率表下段に表示されています。標準報酬月額に対して率を乗じます。

 

子ども・子育て拠出金=30万円×0.0034=1,020円

 

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人件費の「概算」を計算

 

参考に、料率を()書きします。

1.給与月額 30万円
2.健康保険料 14,850円 (4.95%)
3.介護保険料 2,595円 (0.865%)
4.厚生年金保険料 27,450円 (9.15%)
5.雇用保険料 1,800円 (0.6%)
6.労災保険料 900円 (0.3%)
7.子ども・子育て拠出金 1,020円 (0.34%)

 

総合計(1~7の計) 348,615円 (16.205%)

 

つまり、賃金30万円に対して、法定福利費(社会保険料)は48,615円です。法定福利費の割合を計算すると、16.205%が加算されることになります。料率(上記の%)の合計と同じです。

 

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ざっくり「人件費」を計算するときは「給与×1.16」

 

覚え方は、給与に色(16)をつけると覚えましょう。毎月の給与の他にボーナスが支給されるときも、ボーナスの年間支給割合(例えば3ヶ月分など)が判明していれば同様に計算します。

 

例 月給30万円 ボーナス年間3か月分

月給30万円×15ヶ月×1.16

 

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参考 「保険料額表」の見方

 

最後に、健康保険、厚生年金保険の保険料額表(料率表)の見方を解説します。

 

全国健康保険協会(協会けんぽ)により都道府県別に金額が決まっています。

 

都道府県毎の保険料額表 | 健康保険ガイド | 全国健康保険協会

 

最初に、賃金総額を「報酬月額」に当てはめます。例えば、月給総額が295,000円(天引き前)であれば、29万円~31万円の欄になるので、その左側を見て、標準報酬月額が30万円(等級22)になります。

 

健康保険と厚生年金保険料の計算は、この標準報酬月額(千円単位で丸めた数字)に対して率を乗じます。

 

また、表の上の方にある「折半額」という意味は、事業主側(会社などの雇用主)と給料をもらう人(労働者側)の負担比率です。「折半額」は、会社側と労働者側で均等に負担して全額を払います。


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