「随意契約」が不正になる「分割発注」とは、入札手続きとの比較

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国立競技場随意契約
国立競技場

「入札手続き」を避ける意図で、分割して「随意契約」を締結したり、架空工事を行うことは「不正」です。なぜ入札手続きを避けようとしたのか、随意契約によるメリットは何なのか、「入札」と「随意契約」の比較について解説します。

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「入札」よりも、分割した「随意契約」を選択

 

大阪市で、入札手続きを避ける目的で、契約を分割したり架空工事の随意契約がありました。「不正な随意契約」として次のように報道されました。

 

共同通信社 2009年7月30日配信ニュースからの引用です。

 

「 大阪市、不正な随意契約191件 総額1億6千万円 」

大阪市が2007~08年度に結んだ随意契約のうち、一般競争入札を避けるため随意契約が可能な金額まで事業を分割したり、代金不足を埋めるため架空工事をでっち上げたりした不正が、環境局など4局で51事業191件あったことが30日、市の調査で判明した。
不正契約は総額約1億6700万円に上るとみられ、関与した職員らは「一般競争入札は手続きに時間がかかるので、随意契約にしたかった」と証言。市は処分を検討する。

市によると、2年間の随意契約1万2394件のうち、契約日が近すぎるなど不自然な例3836件について調査を実施。その結果、環境局86件、港湾局45件、病院局44件、水道局16件に不正があったことが分かった。

 

この不正とされた契約手続きは、一般競争入札を避けるため、意図的に契約を分割したり、架空工事を発注したようです。一般競争入札になる金額は、局や事業内容によって異りますが、環境局の場合は100万円以上でした。

 

内部告発を調査する大阪市公正職務審査委員会が、不正契約の実態調査を市に勧告していたとのことです。

 

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「随意契約」のメリット

 

ニュースでは、「一般競争入札を避けるため随意契約が可能な金額まで事業を分割」したとあります。

 

このサイトの別記事でも解説してますが、一般競争入札は、手続きに要する時間が、随意契約の8~10倍程度必要になります。(例えば、随意契約なら5日間で完了する手続きが、入札手続きでは2ヶ月必要になるなど)物理的な手続き期間だけでなく、その間の人件費コストも必要です。

 

さらに、工事が複数ある場合は、その分倍増します。

 

上記のニュースは、「環境局で86件の事業分割」と書いてあります。つまり、86件については、本来、1件あたり2ヶ月間必要となる事務手続きを(不正に)5日間で処理したことになります。部分的な見方に過ぎませんが、86件×60日(2ヶ月)=5,160日の作業量を、86件×5日=430日で行ったとも言えます。そうであれば、4,730日分の人件費を節約したわけです。

 

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「入札」と「随意契約」のコストを比較

 

手続きの労力を、金額で見るために、数値で表現すれば次のとおりです。

 

2ヶ月間×86件=172ヶ月間の入札の必要コストを

5日間×86件=430日で随意契約で処理したこととなります。

 

比較しやすいように日数を人件費に換算します。

人件費は月額32万円、日額16,000円換算とします。

「本来、入札で5,160日間必要となるコストを、随意契約によって430日間のコストで済ませた。」

 

5,160日間ー430日間=4,730日間
4,730日間×日額16,000円=7,568万円節減

 

つまり10分の1の人件費コストで処理したのです。上記の試算では7,568万円節約したことになります。

 

もし、一般競争入札を実施すれば、この節約額以上の価格競争が可能だったのか(安くなったのか)ニュースだけでは不明です。

 

「随意契約」は、事務手続きの「簡素化」を目的としている面もあります。「公正性・公平性」を考えなければ、随意契約の方がコストを安くできた可能性があります。マスコミなどは、これらの実態や事実も併せて報道してもらいたいものです。

 

ニュースを見ると、「随意契約」=「不正」のように思ってしまいます。しかし、随意契約のメリットは「事務簡素化(コスト削減)」の面も大きいのです。

 

さらに、契約方式を選ぶときは、履行期限も検討します。入札に該当するような大きな契約は、長期間の手続きが必要です。すぐに工事を実施した方が「住民の利益」になるとしても工事ができません。

 

マスコミ報道は、社会に大きな影響を与えます。随意契約の仕組みを深く理解して、国民にとって利益になる内容の報道を期待したいです。

 

しかしながら、法令や条例や規則に違反した手続きは、「適正とは言えません」し、架空工事は完全に「虚偽」であり、明らかな不正経理です。弁解の余地はありません。

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