予定価格で悩んでいる人に伝えたいこと、その悩みは贅沢で貴重な経験

国立競技場 予定価格
国立競技場

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予定価格の意味

 

官公庁の契約実務担当者にとって、一番やっかいで面倒な書類作成のひとつが予定価格です。

 

予定価格が必要なければ、どれほど契約実務が簡単になるか計り知れません。

 

ある時期は、予定価格の作成こそが「事業仕分け」だろと考えるのが、人間として正しいとまで思っていました。

 

では、なぜ予定価格が必要なのでしょうか。

 

今回は、予定価格の法的な根拠などの形式面の話ではなく、人間としての精神的な一面について解説します。予定価格を作成するときのモチベーションになります。

 

税金を使用する公的組織の役割は、無駄なく効果的に予算を使用するという、大きな基本原則があります。

 

公的組織で働く人間は、常に、国民のため、市民のために、貴重な税金を効果的に使いたい、という気持ちを持たなければなりません。

 

契約実務を長年経験し、予定価格を何百件も作成してきた実際の体験から振り返ると、次のように感じています。

 

予定価格の作成は、社会を知ることができます。予定価格の積算を行うことによって、民間会社の商取引の実例、親会社と子会社の関係、会社で働く人たちの考え方を学ぶことができます。社会人としての一般常識と併せて専門知識が習得できます。

 

予定価格の作成は、人事異動で契約実務を担当する部署に配属されない限り経験できません。

 

一般的には、契約係、会計係、調達係などの契約専門部署に配属されるチャンスは、かなり少ないです。逆に、一度、契約実務を経験すると、その後の人事異動でも、契約担当としての配属が多くなります。

 

これは、契約実務を行うためには、専門知識が必要とされているからです。さらに、契約実務に必要な専門知識は、一般的な社会常識が前提になっています。社会に対する幅広い知識に加えて門的な実務経験がないと、契約実務は担当できないのです。人事異動の際に契約経験が重視されるのは、組織の中で契約実務に関する専門性が認知されているからに他なりません。

 

残念ながら、その割には、契約実務経験者の人事上の処遇は良くないのが一般的ですが・・

 

特に、予定価格の作成実務は、実際に自分で様々な民間会社から情報を得て、自分の手で書類を作成しない限り、作成方法を覚えられない専門領域です。理論だけでは通用しない世界です。

 

予定価格の作成は創作活動

 

予定価格の作成は、創造力がないと作成できません。

 

作家が、小説という作品を作り出すのと似ています。あるいは芸術家が芸術作品を完成させるのと似た創作行為です。

 

特に、人件費を含む役務契約の予定価格作成は、作業の流れをイメージしながら、物語を創造するように、筋道を立てて予定価格を作成していきます。その行為は、創作の世界そのものと言えます。小説は虚構の世界ですが、予定価格を作成する行為は、実社会をイメージして創作するのです。

 

さらに、契約実務担当者は、人間の本能に根ざした、物を買うという行為が可能です。そして予定価格は買物の基となる書類なので、ストレス発散になります。予定価格を作成することによって、その次の手続きである契約を締結します。買物をする充実感や達成感を契約後に体感できるのです。

 

新人の頃は、大きな契約は任せてもらえませんが、契約実務を数多く経験し、ベテランになれば、数千万円、あるいは億単位の買物(契約手続き)を自分で行うことができます。大規模な契約が成立したときの達成感や充実感は、仕事の楽しさを味わせてくれるのです。

 

今、予定価格の作成で悩んでいる人は、自分が置かれた環境をラッキーと思った方が良いです。予定価格を作成することは大変な作業ですが、とても貴重な経験なのです。

 

予定価格で悩めるのは、贅沢なことです。

 

ほとんどの人は、一生のうちで予定価格を作成する機会さえありません、その経験ができるのは幸せと考えましょう。

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