誰かのミスでトラブルになったときの対処方法です。ミスした人がわかったときに、どのように対応するのが効果的か解説します。個人の責任を追及すると、みんなのモチベーションが下がります。誰もがミスするという前提で、ミスしない環境の検討が重要です。
トラブルが起きると冷静になれない
会計実務はお金を扱う仕事です。事務手続きのミスで損害が発生することもあります。特に官公庁の仕事は、会計法令に基づいて事務処理を進めます。法令の解釈を間違えてトラブルになることがあります。トラブルが起きてしまったときは、犯人探しや責任を追及するのではなく、原因を追究しましょう。
わかっているつもりでも、いざトラブルが起きると、冷静さを失ってしまいます。人間なので頭にきてしまうこともあります。
誰がこんなことやったんだ?
誰の判断だ?
つい個人を追及するような言い方をしてしまいます。しかし個人を攻撃してしまうと、人間関係が悪化し萎縮してしまいます。責められると本当のことも言えなくなってしまいます。
またミスの原因がはっきりしないと、言った言わない、の責任のなすりあいになってしまいます。後ろばかり見ていて、改善策などの前を向いた意見が出ません。周りとコミュニケーションがとれなくなり、いわゆる暗い職場になります。
トラブルで個人を責めない
トラブルに対処するときに重要なのは個人を責めないことです。改善策を検討するために、ミスの状況を聞くときは最初に次のことを伝えます。
「ミスは誰にでも起こることなので、気にしないでください。むしろミスが起きる状況を発見できたのはラッキーだと思っています。ミスが起こらないよう改善策を検討したいので、そのときの状況をくわしく教えてもらえませんか?嫌な思いをさせてしまい、本当に申し訳ないです。」
つまりミスした人に対して協力を求めるのです。気持ちの持ち方として、ミスが発見でき、事務手続きの欠陥がわかった、と冷静に判断する姿勢です。
注意したいのは、ヒアリングのときに絶対に言ってはいけない言葉です。相手をさらに追い詰めてしまいます。
誰が言った?
誰が判断した?
これらの言葉は個人の責任を追及するときに使うものです。知識不足や経験不足によるミスでは使ってはいけません。事務処理上のミスは、横領や詐欺事件でもない限り、犯罪ではありません。むしろ事務手続きのミスは誰にでも起こることです。
書類手続きでミスしたときに、個人を批判するだけでは改善につながりません。ミスした本人が一番反省しているのです。さらに批判しても何も生まれません。相手を傷つけるだけで意味がないのです。
トラブルを改善するためキーワード
トラブルが起きないように改善するためのキーワードです。
連絡を密にする
相互で確認する
改善策はコミュニケーションが最も重要です。事務処理を進めているときに、わからないことを周りの人に気軽に聞ける雰囲気が重要です。また複数の人が確認できる体制が望まれます。重要な手続きについては、複数の人がチェックする仕組みにしなくてはいけません。
改善策を検討するときは、特定の人の負担が増えないよう公平にします。ミスした人の負担が増えるような改善策は、絶対に行うべきではありません。
むしろミスした人の負担を減らすような改善策が望ましいです。
故意によるトラブルの対処方法
ただし悪意のあるトラブルのときは、個人の責任を徹底的に追及します。けして責任を曖昧にしません。誰かを故意に陥れようとしたり、組織に損害を与えようとしたり、虚偽を繰り返すなどの悪質な行為が原因のときは、徹底的に責任を追求します。
責任を追求して、本人に十分反省させる必要があります。反省しないなら懲戒処分も仕方ありません。故意にミスすることは犯罪と同じです。威力業務妨害などの可能性もあります。悪質なトラブルは毅然とした態度で徹底的に追及し許してはいけません。
もしトラブルの原因が悪質だと感じた場合は、すぐに上司に報告します。そして、できるなら弁護士へも相談しましょう。悪質な相手に対しては法的手段が最も効果的です。
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