研究不正を撲滅する3つの方法、STAP細胞と競争的資金と研究者格差

基礎知識

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研究不正を撲滅する方法の解説です。論文不正は現在の制度では増加する一方です。競争的資金が増加し、短期間で研究成果を求めらています。身分の不安定な研究者が増加し、一部の研究者のみが高額な給与をもらう。研究者格差が年々広がっているのです。
 

STAP細胞の発表

 

2014年1月28日に行われた、理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)におけるSTAP細胞の発表は、テレビに釘付けになりました。かっぽう着姿のかわいい女性研究者が、 iPS細胞にも匹敵する、今までの常識を覆す偉大な研究成果を発表したということで、自然と涙が溢れ出すほど感動しました。またもや日本人が、しかも若い女性の快挙として、自分自身も興奮し、やる気が出てきました。おそらく、日本人の多くが感動し、勇気をもらったと思います。

 

天国から地獄へ

 

それから2カ月して事態は急変しました。

 

論文のねつ造があったとして、女性研究者の研究不正が認定されてしまったのです。

 

インターネットの発展によって、世界中の情報が近くなり、科学研究の世界でも論文の不正などが、頻繁にネット上で報告されています。これは極めて残念な世の中になりつつあると思います。真実を探求することは、研究者の本務であり、研究者が虚偽の行為を行うことは許されないことです。警察官が泥棒を行うのと同じほど罪深いものです。理化学研究所の予算を見ると、総額1300億円のうち、税金が800億円以上投入されています。官公庁と同じ国立の施設です。

 

もし、STAP細胞が第三者によって再現されなければ、研究チームで使用していた年間予算1500万円も、税金を無駄に使っていたと看做されてしまいます。

 

論文不正などの研究不正は、その原因として競争的な環境が背景にあります。2004年に国立大学が法人化されて以降、競争的資金が急増し、(比例しているとは考えたくありませんが、)研究不正も数多く発生しています。もはや、「研究不正は永遠に不滅です」と宣言したいくらいの危機的状況になっています。

 

STAP細胞騒動について、理化学研究所の報告では、女性研究者一人の不正となっていますが、明らかに組織的・制度的な欠陥がありました。組織として、発表前に実験データを検証するという基本的な姿勢に問題がありました。

 

なぜ、研究不正が後を絶たないのか・・

 

確実に言えることは、政府による科学技術政策の部分的な失敗です。教育研究分野に、「競争」という考えを取り入れてしまってから、正しい判断をするための余裕がなくなってしまったのです。

 

現在の公的組織で働く研究者は、身分が不安定であり、競争的資金と呼ばれる研究費を自ら獲得し、数年のうちに研究成果が認められなければ生活できない状況に陥っています。

 

根本的な解決策は簡単です。競争環境をなくせば良いのです。

 

競争的資金を廃止して、その予算を安定的な基礎財源に振り向け、さらに、任期付の身分が不安定な研究者の数を減らし、安定した雇用の研究者を増やすのです。ポストドクターの政策の失敗も反省しなくてはいけません。

 

安定した身分で、じっくりと研究に専念できる環境に方向転換するのです。

 

研究が重要であることは、誰も否定しないでしょう。高等教育、大学院教育は、研究の発展によって、教育のレベルを上げることができます。教育と研究は相互に密接に関連して時代と共に進歩します。教育の質を上げるには研究の質を上げなければなりません。

 

つまり、教育研究の分野に競争は不要なのです。公的組織に競争原理を取り入れてしまえば、人間というものは欲望の塊ですから、早く論文を書かなければいけない、早く研究成果を発表しなければいけないなどの意識が働き、不正が生まれるのは当然です。

 

研究不正を根絶させる方法

 

競争的資金を廃止し、教員や研究者の年収は、上限1千万円とするのです。

 

公的組織で働く教授クラスは、給与の年収が平均1200万円ほどです。この他に、講演料や書籍の印税、外部企業の兼業などで5千万近くの副収入を得ている人がたくさんいます。現在の競争的資金に基づく研究環境は、学会での発言力の強い一部の教授に資金が集まり、若い研究者が育たないのです。

 

有名な研究者の話として、研究者の給料を高くしないと、優秀な研究者が集まらない、外国へ逃げてしまう、ノーベル賞級の人材が確保できない、という意見もありますが、そんなことはありません。金に目の眩んだ研究者は、そもそも卑しい考え方の持ち主です。そのような人が公的組織で税金を使う資格はないのです。

 

また、年収が高くなると人間は奢りが生まれます。自分は偉いと思いこみ悪いことを始めるのです。

 

次に研究者の数を減らします。

 

人件費を減らすことによって、競争的資金を廃止し、安定した研究資金へ振り向けるのです。人数が減って予算が増えれば潤沢な研究費になります。例えば、研究者全員へ研究費を1人あたり年間1千万円配分するのです。そうすれば、研究者は、自分の身分に直結する研究成果に焦ることなく、誠実に公正な研究をじっくり実施することができます。また、管理部門の事務職員も目を配ることが可能になります。

 

研究者の数を減らすという話をすると、必ず、歴代のノーベル賞学者や著名な学者たちが反対意見を言います。日本の研究の裾野が縮まり、質が低下するというお決まりの意見です。

 

そんなことはないのです。

 

そんな屁理屈は要らないです。本当に真摯に研究に取り組みたい人の質は下がりません。むしろ、今までのように不安定な身分の研究者を増やしてしまえば質が低下します。ここ10年ほどの科学研究の不正事件を見れば明らかでしょう。

 

競争的資金を廃止する、給料を下げる(人並みにする)、数を減らす、この3つが研究不正を防止する根本的な解決策です。

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