請負契約と業務委託契約の違いを正しく理解、民法と印紙税法の違い

奈良の公園、神社やお寺 会計法令の解説
奈良の公園、神社やお寺

この記事を読むのに必要な時間は約 5 分です。

 

契約手続きで判断に迷う「請負契約」と「委託契約」の解説です。請負契約は、仕事を完成させることが代金支払いの条件です。委託契約は、民法上の準委任に該当し完成品は必要ありません。何かの業務を代わりに行ってもらうことが準委任の委託契約です。

スポンサーリンク

請負と業務委託の違い

 

契約実務を行う上で、「請負契約」と「委託契約」の区別で判断に迷うことがあります。最初に、それぞれの契約について確認します。

 

「請負契約」は、民法で定めています。

 

民法

第六百三十二条  請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

 

仕事の完成に対して、代金を支払うという約束(契約)が「請負契約」です。民法では典型契約として定められています。

 

「委託契約」は、委託者が、受託者に対して業務の処理を委託し、受託者がそれを承諾することによって成立する契約です。民法では「準委任契約」として第六百五十六条で定められています。委任は法律行為を委託することですが、準委任は、法律行為でない特定の行為(業務)を委託することです。法律行為という意味は、契約締結などの法的な権利が発生する行為です。例えば、契約の締結権限を社長から部長へ任せる行為が委任です。通常、委任状が契約の相手方へ提出されます。

 

民法

(委任)
第六百四十三条  委任は、当事者の一方が法律行為をすることを相手方に委託し、相手方がこれを承諾することによって、その効力を生ずる。

(準委任)
第六百五十六条 この節の規定は、法律行為でない事務の委託について準用する。

 

「委託契約」は、請負契約のように何かを完成(完成品、成果物)させることに対して代金を支払うのではなく、業務を処理することに対して代金を支払います。完成品や成果物を必須としません。

 

「請負契約」と「委託契約」の違いは、両方を含む契約形態など曖昧な部分があり、わかりにくいです。簡単に整理すると、次の部分が違います。

 

「請負契約」は、完成品に対して代金を支払う。

「委託契約」は、(継続的な)業務に対して代金を支払う。

 

印紙税法の請負は広い概念

 

何か物を作り上げるのが請負契約ですが、印紙税法では無形的な結果を目的とする契約(警備、機械保守、清掃など)も請負契約に区分しています。

 

国税庁タックスアンサーから抜粋

No.7102 請負に関する契約書
(印紙税法上の請負契約)

 

請負についての契約書は、印紙税額一覧表の第2号文書「請負に関する契約書」に該当します。

 

請負とは当事者の一方(請負人)がある仕事の完成を約し、相手方(注文者)がこれに報酬を支払うことを約束することによって成立する契約をいいます。請負には建設工事のように有形的なもののほか、警備、機械保守、清掃などの役務の提供のように無形的な結果を目的とするものも含まれます。

 

具体的には、工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文請書、広告契約書、会計監査契約書などが請負に関する契約書に該当します。

 

参考に、政府系の受託研究契約書は、民法の準委任による委託契約であれば、印紙税の対象ではありません。請負契約であれば必要になります。この判断は微妙なので税務署に確認しましょう。もし印紙税を貼付し忘れても契約の効力に関係ありません。ただし民間会社は、後日税務署から追徴される可能性があります。(国立大学法人などは非課税法人です。)

コメント