タクシーが使えるケース、公費でタクシー代を支払うことができる場合

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出張旅費
2020年10月 日光東照宮

官公庁で仕事をしていると、タクシーが使えるのか判断に悩むことがあります。自腹でタクシーを使うのであれば自由ですが、公費でタクシー代金を支払おうとするときは注意が必要です。タクシーが使える具体例と必要書類について解説します。

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タクシーが必要になる場面とは

 

タクシーが必要になる場面は大きく二つに分かれます。出張中にタクシーを使う場合と、出張以外でタクシーを使う場合です。出張中には旅費として支払い、出張以外では物件費として支払うことになります。旅費と物件費は、官公庁の予算では明確に区分されているのです。

 

出張中にタクシーを必要とする場面は、用務先へ行くための交通手段がない場合です。電車やバスが走っていないケースが多いです。一方、出張以外でタクシーを必要とするのは深夜業務で終電がない場合や、持ち運びできないような重い荷物を運搬する場合などです。

 

いずれも事前にわかっていれば、上司や出張担当者などへ相談することができます。しかし事前に想定できず、現場でタクシーに乗らざるを得ない状況に遭遇した時は、判断に悩みます。自腹で支払うべきか、あるいは公費で支払うべきか迷うのです。自腹を切って自分のお金で支払うのであれば簡単です。ところが公務のためにポケットマネーを使うというのは、逆に公私混同を疑われることになるかもしれず、悩んでしまいます。

 

ポケットマネーで自分の財布から支払えば、プライベートな経費と見做されます。そうなれば出張用務そのものが、本当に公務として必要だったのか疑惑を持たれてしまい、本末転倒になってしまいます。そこで、タクシーが必要になったときの判断方法を具体例で解説します。

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タクシーを使っても問題ない場合

 

出張中にタクシーを使っても問題ない場合は、主に次のとおりです。

 

◯ 用務先への交通手段がタクシー以外にない場合

 

電車やバスなどの公共交通機関がなかったり、1日に6本くらいしか運転しておらず、1時間以上待たなければならない場合、あるいは出発時刻が遅く会議などの用務に間に合わない場合、徒歩で20分以上かかる場合です。

 

◯書類や荷物などが多く持ち運びできない場合

出張以外でタクシーを使っても問題ない場合は、主に次のとおりです。

 

◯待機命令などにより終電で帰れない場合

 

上司からの命令で深夜業務を行わざるを得ない場合です。職場の近くは電車が動いていても、自宅近くで終電を過ぎでいる場合も含みます。

 

◯書類や荷物などが多く持ち運びできない場合

 

◯多額の現金や機密書類を運ぶ場合

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タクシーを使う時に注意したいこと、事前に上司の了解

 

出張や深夜業務の多い職場では、タクシーの使用を制限しているところもあります。タクシーの使用は、公平性にも配慮しなければなりません。ひとりへタクシーの使用を認めれば、同じ状況の人にも認めることになります。この人は使えたのに、あの人は使えないなどの不公平があると問題になります。そのためタクシーの使用を一律に禁止している厳しい職場もあります。その場合には自腹でタクシーを使うしかありません。

 

事前に、自分の職場のタクシー使用ルールを確認しておきましょう。タクシーを使用するための規則が定めてある職場と、定めてない職場があります。官公庁におけるタクシーの使用方法は、法令には定めてありません。それぞれの職場でタクシーの使用規則を定めるかどうかも自由です。

 

事前にタクシーを使うことが予想されるなら、必ず上司に相談しておきましょう。事前に了解を得ておけばタクシーを使用して問題ありません。その場合には支払手続きに必要な書類も確認しておきましょう。

 

また想定しない状況でタクシーを使わざるを得ないときは、時間にゆとりがあるのであれば上司の承認を得るようにしましょう。スマホで上司へ電話して承認を得るのが通常です。

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タクシーを使いたいときの相談方法

 

タクシーの使用について、上司へ事前に相談するときは、必要理由をわかりやすく説明しながら相談します。上司は、本当に必要なのか、という視点で検討します。単に贅沢を味わいたい、という理由では認められません。物理的に不可能な場合や、身体に大きな負担がかかる場合にタクシーの利用を認めます。

 

相談する際は、口頭での説明を補足する資料を準備します。ヤフーの路線情報や、グーグルマップの経路など、客観的な資料を見せながら説明します。

 

バスや電車の本数が少ない場合の相談例

 

インターネットで時刻表を調べて、到着予定時刻から、待ち時間を予想します。待ち時間が1時間以上あるようなら次のように相談します。

 

