両方とも「報酬」? 官公庁が支払う「謝金」と「給与」の違いとは

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給与謝金
イギリス コッツウォルズ

官公庁が支払う「謝金」と「給与」の違いについての解説です。委員会への出席や、セミナーでの講演を外部の専門家へ依頼することがあります。謝礼として「謝金」を支払います。「給与」との違いや「報酬」との関係をわかりやすく解説します。

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「謝金」と「給与」の違い

官公庁がセミナーや会議などを開催するときに、外部の人へ業務を依頼することがあります。例えば、検討委員会や諮問会議を開催するときは、外部の専門家や有識者からの意見が必要です。また大規模なセミナーを開催するときは、一時的に発生する受付業務や会場整理など人手のかかるイベント業務を依頼します。講演や研修会の講師として外部の専門家を招くこともあります。

 

依頼した相手が会社組織であれば、「業務委託契約」や「請負契約」として代金を支払います。しかし、相手が個人のときには謝礼金として「謝金」を支払います。国の予算では「(目)諸謝金」として予算が計上されています。

 

「給与」は、雇用契約に基づいて、上司からの指揮命令によって働いた仕事に対する対価です。国家公務員であれば国家公務員法第98条、地方公務員であれば地方公務員法第32条によって「上司の職務上の命令に忠実に従わなければならない。 」と定められています。独立行政法人なども就業規則の中に同様の服務規定があります。雇用契約によって就業規則が適用されることになります。

 

一方、「謝金」で支払う業務を依頼する相手は、雇用関係がない第三者です。雇用契約を締結してないので、指揮命令権がなく命令できません。命令ではなく依頼行為になります。依頼された者は、従う義務はありません、拒否することも可能です。あくまで「善意」で行なうものです。そのため「謝礼金(お礼)」として支払うわけです。

 

「謝金」と「給与」の違いを簡単にまとめると、次のとおりです。「雇用契約の有無」で判断します。

 

「謝金」は、雇用契約のない第三者の個人へ支払うもの

「給与」は、雇用契約に基づき支払うもの

 

ただし雇用関係のある者へ、謝金を支払うケースも稀にあります。本来の業務以外の業務を依頼するときは、謝金として支払うことも可能です。その場合には「勤務時間外」であることや、「兼業」が認められていることが必要です。ややこしくなるので、通常は雇用関係のある人に対して謝金は支払いません。勤務時間外であれば「超過勤務手当」で支払うことが多いです。

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「報酬」は広い概念

ややこしい言葉として「報酬」があります。「報酬」の定義は、いろいろな場面で使われるので明確ではありません。しかし実務上は、「謝金」と「給与」などを含む概念と考えておきましょう。

 

人件費に関係する言葉は、賃金、給与、給料、謝金、業務委託など多数あります。根拠法令も、民法や労働基準法、労働契約法、各種社会保険など、極めて複雑です。

 

実務上は、大雑把に、人件費に関係すること全てを含めて「報酬」と理解しておきましょう。ケースバイケースで意味合いが微妙に異なることを知っておくと混乱しません。

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「謝金」を支払うときの注意点

「給与」は、それぞれの組織で「給与規則」などのルールが定められています。公平に毎月支払われるものです。「謝金」は、依頼する業務の内容や、相手方の役職などによって「支払単価」が異なります。支払単価を一律に定めているケースは少ないです。

 

しかし国民の税金を原資とする公費からの支払いでは、一定のルールに基づく支払処理が必要です。ルールがないと適正な事務処理とは言えません。謝金の支払単価についても、内容に応じて単価を設定するなどのルール化が望ましいです。例えば、過去の支払データを分析して、謝金の支払単価を設定した「謝金取扱規程」などを策定するのが適切な取り扱いになります。

 

また「謝金」は、所得税法上の源泉徴収が必要な「報酬・料金等」に該当することが多いです。ルールを定めるときは、最寄の税務署へ相談し、源泉徴収の対象となるものや税率について事前協議しておくと効率的です。

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