源泉徴収した所得税を税務署へ納付するのを忘れていました。しかも、かなり前から納付していません。当時の担当者が税務署への支払手続きを知らなかったようです。税務署へ確認したところ、すでに時効になっている所得税は徴収できないとの回答でした。
所得税の時効とは
会計検査対応のために、過去の支払書類と帳簿を確認していたところ、なんとビックリ、源泉徴収した所得税の支払い漏れを発見してしまいました。謝金を支払ったときに、本人への支払額から源泉徴収した所得税が帳簿上に残ったままです。どうやら、税務署へ支払うのを担当者が忘れていたようです。当時の会計担当者はすでに異動してます。嫌なものを見つけてしまったと後悔です。
しかし間違った会計処理は直さなければなりません。会計担当者としては無視できません。もしかしたら税務署から怒られるかも・・でも仕事ですから仕方ないです・・
早速、税務署へ問い合わせしました。税務署からの回答は、すでに時効になっている所得税は徴収しないとのことでした。そこで、所得税の時効と手続きミスによるペナルティーについて調べました。
次の法律によれば、時効は5年間です。
ですが、もし税金を納付し忘れた状況が判明したら、すぐに最寄りの税務署へ相談し指示に従いましょう。所得税の判断はケースバイケースで全く変わることがあります。税金を納めることは国民の義務です。
国税通則法(昭和三十七年四月二日法律第六十六号)
(国税の更正、決定等の期間制限)
第七十条 次の各号に掲げる更正決定等は、当該各号に定める期限又は日から五年・・(略)・・を経過した日以後においては、することができない。
(国税の徴収権の消滅時効)
第七十二条 国税の徴収を目的とする国の権利は、その国税の法定納期限から五年間行使しないことによつて、時効により消滅する。
所得税を忘れたときの加算税などのペナルティー
源泉所得税を納期限までに税務署へ支払わなかった場合は、不納付加算税10%(自主納付の場合には5%)がペナルティーです。さらに延滞税(納期限の翌日から2月間は4.3%、それ以降は14.6%)が原則としてかかるようです。やはり所得税は複雑です。
いずれにしてもミスが判明したら、すぐに最寄りの税務署へ相談しましょう。税金関係のミスは多いので、税務署の人は親切に教えてくれます。
時効になった所得税の納付
今回、運よく(運悪く?)見つけた所得税の納付もれは、時効を経過したものと時効前のものでした。時効前の所得税は通常どおりに支払います。時効になった所得税も、このままでは気持ち悪いので納付したいと思い、再度、税務署へ電話しました。すると税務署の回答は次のとおりでした。
時効になった所得税は、納付してもらっては困る。徴収できないので還付することになる。所得税は厳格に法律に基づく処理しかできない。
つまり時効になった所得税は、税務署は受け付けられないとのことでした。
仕方なく、時効になった所得税は雑収入扱いとしました。しかし気持ち悪さは残ったままです。源泉徴収するときは、税務署へ忘れずに納付しましょう。
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