見積書を依頼するときに話せる内容と秘密にする内容とは

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その他
2007年 シンガポール

見積書を依頼するときや、入札を実施するときに営業担当者から質問されることがあります。どの範囲まで話して良いのか迷います。例えば特定の民間企業へ予定価格を教えれば犯罪になってしまいます。官公庁の契約担当者が話して良い内容をまとめました。

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見積書を依頼するときに聞かれること

 

見積もり合わせのために見積書を依頼するときに、営業担当者が知りたい主な内容です。営業担当者は契約を取りたいのです。自分の会社だけに声をかけてくれているなら、安心して見積書を提出できます。しかし自社の他に他社へも声をかけているとなると、ライバルが存在するわけです。ライバルに勝たなければなりません。ライバルの情報を知りたいのです。

見積書を依頼するときに聞かれる主な内容

 

◯いくらなら契約できるか

 

◯何社に依頼しているか

 

◯依頼した会社名は

 

◯他社の見積金額はいくらか

 

◯これ以外に、今後、同じような契約を予定しているか

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少額随意契約で話せること

 

見積もり合わせを実施するときや、随意契約を締結するときに見積書を依頼する場合、営業担当者から聞かれたときに話して良い内容をまとめました。◯が話しても良い内容です。

 

見積書を依頼するときに話して良い内容

 

いくらなら契約できるか ✕

 

何社に依頼しているか ◯(複数社という言い方)

 

見積書を依頼した会社名は ✕

 

他社の見積金額はいくらか ✕

 

今後、他に同じような契約を予定しているか ✕

 

官公庁側で確保している予算額はいくらか ✕

 

簡単にいうと、ライバル会社の情報がわかる内容は話せません。ライバル会社の情報を知ることで、有利な見積金額を提出できてしまうからです。プライベートの買い物の値引き交渉であれば、他社の金額を引き合いに出して交渉するのが一般的です。しかし官公庁の契約手続きでは、他者の情報を引き合いにすることは、特定の企業を有利に扱うことになってしまいます。ライバル会社の情報を教えれば、官製談合と同じように、特定の企業と契約するために情報を漏らしていることになるのです。ライバル会社のことを聞かれたときは、次のように回答することになります。

 

この契約は価格競争で相手方を選ぶので、金額や他社の情報を教えることはできません。また複数社へ見積書を依頼していますが、それ以上のことは公表していません。公平・公正な競争のためにご協力をお願いします。見積金額は、契約可能なギリギリの金額でお願いします。

 

もし、他社の情報がわからなければ見積書を提出できない、という会社であれば辞退してもらう方が安全です。談合体質の危ない会社なので次のように断りましょう。

 

わかりました。残念ですが、見積書は結構です。また次の機会にお願いします。

 

見積書は、無理に提出して頂かなくても構いません。

 

なお見積もり合わせが終わった後で、契約の相手方が決定していれば、会社名と契約金額を話しても問題ありません。

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一般競争入札で話せること

 

入札公告を公開する一般競争入札では、話せる内容が随意契約と大きく異なります。一般競争入札は、誰が参加するかわかりません。官公庁との取引経験のない会社が参加することもあります。見積もり合わせによる随意契約では、あらかじめ信頼できる会社を3社選ぶので、3社の中から安心して契約の相手方を決めることができます。しかし一般競争入札では、誰が契約の相手になるのかわからない不安があります。また契約手続きも、一般競争入札の方は法令で細かく決められています。一般競争入札を実施したときに入札参加者から聞かれたときに話せる主な内容です。◯が話しても良い内容です。

一般競争入札で話せる内容

 

入札関係書類を取りにきた会社名 ✕

 

入札説明書、仕様書の補足説明 ◯

 

同等品を認めるかどうか ◯

 

入札書の記入方法、提出方法 ◯

 

いくらなら落札できるか ✕

 

何社が入札しているか ◯(複数社であれば)

 

入札に参加している会社名は ✕

 

予定価格はいくらか ✕

 

他に同じような契約を予定しているか ✕

 

官公庁側で確保している予算額はいくらか ✕

 