「用務先へ行くための(バス・電車)の時刻表を調べたのですが、運行本数がとても少なくて、待ち時間が1時間くらいかかりそうです。そのためタクシーを使用したいのですがよろしいでしょうか? タクシー代金はおよそ3千円ほどかと思います。歩くと1時間以上かかりそうです。」

 

知らない場所で歩くのは、20分が限界です。知っている道であれば30分歩いても少し疲れるだけですが、全く知らない場所で30分も歩けば、もう精神的にも肉体的にもクタクタになってしまいます。到着するかどうかわからず、迷子になっているのかさえわからない状況です。出張用務を確実にこなすためにも移動の負担は少なくした方が良いです。

 

重い荷物を運ぶ場合の相談例

 

事前に荷物を運搬できなかったことを併せて説明します。

 

「今回は現地で配布するための◯◯をダンボール1箱分運ばねばならず、手で運ぶには限界があるのでタクシーの使用をお願いします。資料の作成がぎりぎりになってしまい、事前に宅配便で送るのも間に合いませんでした。」

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タクシーを使った後に必要になる書類

 

タクシー代金を現金で支払うときは次の書類が必要です。

 

◯領収証の原本
タクシー代金と支払日のわかるもの、レシートで十分です。できれば経路がわかるとなお良いです。

 

◯理由書
タクシーを必要とした理由をわかりやすく書きます。

記載例

「電車やバスが運行しておらず、交通手段としてタクシーしかありませんでした。徒歩では1時間以上かかるためタクシーを使用しました。」

 

「荷物がダンボール2箱あり、重くて運ぶのが困難なためタクシーを使用しました。」

 

◯立替払請求書
旅費ではなく、物件費の立替払いとして支払うときは、立替払請求書が別に必要になります。通常は職場で様式を定めています。

 

タクシー代金の領収書原本を紛失すると、原則として支払うことができません。領収書の原本がないと、実際に支払ったのか不明だからです。そのためタクシーの領収書が一番重要な書類です。なるべく運転手さんから領収書をもらった時に、スマホなどで写真を撮っておくことをお勧めします。万が一、領収書を紛失してしまってもスマホの写真が残っていれば認められるケースもあるからです。ただ通常は、領収書のコピーや写真は認められません。官公庁の立替払請求手続きでは、領収書は原本のみが有効です。

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居酒屋タクシー問題とは

 

2008(平成20)年頃に、マスコミで大きく取り上げられ問題になりました。霞が関の中央省庁では、国会対策のために深夜業務が毎日のように行われていました。終電で帰れることは少なく、いつもタクシーで自宅へ帰るのが当たり前のようになっていたのです。タクシー代金の支払いは、官公庁から支給されるタクシー券で支払えるので、実質的に自分の負担はなく公費でタクシーに乗れるわけです。

 

タクシー運転手の方もそれを心得ていて、 中央省庁の職員から深夜に呼ばれると、タクシーのトランクにつまみや冷えたビールやワインなどのアルコール類を用意して迎えに行くのです。そして帰りのタクシーの中で、つまみを片手にビールやお酒を飲みながら、自宅へ帰れるわけです。

 

少し遠い自宅であれば、タクシー代金が3万円近くになることもあり、タクシー運転手にとってもおいしい仕事になります。職員にとっても、馴染みの居酒屋タクシーを呼べば、いちいち自宅までの道案内をする必要もなく、安心して酒を飲みながら帰れるわけです。職員にとっても、運転手にとっても、おいしいのです。

 

しかし税金で買ったタクシーチケットを使って、馴染みのタクシー会社から酒やつまみで接待してもらうのは、贈収賄に近い行為です。タクシーチケットは自由に金額を記載できるため、通常のタクシー代金よりも高い金額を記載し、酒やつまみ代に充当したり、悪質なケースになると差額をキックバックして現金で貰っていたケースまであったようです。こうなると、かなりやばい状況です。数十人が懲戒処分を受けています。

 

実は私も、文部省で1年間だけ併任で勤務していた頃に、国会対策で深夜に帰宅することが多く、頻繁にタクシーを使っていました。当時(1982年)はサービス残業やハラスメントなどという言葉もない時代で、いかに耐えるかが美徳の時代です。仕事が終わるのは夜中の2時や3時が普通でしたので、帰りは当然タクシーチケットになります。ほぼ毎日タクシーを使いましたが、居酒屋タクシーには会ったことはありません。おそらく1982年頃には居酒屋タクシーはなかったのでしょう。

 

今思うと、居酒屋タクシーを経験してみたかったですね。

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