なぜ「研究不正」が後を絶たないのか、これが原因、3つの対策とは

スポンサーリンク
基礎知識
この記事は約6分で読めます。

研究不正を撲滅する方法についての解説です。「論文不正」は、現在(2014年)の研究環境では増加する一方です。政府の「競争的資金」が増加し、短期間で研究成果を求めらています。背景には、身分の不安定な研究者が増加していることがあります。一部の有名な研究者のみへ研究費が集中するなど、「研究者格差」が年々広がっているのです。

スポンサーリンク

STAP細胞の発表

 

2014年1月28日に行われた「STAP細胞」の発表は、ほんとに衝撃でした。

 

テレビで放映された理化学研究所発生・再生科学総合研究センター(CDB)の発表に釘付けになりました。

 

かっぽう着姿のかわいい女性研究者が、 iPS細胞にも匹敵する偉大な研究成果を報告したのです。今までの常識を覆す研究成果を聞き、自然と涙が溢れ出すほど感動しました。

 

またもや日本人の快挙です。しかも若い女性です。テレビを見ていて自分自身も興奮し、やる気が出てきました。おそらく、日本人の多くが感動し、勇気をもらったと思います。

 

スポンサーリンク

天国から地獄へ

 

それから2カ月して、事態が急変しました。

 

「論文のねつ造」があったとして、女性研究者の「研究不正」が認定されてしまったのです。

 

インターネットの普及によって、世界中の情報が近くなりました。科学研究の世界でも「論文不正」などが、頻繁にネット上で報告されています。これは極めて残念な世の中になりつつあると思います。真実を探求することは、研究者の本務であり、研究者が「虚偽の行為」を行うことは許されないことです。警察官が泥棒するのと同じほど罪深いものです。理化学研究所の運営予算は、総額1300億円のうち、税金が800億円以上投入されています。官公庁と同じ「国民の税金」で運営している組織です。

 

もし、STAP細胞が第三者によって再現されなければ、研究チームで使用していた年間予算1500万円も、税金を無駄に(不正に)使っていたと看做されてしまいます。

 

論文不正などの研究不正は、その原因のひとつとして「過度の競争意識」が背景にあります。2004(平成16)年に国立大学が法人化されて以降、競争的資金が急増しています。(比例しているとは考えたくありませんが、)研究不正も数多く発生しています。もはや、「研究不正は永遠に不滅です」と宣言したいくらいの危機的状況になっています。

 

「STAP細胞」騒動については、理化学研究所の報告によれば、女性研究者一人の不正となっています。しかし理化学研究所が、組織として「公的に」発表したのです。明らかに組織的・制度的な欠陥がありました。組織として、発表前に「実験データを検証する」という基本的な姿勢に問題がありました。

 

スポンサーリンク

なぜ、「研究不正」が後を絶たないのか・・

 

確実に言えることは、政府による科学技術政策の瑕疵です。一部の失敗です。教育研究分野に、過度の「競争」意識を取り入れてしまったからです。「正しい判断」をするための余裕がなくなってしまったのです。

 

2014年現在、公的組織で働く研究者の多くは、身分が不安定です。3~5年の雇用期間がほとんどです。短期間で研究成果を挙げ、多くの研究者に認められ、政府の「競争的資金」を獲得しなければなりません。研究費を自ら獲得し、数年のうちに研究成果が認められなければ生活できない状況に陥っています。

 

根本的な解決策は簡単です。過度の「競争意識」をなくせば良いのです。

 

政府の「競争的資金」制度を廃止して、その予算を「安定的な運営財源」へ振り向けるのです。さらに、身分が不安定な任期付研究者の数を減らし、安定した雇用の研究者を増やすのです。ポストドクターの政策も見直す必要があるでしょう。

 

安定した身分で、じっくりと「研究に専念できる」環境へと方向転換するのです。

 

研究が重要であることは、誰も否定しません。高等教育、大学院教育は、研究の発展によってのみ、教育のレベルを上げることができます。教育と研究は、相互に密接に関連し、時代と共に進展します。「教育の質」を上げるには、「研究の質」を上げなければなりません。

 

つまり、教育研究の分野に、「過度の競争意識」は不要なのです。公的組織に競争原理を取り入れてしまえば、「早く論文を書かなければいけない」、「なんとしても研究成果を認めてもらわなければいけない」などの意識が働き、不正が生まれるのは当然なのです。なぜなら、多くの人間は欲望の塊なのですから。

 

スポンサーリンク

研究不正を「根絶」させる方法

 

まず政府の「競争的資金」制度を廃止し、教員や研究者の年収は、上限1千万円とするのです。

 

公的組織で働く教授クラスは、給与の年収が平均1200万円ほどです。この他に、講演料や書籍の印税、民間会社への兼業などで5千万円近くの副収入を得ている人さえいます。現在の競争的資金に基づく研究環境は、「公平な環境」ではないのです。例えば、学会での発言力の強い一部の教授に資金が集まり、若い研究者へ研究資金が届かないのです。

 

有名な研究者は、次のように話すことが多いです。

「研究者の給料を高くしないと、優秀な研究者が集まらない、外国へ逃げてしまう」

「ノーベル賞級の人材が確保できない」

しかし実際は、そんなことありません。金に目の眩んだ一部の研究者は、そもそも「卑しい考え方」の持ち主です。そのような人が、公的組織で税金を使う資質はないのです。

 

また、年収が高くなると、多くの人間には必ず「おごり」が生まれます。「自分は偉い」と思いこみ悪いことを始めるのです。

 

次に研究者の数を減らします。

 

人件費を減らし、競争的資金を廃止し、その財源を安定した研究資金へ振り向けるのです。人数が減って予算が増えれば、潤沢な研究費になります。例えば、研究者全員へ1人あたり年間1千万円の研究費を保障するのです。そうすれば、自分の身分に直結する研究成果に焦ることなく、じっくりと研究を実施することができます。また、管理部門の事務職員も十分な支援が可能になります。

 

「研究者の数を減らす」という話をすると、必ず、歴代のノーベル賞学者や著名な学者たちが反対します。日本の「研究の裾野」が縮まり、質が低下するという意見です。

 

そんなことはありません。

 

そんな理屈は要らないです。本当に真摯な研究に取り組みたい人の質は下がりません。むしろ、今までのように不安定な身分の研究者を増やすことの方が、質が低下します。ここ10年ほどの科学研究の不正事件を見れば明らかでしょう。

 

競争的資金を廃止する、給料を下げる(人並みにする)、数を減らす、この3つが研究不正を防止する根本的な解決策です。

スポンサーリンク
スポンサーリンク
誰も教えてくれない官公庁会計実務

コメント

タイトルとURLをコピーしました