不特定多数の者が参加する一般競争入札では、随意契約よりも慎重に対応しなければなりません。基本的な考え方は、随意契約と同じように「特定の企業が有利にならない」ようにすることです。ライバル会社の情報を教えてはいけません。一般競争入札での質問は、入札説明書と仕様書に関することが多いです。記載内容の再確認や、意味がよく理解できない部分について質問があります。入札説明書と仕様書の記載部分についての質問は、相手方が十分に理解できるように丁寧な説明が必要です。また質問があったときに確認した結果、仕様書等の記載が間違っていることが判明したなら、すぐに参加者全員へ公平に知らせなければなりません。公平に行うために質問と回答をメール形式で行うこともあります。

 

大規模な入札になると、入札関係書類を取りに来た会社を調べるために、事務室の外でウロウロする営業担当者もいます。もし怪しい動きがあれば「公平な入札のためにもお帰りください」と注意しなければなりません。

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契約手続きの中で絶対に話してはいけないこと

 

契約担当者が一番注意すべきことは、予定価格の秘密を守ることです。事前に公表する予定価格であれば気にする必要はありません。しかし秘密扱いの予定価格は、誰にも話してはいけません。家族や友人、他の係の人たちへも話しません。予定価格について話せるのは、決裁権限を持つ上司だけです。つまり予定価格調書の決裁欄に押印する人たちだけです。それ以外の人から、「予定価格はいくらなの?」と聞かれたら次のように答えましょう。「秘密なので教えられません」と答えると、嫌な奴と思われ友人を失います。実際に予定価格が完成していて金額を覚えていても次のように答えましょう。

友人や同僚などから予定価格を聞かれたとき

 

予定価格は、まだ積算できていないので、私にもわかりません。いつも開札直前に上司と調整しながら積算することにしています。

 

契約手続きが進んで開札の段階になると、開札会場で落札しないときや、再度入札を繰り返すときに、入札参加者から「予定価格を教えてもらえれば、それより安く入札できます。」と提案してくることがあります。そのときは次のように対応します。

入札参加者から予定価格を聞かれたとき

 

すみません、予定価格は公表していません。予定価格を基準に入札するのではなく、思い切った金額で入札をお願いします。これ以上無理、という金額でお願いします。この予定価格は、法律で秘密扱いになっているので教えられません。

 

また落札決定後に、「もう落札した後なので、参考に予定価格を教えてもらえませんか?」と聞かれることもあります。そのときは次のように答えます。

 

落札決定後に予定価格を聞かれたとき

 

すみません、落札後であっても、秘密扱いの予定価格は教えられません。今後実施する他の入札で予定価格を類推されてしまい、価格競争が弱まってしまうので教えられません。

 

さらに気をつけたい点が、予定価格を作成するときは周りに注意することです。机に座って集中していると、背後に営業担当者が立っているのに気付かないことがあります。営業担当者が近くにいないか常に注意しておきます。また机を離れるときは、予定価格作成に使っている資料は、必ず大きな封筒に入れておきます。机の上に置いたまま離席すると、営業担当者が見てしまうかもしれません。机から離れるときは、外から見えないよう大きな封筒に入れたり、引き出しの中へしまうのが安全です。

 

ゴミ箱へ捨てるときも、そのまま捨ててはいけません。必ず自分自身でシュレッダーにかけます。信じられないかもしれませんが、競争の激しい入札では、ゴミ箱から予定価格の関係資料を探す人たちが実際にいます。予定価格に関係することを大きな声で話してもいけません。予定価格は、入札参加者から見ると、ものすごく知りたい情報なのです。

 

予算額は、予定価格とは関係ないように思えますが、稀に予算額を限度として予定価格を作成することもあります。予算限度による減額調整として、取引価格をさらに減額することがあるのです。そうなると予算額と予定価格が同額になります。そのため予算額も教えてはいけません。もし予算額を聞かれたときは次のとおり対応します。

入札参加者から予算額を聞かれたときの対応

 

今回の契約は、通常の予算を使うので、予算額は決まっていません。

 

実際にも、大きな契約の予算額は、上級官庁(国の場合は本省や財務省)などへ予算要求することが多いです。要求額が100%認められることは少なく、不足分を経常予算から補填します。どこの官公庁もギリギリの予算で運営しているので、契約に必要な十分な予算を確保できる方が珍しいのです。

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